『女神の継承』ナ・ホンジン原案・プロデュース 韓国×タイのタッグが織り成す衝撃の未体験ホラー
『哭声/コクソン』で世界中の観客を未知の領域へと誘った韓国映画界の気鋭、ナ・ホンジン。そんな彼が原案・プロデュースした最新作『女神の継承』が、再び私たちを更なる深い未知の森へと誘い込む。
監督は『心霊写真』がハリウッドリメイクされ、『愛しのゴースト』でタイ歴代興行成績第1位を記録したアジア屈指のヒットメーカー、バンジョン・ピサンタナクーン。『哭声/コクソン』でファン・ジョンミンが怪演した祈祷師の「生い立ちを伝えたい」と考えたナ・ホンジンは、その企画を形にできるクリエイターとしてタイ出身の彼を抜擢した。バトンを引き継いだピサンタナクーン監督は、タイの信仰文化への理解を深めるために1年間かけて30人以上の祈祷師と会い、話を聞いたという。本作でみられる、生々しくエキゾチックな空気を纏った儀式や祭典の描写は、監督のリサーチがあってこそのものだろう。
本作は、あるドキュメンタリーの撮影班がタイの霊媒について取材をする、という形で展開され、女神バヤンの巫女であるニムやその姪のミンの生活にカメラが向けられていく。モキュメンタリーのようなつくりであるが故に、現実と作り話の境界がぼやけ、あたかも自分が撮影班の一員になったかのような感覚さえ覚える。“舞台の女王”とも呼ばれるニム役のサワニー・ウトーンマをはじめとしたキャストたちのナチュラル且つ緊迫感のある演技も、見事なまでにその没入感に拍車をかけている。
物語後半からはより過激さが増していき、沸々と恐怖が蓄積され、ラストのクライマックスで全てが解放される。最後に待っているのは希望なのか、絶望なのか。それを知るためには作品を観るほかないが、未知の森の中に吸い込まれて取り残されることがないよう、要注意である。
ストーリー
小さな村で暮らす若く美しい女性ミンが、原因不明の体調不良に見舞われ、まるで人格が変わったように凶暴な言動を繰り返す。途方に暮れた母親は、祈祷師である妹のニムに助けを求める。もしやミンは一族の新たな後継者として選ばれて憑依され、その影響でもがき苦しんでいるのではないかー。やがてニムはミンを救うために祈祷を行うが、彼女に取り憑いている何者かの正体は、ニムの想像をはるかに超えるほど強大な存在だった……。
ナ・ホンジン(原案・プロデュース)
1974年、韓国生まれ。漢陽大学工芸学科を卒業後、映画製作の夢を追い求めて韓国芸術総合大学で学ぶ。『汗』などの短編を製作したのち、『チェイサー』で長編デビュー。ソウルで起こった連続殺人事件の実話にインスパイアされた同作品は、韓国で観客動員500万人超を記録し、大鐘賞の作品賞、監督賞を始め、数多くの賞に輝いた。カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品された長編第2作『哀しき獣』は、『チェイサー』のハ・ジョンウ、キム・ユンソクと再び組んだバイオレンス・スリラー。そして長編第3作『哭声/コクソン』では、青龍映画賞の監督賞などを受賞した。
バンジョン・ピサンタナクーン(監督・脚本)
1979年、タイ生まれ。バンコクのチュラロンコン大学映画学科を卒業後、いくつかの短編を製作する。パークプム・ウォンプムと共同で監督を務めた『心霊写真』で長編デビュー。2004年度のタイ国内興収1位を記録した同作品は、落合正幸監督のハリウッド映画『シャッター』としてリメイクされた。その後はホラー映画『Alone』、2011年の大阪アジアン映画祭で上映されたラブ・コメディ『アンニョン!君の名は』などを発表。タイの有名な怪談に基づくホラー・コメディ『愛しのゴースト』は、国内の歴代興行成績を更新し、1000万人を動員する大ヒットとなった。続いて、北海道ロケを行ったラブ・ストーリー『一日だけの恋人』を発表。同作品は、2017年の大阪アジアン映画祭で日本に紹介された。
予告編
公式サイト
7⽉29⽇(金) シネマート新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷、グランドシネマサンシャイン池袋、アップリンク吉祥寺
8月12日(金) 丸の内ピカデリーほか全国公開
原案・プロデュース:ナ・ホンジン(『チェイサー』『哭声/コクソン』 )
監督:バンジョン・ピサンタナクーン
出演:サワニー・ウトーンマ、ナリルヤ・グルモンコルペチ、シラニ・ヤンキッティカン
2021年/タイ、韓国/タイ語/131分/カラー/1.78:1/5.1CH/R18+/原題:랑종/英題:THE MEDIUM/字幕翻訳:横井和子
配給:シンカ 提供:シンカ、エスピーオー
後援:タイ国政府観光庁 協力:OSOREZONE
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