カンヌ映画祭「ある視点」でイタリアの若手映画監督が注目を集める

今年のカンヌ映画祭では、イタリアからコンペティション部門に1作品、ある視点部門に2作品が選出され、現在のイタリア映画界の状況を反映するラインナップとなった。

メインコンペティションには、マリオ・マルトーネ監督(『ノスタルジア』)の新作『Fuori』(原題)が選出。フェミニスト作家ゴリアルダ・サピエンツァの実話を基に、彼女が刑務所で出会った女性との絆を描く伝記映画だ。

ある視点部門には2作。ひとつは、アレッシオ・リーゴ・デ・リーギ&マッテオ・ゾッピス監督(蟹王の物語』)による『Heads or Tails?』。西部劇として制作され、ジョン・C・ライリーがバッファロー・ビル役を演じる。

もうひとつは、無名に近い新鋭フランチェスコ・ソッサイ監督による『The Last One for the Road』。物語は、貧乏でバー巡りをする50代の2人の男が、内気で目標のない建築学生と出会うというものだ。あらすじには、「3人の男はヴェネツィア平原を駆け巡る混沌としたロードトリップに出発する。そこでは、的外れなアドバイス、二日酔い、そして予期せぬ友情が、若者の人生と愛の未来を揺るがすことになる」と記されている。

近年イタリアでは、政府による税制優遇制度の見直しの遅れで大作の制作が停滞しているが、若手監督の台頭は目覚ましい。
さらに、アリーチェ・ロルヴァケル監督(『幸福なラザロ』)がカメラ・ドール審査員長、姉の女優アルバ・ロルヴァケルが本審査員を務めるなど、仏伊の強い映画的つながりも話題を呼んでいる。

 

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参照:Variety