アフガン映画『明日になれば』タリバン制圧後出国したカリミ監督にインタビュー
アフガニスタンで生活する3人の女性を映画いた『明日になれば~アフガニスタン、女たちの決断~』。年齢、生活環境、社会的背景が異なる3人のアフガニスタン女性が初めて直面する人生の試練をそれぞれ描いたオムニバス・ドラマ。本作はアフガニスタン映画機構(Afghan Film)初の女性会長を務める新鋭、サハラ・カリミの長編監督デビュー作にして、ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門出品となった。
10代からイランとスロバキアの2カ国で難民生活を送り、2021年8月にタリバンによってアフガニスタンが制圧されたことにより、3度目の難民となったアフガニスタンの女性監督、サハラ・カリミの長編監督デビュー作『明日になれば~アフガニスタン、女たちの決断~』の公開を記念して、カブールからの出国先のローマで取材に応じてくれた。
アフガニスタンでは女性は教育を受けられないという理由でイランで高校を卒業したカリミ監督は、スロバキアに難民申請をした際の自身の経験を元に監督した『そよかぜ』がスロバキアで最も権威のあるSUN IN A NET賞を受賞。博士号を取得しアフガニスタンに帰国するも、女性という理由で家父長制社会では簡単に受け入れてもらえず、以降、アフガニスタンに生きる女性達の映画を制作。
カブールでも数少ない「運転する女性」と彼女達がどう見られているかを追ったドキュメンタリー『運転するアフガンの女たち』や、人生の岐路に立つ、異なる社会背景の3人の女性を描いた劇映画『明日になれば~アフガニスタン、女たちの決断~』を監督してきた背景や、昨年ウクライナ政府の助けにより3度目の難民となったカリミ監督だからこそ語れる「悟ったこと」と「日本人に求めること」を、インタビューと貴重な映像・写真を元に紹介する。
『明日になれば』予告編
監督:サハラ・カリミ
脚本:サハラ・カリミ、サミ・ハシブ・ナビザダ
出演:アレズー・アリアプール フェレシュタ・アフシャール ハシバ・エブラヒミ
2019年/アフガニスタン・イラン・フランス/ペルシャ語、ダリ語/83分/カラー/原題:『Hava, Maryam,Ayesha』
配給:NEGA
©2019 Noori Pictures