2025カンヌ映画祭:パルムドールはジャファル・パナヒ『It Was Just an Accident』

第78回カンヌ国際映画祭が24日に閉幕した。
最終日には大規模な停電が発生し、上映が一時中断する事態となったが、その後再開され予定通り閉幕式が行われた。

今年のパルムドールは、イランのジャファル・パナヒ『It Was Just an Accident』が受賞した。政府が反体制派であるパナヒへの映画制作禁止措置を解除した後に制作されたこの作品は、怒りと不条理なユーモアが同等に織り交ぜられたドラマ。物語は、刑務所で自分たちを拷問した検察官を特定したと思い込む5人の人物を描いている。

これでパナヒはカンヌ、ベルリン、ヴェネツィアの三大映画祭すべてで最高賞を獲得した史上4人目の監督となった。
日本の早川千絵監督『ルノアール』は受賞を逃した。

「ある視点」部門ではチリのディエゴ・セスペデス監督『The Mysterious Gaze of the Flamingo』が最優秀作品に輝いたほか、新人監督に贈られるカメラ・ドールは、イラク出身のハサン・ハディ監督『The President’s Cake』が受賞した。

コンペティション部門受賞作品は以下の通り。

パルムドール(最高賞)

『It Was Just an Accident』 ジャファル・パナヒ(イラン)

グランプリ

『Sentimental Value』 ヨアキム・トリアー(ノルウェー)

審査員賞

『Sirat』 オリヴァー・ラクセ(スペイン)
『Sound of Falling』 マーシャ・シリンスキー(ドイツ)

特別賞

『Resurrection』 ビー・ガン(中国)

主演男優賞

ワグネル・モウラ 『The Secret Agent』(クレベール・メンドサ・フィリオ監督/ブラジル)

主演女優賞

ナディア・メリッティ 『La petit dernier』

監督賞

『The Secret Agent』 クレベール・メンドサ・フィリオ

脚本賞

『Jeunes meres』 ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ

 

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参照:Variety