『ランディ・ローズ』25歳でこの世を去ったオジー・オズボーン・バンド初代ギタリストの数奇な運命を描く
自身のバンド、クワイエット・ライオットと、オジー・オズボーン・バンドの初代ギタリストであり、今年で没後40年を迎える永遠のギターヒーロー、ランディ・ローズ。華麗なる成功を遂げ、突然の悲劇へと至る、その栄光と哀しみを綴った物語である。
クワイエット・ライオット時代の貴重なライブ映像や肉声インタビュー、プライベートショット、さらにオジー・オズボーンや、同時代にデビューし、共にギターヒーローへと昇りつめたエディ・ヴァン・ヘイレン、ランディを敬愛するミュージシャンやギター・テック(ギターのメンテナンスや選定をするプロ)、ランディの母や兄弟などの貴重なインタビューを入れ子にしながら、まさに閃光と呼ぶにふさわしい、華やかで短すぎるランディの人生が、まるで一枚のタペストリーのように編み上げられてゆく。
監督を務めるのは、アメリカの伝説的HIP HOPグループN.W.Aの真実を暴くドキュメンタリー『N.W.A & EAZY-E:キングス・オブ・コンプトン』などを手掛けたアンドレ・レリス。脚本と編集をマイケル・ブルーイニング、ナレーションをL.A.ガンズのトレイシー・ガンズが担う。
80年代初頭、ロックという枠組みの中に多様な音楽性を盛り込んだランディの深みのあるギターソロ、とりわけクラシック要素を多分に取り入れ、その繊細さ、複雑さ、奥深さをエレキギター一本で表現するという巧みな才能に、多くの聴衆が魅了された。
ボーカルをも凌ぐほどの熱狂を巻き起こした彼のギターソロは、今、サブスクで飛ばし飛ばし音楽を聴くことに慣れ、ギターソロを堪能することなどほとんどなくなったといわれるZ世代に、一体どう写るのだろうか。
とはいえ、この映画の素晴らしいのは、ギタリストとしての才能と功績を称えるに留まらず、字義通り「天使」のようなランディという存在が放つ「光」、あるいはカリスマオーラがいかに本物であったかを、数多くのエピソードを通じて語り伝えていることである。
アンドレ・レリス 監督インタビュー
――監督はパンクバンドで10年間、ヘビーメタルのギタリストとして活動されていたそうですね。本作を作ったきっかけは何だったのでしょうか?
私にとってランディ・ローズは、常々インスピレーションの源であり、完全に謎に包まれた存在でもありました。また、オジー・オズボーンがブラック・サバスからオジー・オズボーン・バンドへと変貌を遂げるのに、ランディが大きな影響を与えたことは明らかですが、一般の人々にはその重要性があまり理解されていないと感じていました。だから私は、ランディの物語を伝え、ランディがオジーの新しいバンドを成功させるきっかけとなった最も重要な人物であることを示したかったのです。
――本作の魅力を教えてください。
ランディ・ローズの生い立ちを知ることができること。そして、アメリカでは商業的にリリースされなかった、クワイエット・ライオットの素晴らしい楽曲を、このドキュメンタリーで、効果的に紹介できたと思います。サウンドミックスのプロセスで、その楽曲が前面に出てくるようにしたかったのです。ドキュメンタリーを見るだけでなく、クワイエット・ライオットのファースト・アルバムをランディのギターと共に体感できるのが見どころです。
――この度、日本での劇場公開が決まったことに関して、感想をお聞かせください。
日本で劇場公開されると聞いて、最高に興奮しています。私は若い頃、日本で多くの時間を過ごしました。14歳の時に一人東京で、夏を過ごしたこともあります。その経験を通じて、私は日本の文化が大好きになりました。日本への愛情は深く、自分が監督した映画が日本で劇場公開されることは、とても光栄に思っています。
ソングズ SONGS
*以下いずれも、アルバム「BLIZZARD OF OZZ」より
OZZY OSBOURNE - "Crazy Train" (Official Video)
OZZY OSBOURNE - "Mr. Crowley" 1981 (Live Video)
『ランディ・ローズ』予告編
公式サイト
2022年11月11日(金) 新宿シネマカリテ、渋谷シネクイント、アップリンク吉祥寺、アップリンク京都、ほか全国順次ロードショー
ランディ・ローズ
オジー・オズボーン、エディ・ヴァン・ヘイレン、ルディ・サーゾ、フランキー・バネリ、ジョージ・リンチ、ゲイリー・ムーア、ダグ・アルドリッチ、ジョエル・ホークストラ、ブルース・キューリック、ドゥイージル・ザッパ
ナレーション:トレイシー・ガンズ
監督:アンドレ・レリス
脚本・編集:マイケル・ブルーイニン
2022年/アメリカ/英語/カラー/ビスタ/5.1c/92分/原題:RANDY RHOADS:Reflections of A Guitar Icon/字幕監修:上田慎也(ヤング・ギター)
提供:ニューセレクト 配給:アルバトロス・フィルム 後援:文化放送
©RANDY RHOADS: LEGEND, LLC 2022