『アメリ』観る人みんなが幸せになる!と謳われ社会現象を巻き起こした奇跡の映画が22年ぶりに4Kで甦る
フランス・パリの下町、モンマルトルを舞台にした、おしゃれなロマンチックコメディ『アメリ』。DICE+読者の中には、日本で公開された2001年に、今はなき渋谷のミニシアター「シネマライズ」で鑑賞したという人もきっといるだろう。
公開当初から『アメリ』は世界各地でロングラン・ヒットを記録。2002年には映画界最高峰の祭典アカデミー賞で外国語映画賞、美術賞など5部門にノミネートされた。フランスでは当時のシラク大統領やジョスパン首相も観賞し話題となり、日本では、当初「シネマライズ渋谷」での1館限定公開だったが、前評判を聞きつけた人々が行列し「観たいのに観られない!」という社会現象を巻き起こすことに。その後、全国47都道府県、再上映含め全160館で上映されるなど、異例の拡大公開となった。
監督は、本作以前、『デリカテッセン』(91)『ロスト・チルドレン』(95)『エイリアン4』(97)とダークな世界を描くのを得意としてきたジャン=ピエール・ジュネ。そんな監督が、次は「人々を幸せにする映画を撮りたい」と願い、自分が好きなもの、好きな場所、幸せの種を埋め込んで本作が完成したという。
主演のアメリには、当時映画デビューしたばかりのオドレイ・トトゥ。脚本段階で主演に想定されていた俳優がスケジュールの都合で降板し、その後彼女に決まったというが、蓋を開けてみれば、存在感にしろ、演技力にしろ、今では彼女以外には考えられないほどのはまり役との評判を得た。
さらに、パリらしいおしゃれな色使い、ポップなインテリア、寓話的演出、ヤン・ティルセンによるノスタルジックなメロディー、これらが融合したキッチュでおしゃれな世界観が、世代を超えて大人の女性たちの心を鷲掴みにしてきた。
そんな『アメリ』が、ジュネ監督監修によるデジタルリマスター版で、再びスクリーンに帰ってくる。本作の舞台、スマホもSNSもない時代の、のんびりと時間の流れる人間臭いパリ下町の空気感と、そこに暮らす人々にささやかな幸せをもたらすアメリの姿は、今もなお色褪せることのない魅力に溢れている。これは、何度見ても新しく、何度見てもまた見たくなる、大人にとっての永遠のおとぎ話なのだ。
ジャン=ピエール・ジュネ 監督
ジャン=ピエール・ジュネ
監督
フランス出身。
フランスを代表する映画監督。独学で映像制作を学び、TVコマーシャルやミュージッククリップを制作。マルク・キャロと組んで制作した短編映画が仏セザール賞で高い評価を得る。キャロと共同で監督した初の長編『デリカテッセン』(91)、続く『ロスト・チルドレン』(06)で国際的にも注目を集め、『エイリアン4』(98)の監督に抜てきされハリウッドに進出。その後本作を監督し、アカデミー賞に5部門ノミネートされるなどして、世界的に大ヒットとなる。その後は、本作の主演オドレイ・トトゥを迎えた『ロング・エンゲージメント』(04)、ダニー・ブーン主演『ミックマック』(10)、自身初の3D映画『天才スピヴェット』(14)を監督している。最新作は、ネットフリックス映画『ビッグバグ(BIGBUG)』(23)がある。
ストーリー
風変わりな両親の間に生まれたアメリは、父の誤解から学校に通えず、空想の世界で一人遊びする子ども時代を過ごした。大人になった今はパリの下町、モンマルトルで一人暮らし。カフェ「ドゥ・ムーラン」の個性的な同僚や常連客に囲まれて、居心地がよい毎日を過ごしている。
ダイアナ元妃がパリ市内で事故死したニュースに気を取られ、アメリは香水瓶の蓋を落とす。コロコロと転がる蓋は洗面所の壁にぶつかり、壁の裏に隠されていた宝箱が40年振りに現れた。宝箱を持ち主に届けるサプライズを思いつき、アメリは翌朝からアパルトマンの管理人のマドレーヌや1階の食料品店に声を掛けたり、当時を知る人を訪ねて郊外へ出掛けたりと、持ち主捜しの冒険に夢中になる。
古株の住民、レイモンのサポートで宝箱を返す極秘ミッションは大成功! 持ち主の元少年が奇跡に驚喜する姿はアメリの心を動かし、得意のいたずらで人々を幸せにするお手伝いをしようと、アメリは早速、お節介プロジェクトを立ち上げる。
お節介プロジェクトのおかげで周囲が少しずつ明るく幸せになる一方で、アメリは初めての恋に臆病になっていた。恋を知らないアメリは、幸せへの一歩を踏み出せない。アメリの寂しそうな背中を押したのは、意外な人だったーー。
『アメリ』予告編
公式サイト
2023年11月17日(金) ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、ユーロスペース、アップリンク吉祥寺、ほか全国順次ロードショー
2023年11月24日(金) アップリンク京都
監督・脚本:ジャン=ピエール・ジュネ 『エイリアン4』『天才スピヴェット』
出演:オドレイ・トトゥ『ロング・エンゲージメント』『ダ・ヴィンチ・コード』 マチュー・カソヴィッツ 『ウルフズ・コール』
2001年/フランス/フランス語/121分/シネスコ/原題:Le fabuleux destin d'Amélie Poulain /日本語字幕:齋藤敦子
提供:ニューセレクト 配給:アルバトロス・フィルム
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