カンヌ映画祭でカタルーニャ映画が快挙 2作品が同時にメインコンペ入り

スペイン・カタルーニャの映画界が歴史的な快挙を達成した。カルラ・シモン監督の『Romería』(原題)とオリバー・ラクセ監督の『Sirat』(原題)の2作品が、カンヌ国際映画祭のメインコンペティション部門に選出された。カタルーニャのプロデューサーによる作品が同部門に同時に選ばれるのは初めてのこと。

この成果は偶然ではない。カタルーニャでは、ICEC(カタルーニャ文化企業研究所)などの支援機関と、映画教育機関が連携し、長年にわたり映画人の育成に力を注いできた。加えて、国際共同制作への積極的な取り組みが世界市場への扉を開いている。

『Romería』のプロデューサー、マリア・サモラ氏は「才能は政策によって育まれる」とし、若手作家やオートゥール作品を支援する文化政策の重要性を強調。一方で、『Sirat』のプロデューサーであるオリオル・マイモ氏は「作品の個性を保ちつつ、広い観客を意識した制作姿勢が評価されている」と語った。

カタルーニャ映画は今、確実にその存在感を高めている。国際市場を見据えたプロデューサーや監督たちの努力が結実し、世界の舞台で「ローカルからユニバーサル」へと飛躍している。

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参照:Variety