Elephant Gymドキュメンタリー映画『More Real Than Dreams』現代における「表現」と「継続」のリアルを映し出す

Elephant Gymドキュメンタリー映画『More Real Than Dreams』現代における「表現」と「継続」のリアルを映し出す

2026-01-22 14:00:00

『More Real Than Dreams』は、台湾・高雄出身の3ピースバンド、Elephant Gymによる初のドキュメンタリー映画だ。
兄のTell Chang(ギター)、妹のKT Chang(ベース)、そしてドラマーのChia-Chin Tu。インストゥルメンタルを主軸とする彼らは、2024年、23カ国60都市を巡る大規模なワールドツアーを成功させた。

この映画が興味深いのは、彼らがいわゆる「バンドシーンの王道」を歩んできた存在ではない、という点にある。歌詞もなく、映像的な派手さを前提としないインストゥルメンタル・バンドでありながら、Elephant GymはSpotifyを通じて世界的な支持を獲得していった。

作中では、台湾のバンドであることを知らないまま音楽に惹かれ、Spotify経由でライブ情報を受け取り、実際に会場へ足を運んで初めて「台湾から来たバンドだった」と知る海外ファンの姿も紹介される。
YouTuberであれば無名でも再生数を獲得し、マネタイズできる時代。音楽の世界においてもまた、「映像」や「言語」に依存しないかたちで、インストゥルメンタルが世界へ届くためのプラットフォームが整っていることを、この映画は静かに示している。

彼らの音楽を好むのは、明確な物語やメッセージよりも、抽象的な感触や余白に惹かれる人々だという。その一方で、本作では2022年に行われた《Elephant Dream Lab》と呼ばれる没入型劇場ライブの映像も収められている。観客自身が空間を移動しながら体験するそのライブは、音楽の「抽象性」と、身体的で具体的な体験とが交差する象徴的なシーンとして強い印象を残す。

そしてファンにとって何より見逃せないのは、メンバー3人がそれぞれ、現在抱えている葛藤や問題について率直に言葉を重ねていく場面だろう。兄妹という関係性、バンドという共同体、そして個人としての人生。そのすべてが重なり合う場所で、彼らは決してドラマティックに装うことなく、淡々と、しかし誠実に自分たちの内側を語っていく。

成功の裏側で何が起きていたのか。
音楽を続けるとはどういうことなのか。
『More Real Than Dreams』は、Elephant Gymというバンドを追った映画であると同時に、現代における「表現」と「継続」のリアルを映し出す一本でもある。

夢が現実になったとき、人は何を失い、何を手放さずにいられるのか。
その問いの答えは、劇場の暗闇の中で、彼らの音とともに立ち上がってくる。

(TA)

 

メンバーによる来日トークセッションも

Elephant Gym 初のドキュメンタリー映画が 1 月23日(金)に劇場公開。
23カ国60都市のワールドツアーを成功させたバンドだったが、その裏にあった解散の危機、知られざる葛藤や苦悩。バンドとは一体?

昨年は三度もの来日を果たし、つい先月10月13日には原宿・Fender でのイベントにて、フェンダー・アーティストとなったことが発表された台湾・スリーピースバンド、Elephant Gym。
この度、バンド初のドキュメンタリー映画「More Real Than Dreams」が2026年1月23日より、UPLINK吉祥寺および UPLINK京都で上映されることが決定した。

この映画は2025年10月、台湾を代表するフィルムフェスティバル「高雄映画祭」にて上映され、日本と台湾の劇場でも上映が決定。昨年、大成功を収めた23カ国60都市でのワールドツアーだが、その準備の最中、解散の危機を迎えていたことなど、これまでバンドが直面していた葛藤や苦悩が収められている。メンバーはもちろんのこと、日本からは亀田誠治や小西遼のインタビュー映像、各地でのライブ映像などが収録されている。

 

イントロダクション

もし夢が現実になるとしたら、あなたはどんな代償を払えるだろうか?台湾・高雄出身のインストゥルメンタル・バンド、Elephant Gym。2012 年の結成以来、変拍子による複雑なリズムや楽曲構成と、洗練されたメロディーが交錯するインディーミュージックを生み出し続けた。台湾においてはあまりに前衛的な音楽性に、誰が聴くのか?という声も上がり続けたという。しかし 2024 年、彼らは 23 か国・60 公演に及ぶワールドツアーを開催。そのツアーは日本でも、三度もの来日公演を実施。世界各地のファンを熱狂させ、その存在を確かなものにした。しかし、その華やかなステージの裏側には、兄妹であるギタリスト・Tell Chang とベーシスト・KT Chang の間には、家族とバンドメンバーの間で揺れる大きな葛藤が。ドラマー・Chia-Chin Tu には掛け持ちのバンドを離れざるを得なかった決断も。そして、ワールドツアー直前に訪れたバンド解散の危機——。知られざる苦悩と衝突。それでも彼らは、音楽を信じ、絆を信じ、歩み続けた。ニッチなジャンルから世界へと羽ばたいたElephant Gymは、自身の音楽活動を通して、異なる人間同士が集まるバンドとは?人と人との繋がりとは?を問いかける。
夢と現実の狭間で、彼らが見つけた“真実”——。ぜひ、劇場でその答えを見届けてほしい。

