『sio/100年続く、店のはじまり』幸せの分母を増やすためコロナ禍をひた走る、鳥羽周作シェフの密着ドキュメンタリー

『sio/100年続く、店のはじまり』幸せの分母を増やすためコロナ禍をひた走る、鳥羽周作シェフの密着ドキュメンタリー

2023-04-21 09:36:00

『sio/100年続く、店の始まり』は、代々木上原のレストラン『sio』のオーナーシェフ鳥羽秀作の”情熱大陸”とも言えるドキュメンタリーだ。『sio』はミシェランガイドで4年連続一つ星のレストラン。料理のジャンルは「イノベーティブ」。

ミシェランガイド2023には、こう紹介されている。

一つ星:近くに訪れたら行く価値のある料理
「Jリーグの練習生、小学校の教員、32歳で料理を志したドラマチックな人生。イタリアンで料理の本質を学び、フレンチでは新たな料理を生む感性を養った。店名は鳥羽周作シェフが大事にする塩味から。修業経験をベースにジャンルにとらわれない発想は楽しみ。味の決め手は愛情を込めた“sio加減”」

コロナ禍の間に鳥羽シェフの事業欲は膨らみ続け、昆虫食を提供するサステナブルなレストランEAT for E のメニューを監修するなど活動は拡大していき、業態の異なる5つの飲食店(【o/sio】、【純洋食とスイーツ パーラー大箸】、【ザ・ニューワールド】、【Hotels】)を運営。2022年には福岡市天神に【o/sio FUKUOKA】、【おいしいパスタ】をオープンし、食のクリエイティブカンパニー・株式会社「シズる」代表取締役として「100年続く、店作り」を行なっている。急速に100人規模まで拡大する事業、鳥羽シェフのイノベイティブとクリエイティブに、そしてスピードにスタッフ全員がついていくのは大変そうで、映画ではその辺りの軋みも描かれている。

配給会社の宣伝コピーは、「ひとりの料理人が選んだ道は、孤独で幸福か?」だ。

鳥羽シェフはこれから映画を観る人に次のように語っている。

「こんなに小さな映画を見つけてくれて、時間をかけてくれたこと。ありがとうございました。僕はこれから、飲食業界のスティーブ・ジョブズを目指して、歩みを進めていきます。誰に言ってもこんなこと笑われるのですが、僕は、僕だけは、自分自身のことを信じてこの目標を実現させるために、一歩ずつ、幸せの分母を増やすための行動を続けていきます。だから、皆さんも。自分を信じて」


森田雄司 監督コメント


「幸せの分母を増やす」をモットーにしている鳥羽さんだが、取材初期に本人から「誰かに喜んでもらえたらそれでいいんです。僕がやりたいことはそれしかないんですよ。」と屈託のない表情で話してくれた。 自分が恥ずかしくなった。 どこかで一つ星シェフが私利私欲のために聞こえの良い言葉を並べているだけではないか、そう勘繰っていたからだ。その期待は見事に裏切られた。 自身の人生を捧げてまで目的を成し遂げようとする真っ直ぐな心にカメラを向けるたび自分が試されている気がした。こんなにも本気で生きようとしたことがあっただろうか。 僕が鳥羽さんに成長させてもらったように、この映画が、観る人全ての心を動かすものであって欲しいと願います。

森田 雄司
監督・撮影・編集
1984年生まれ、京都出身。株式会社ポルトレ所属。京都精華大卒後、愛知・大阪の映像制作会社でディレクターとして企業VP、民放番組などを担当。14年から上京、映画制作スタッフとして国内からハリウッドの商業映画製作に参加。20年よりフリーのカメラマン・ディレクターとしてNHK、Yahoo! Japan Creators、「北欧、暮らしの道具店」などのドキュメンタリー制作を手掛ける。本作が初の劇場公開作品となる。

 

ストーリー

100年続く店だったら、おれは死んでますから。
おれがいてもいなくても、この店を良い店にするためには、そもそもいない方がいいんですよ。

100年先まで続く店をつくる―。そう語った鳥羽周作シェフは、ミシュラン一つ星を獲得したレストラン「sio」の厨房を離れることを決意していた。
喫茶店、すき焼き、居酒屋など業態の異なる飲食店を矢継ぎ早にオープン。SNSでレシピを公開し、レシピ本の出版や数多くの有名企業のフードプロデュースも手掛ける。すべては、より多くの人に美味しいを届け、「幸せの分母を増やす」ために。

時代のトップランナーに駆け上がっていく鳥羽シェフと急拡大するsioグループ。だが、速すぎる成長と大きすぎる鳥羽という存在は、共に働くスタッフたちに軋みと迷いをもたらし、一番身近な家族を取り残していく。

外出自粛によって、飲食店がかつてない大打撃を受けた2021年1月からの1年間に密着。
コロナに苛まれる日本で、「おいしい」で幸せを届けるために孤独に走り続ける一人のシェフを追いかけたドキュメンタリー。

 


鳥羽周作
Sio OWNER CHEF
1978年生まれ、埼玉県出身。sio株式会社/シズる株式会社代表取締役。Jリーグの練習生、小学校の教員を経て、31歳で料理人の世界へ。2018年オープンの代々木上原「sio」はミシュランガイド東京2020から4年連続一つ星を獲得。業態の異なる8つの飲食店も運営。書籍/YouTube/SNSなどで公開するレシピや、フードプロデュースなど、レストランの枠を超えて様々な手段で「おいしい」を届けている。モットーは『幸せの分母を増やす』。

What’s sio
鳥羽周作シェフが手がける東京代々木上原のレストラン。2018年にオープンし、ミシュランガイド東京2020から4年連続で一つ星を獲得。おいしいを超えた感動を届けるため、素材の本質を見極めた美しい料理と、想像を超える斬新なコース構成、そこにマッチするペアリングドリンクを提供する。店名は鳥羽シェフが大事にする塩味に由来する。

 

『sio/100年続く、店のはじまり』予告編

 

公式サイト

 

2023年4月21日(金) シネ・リーブル池袋、アップリンク吉祥寺、ほか全国順次ロードショー

 

出演:鳥羽周作

監督・撮影・編集:森田雄司
音楽・MA:中西ゆういちろう ナレーション:中崎敏
企画・エグゼクティブプロデューサー:玉井雄大 プロデューサー:石原弘之
録音協力:丹雄二 カラリスト:木村豊 宣伝協力:うぶごえ
製作:テラスサイド 配給・宣伝・制作:ポルトレ

2023年/日本/75分/カラー/16:9/DCP

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