 

Elephant Gymプロフィール

Guitar, Piano, Synthesizer :Tell Chang(張凱翔)/ Bass, Vocal : KT Chang(張凱婷)/ Drums :Chia-Chin Tu(涂嘉欽)/ *Tell と KT は兄妹。

2012 年結成、台湾・高雄出身のスリーピース・バンド。感情的でメロディアスなベースラインを中心に据えながら、優しく包み込むギターやピアノとドラムのアンサンブルで、洗練された楽曲構成のセンスや高いテクニックを見せつける。初期はスリーピースのバンドサウンドによるインストゥルメンタルを基調としながらも、現在はジャンルや音楽的枠組みを超過し、自ら歌を歌うことや多様なアーティストとのコラボレーション、様々な楽器を取り入れることで、幅広い音楽性を体現している。

台湾のみならず世界的に評価が高く、 初期には 日本にて「SUMMER SONIC 2016」「SYNCHRONICITY ‘18」「りんご音楽祭 2018」「OOPARTS 2018」に出演。2018 年 11 月、2nd フルアルバム「Underwater」のリリースツアーとして東名阪ジャパンツアーを開催。また、北米公演全6箇所ソールドアウト含む、14 カ国約 100 公演のワールドツアーを実施し、その中で、Tyler, The Creator主催「Camp Flog Gnaw Carnival」(LA ドジャースタジアム)にも出演。

2020年1月、日本での東名阪ワンマンツアー「The Rats and The Elephants」開催、全公演ソールドアウト。「FUJI ROCK FESTIVAL'20」出演決定(その後延期)。

2022年5月、3rd Full Album「Dreams」リリース。同年 7 月「FUJI ROCK FESTIVAL ’22」に出演、その後、11 月に「Dreams In Japan」Tour 2022 開催。恵比寿リキッドルームでの東京公演は即日完売により、渋谷 WWW X での追加公演も開催された(両日ソールドアウト)。

2023年12月、デビューEPをリリースして10周年となり4th Full Album「WORLD」をリリース。その後約1年をかけて23カ国、60都市を周るワールドツアーを開催する。日本では2024年1月に、東京O-EAST公演(ソールドアウト)を含む東名阪ツアー、4月に初の京都&福岡でのワンマンを含む追加公演(ソールドアウト)を開催。
2024年10月、朝霧JAM'24出演、THE HIDDEN WORLD@ビルボード横浜公演、開催。

 

郭晉汝/Alulu KUO監督プロフィール

台湾・高雄生まれ。国立中央大学英文学科を卒業後、映画・テレビ業界に進む。長編映画で助監督として経験を積んだのち、2011年より音楽関連作品の監督を務め始める。2017年には、バンド「十九兩」の音楽短編映画『The Love Blockbuster of the Year』を制作。また、ライブ映像シリーズ・CINEMAPHONIC Live Sessionのディレクターを務める。編集者としては、ドラマシリーズ『HotelSaltwater』(2024年)および長編映画『EEL』(2025年)に参加している。

 

アップリンク吉祥寺アップリンク京都にて1月23日(金)公開

公式サイト X Instagram Facebook

 

1月24日(土)にはUPLINK吉祥寺、1月25日(日)にはUPLINK京都にて、
メンバー・Tell Changと本作の監督・Alulu Kuoによるトークセッションも開催。

<「More Real Than Dreams」上映&トークセッション>
東京:2026年1月24日(土)/UPLINK吉祥寺
京都:2026年1月25日(日)/UPLINK京都

Elephant Gymドキュメンタリー映画「More Real Than Dreams」(2025/5.1ch/日本語字幕/95分)

監督:郭晉汝/Alulu KUO
出演:Elephant Gym―Guitar, Piano, Synthesizer :Tell Chang(張凱翔)/ Bass, Vocal : KT Chang(張凱婷)/ Drums : Chia-Chin Tu(涂嘉欽)
配給:WORDS Recordings
© Langfilm / Bernard Lang AG 2020