『ウォーフェア 戦地最前線』耳元をかすめる銃弾の音を映画館という安全地帯で

『ウォーフェア 戦地最前線』耳元をかすめる銃弾の音を映画館という安全地帯で

2026-01-20 12:31:00

『ウォーフェア 戦地最前線』はアップリンク吉祥寺ではスマッシュヒットしている。客層は若く、思いのほか女性客が多い。キャッチコピーが「95分間戦場(劇場)に閉じ込める」ということで、イラクの戦場で建物に閉じ込められて脱出を試みる8人のシールズの隊員同様の体験が映画館でできるのだ。

アップリンクの映画館は、録音された音をリアルに再生することに優れた田口音響製作所の平面スピーカー、そして低音のウーファーも同じく田口の平面スピーカーである。どちらも戦場(ウォーフェア)を体験できるように音量設定を調整している。従って、爆発音、銃撃音は当然ながら大きい音だ。リアルな爆撃音、耳元をかすめる銃弾をイマーシブシアターとして感じ取れるはずだ。

映倫のレイティングはPG12だが、劇場としてはリアルな戦場体験の再現を映画館で体験することはトラウマになることもあるので、そのことを理解した上での鑑賞をお薦めします。

エンディングで俳優と実際の隊員の写真がクレジットされる。何人かの隊員の顔はボカシが入っている。顔を出したくない隊員が今もいるということに、この映画は過去の再現映画ではなく、戦争を記憶した者にトラウマとして記憶されているのだということを思い知らされる。

トランプが、ベネズエラのマドゥロ大統領夫妻を主権を犯して拉致したというような衝撃的事件ではなく、『ウォーフェア 戦地最前線』は、2006年のイラク戦争では、取り立てて特別なシチュエーションでもないのだろう。

現場の兵士は20~30代である。若者が戦地最前線で闘い死んでいくという現実を、映画館という安全地帯でイマーシブ体験して、戦争とはなにかを考えてみる95分といえるだろう。

(TA)

イントロダクション

2006年、アメリカ軍特殊部隊の小隊は、イラクの危険地帯・ラマディで、アルカイダ幹部の監視と狙撃の任務に就いていた。ところが、想定よりも早く事態を察知したイラク兵が先制攻撃を仕掛けたことで、市街で全面衝突が始まる。退路もなく敵兵に完全包囲される中、重傷者が続出。指揮を諦める者、通信を断つ者、悲鳴を挙げる者......放心状態の隊員たちに、さらなる銃弾が降り注ぐ。小隊は逃げ場のないウォーフェア=戦地最前線から如何にして脱出するのか――。
『シビル・ウォー アメリカ最後の日』で世界最大の国家の分断と内戦をリアルに描き議論を巻き起こした鬼才アレックス・ガーランド監督の最新作がついに解禁! 長年の従軍経験と特殊部隊教官の経歴を持つレイ・メンドーサを共同監督に迎え、彼の実体験を基に、同胞の兵士たちにも徹底した聞き取りを行い脚本を執筆。彼らの頭の片隅に残る鮮烈なトラウマが、フィクションでは決して描き得ない “戦争そのもの” をスクリーンに出現させる。

『デトロイト』『ミッドサマー』のウィル・ポールターをはじめ、『グラディエーター II 英雄を呼ぶ声』『ファンタスティック4:ファーストステップ』のジョセフ・クイン、「SHOGUN 将軍」のコズモ・ジャーヴィス、『メイ・ディセンバー ゆれる真実』のチャールズ・メルトンら、未来の映画界を担う若手俳優陣が集結。彼らの “演技” を超えた表情が容赦なく記録されている。俳優たちは撮影の3週間前から元特殊部隊のメンバーが考案・監督する特別プログラムに参加し、本物と同じ装備をつけて特訓を敢行。同じ場所で共に行動し、共に寝泊まりする中で共演者から “戦友” へと変化した段階で実戦形式のリハーサルを実施して撮影に備えた。さらに撮影では2006年の光景を可能な限り忠実に描くべく広大な敷地にイラクの街の一部を完全に再現。本物の爆発物を仕掛け、セットではなく “戦場” を作り出して、カットをかけずに複数台のカメラで撮影が行われた。そうして完成した作品は、戦争映画ではなく “戦場
そのもの” を体験する唯一無二の映像になった。轟音が鳴り響く映画館で、観客は最前線の兵士の一人として “そのすべて” を受け止める。あなたはここで何を見るのか? 何を感じるのか? 観る者の全神経を “震撼” させる熾烈な95分だ。

本作が描くのは、都合の良い展開も救助も来ない戦争の真の姿。そこには一瞬の安らぎもなく、怒号と悲鳴が飛び交う中で、若者たちは必死に生き延びようとする。『ウォーフェア 戦地最前線』は、過去の戦争ではなく、一国が正義の名の下に始める “いつの時代も変わらない” 戦争の姿を、兵士の目線から観客に突きつける。

 

ストーリー

2006年、イラク。監督のレイ・メンドーサが所属するアメリカ海軍の特殊部隊 “シールズ” の小隊8名は深夜に行動を開始。イラク中央部に位置する危険地帯ラマディにある民家を占拠し、任務につく。彼らの目的は明日、地上部隊がこの地域を安全に通過できるように、アルカイダ幹部の動きを監視すること。場合よっては狙撃も想定される。

夜が明け、彼らの任務は続いていた。通信兵のレイ、指揮官のエリック、狙撃手のエリオットらは緊迫感を保ちながら、大きく状況の進展しない時間を過ごしている。しかし、ある時、監視している敵兵が不審な動きを見せる。彼らはこちらの動きを察知していたのだ。その瞬間、大きな爆発音が部屋に鳴り響く。先制攻撃を受けた部隊は脱出を試みるが、建物と周辺一帯は完全に包囲されており、いま出ていけば一斉射撃の的になるだろう。部隊には負傷者が続出し、救助を要請するが危険地帯に即座に助けが来ることは望めず、さらなる攻撃を受けて現場は地獄と化していく。叫び声と負傷者の苦悶に満ちた声が続く中で、指揮系統は完全に混乱。皆から信頼されていた狙撃手のエリオットは爆撃により意識を失い、指揮官は現場での指示を完全に放棄する。痛みに耐えきれず叫び声を上げる者、鎮痛剤のモルヒネを打ち間違える者、持ち場を守らずパニックに陥る者。怒号と悲鳴が飛び交う逃げ場のないウォーフェア(=戦闘)で、彼らは “あるプラン”を立て、脱出を試みるが...。

 

アレックス・ガーランド監督プロフィール

1970年、イングランド・ロンドン生まれ。小説家としてキャリアをスタートし、「ビーチ」や「四次元立方体」などの作品で知られる。その後、脚本家に転身し、『28 日後 ...』(02/ ダニー・ボイル監督)でデビュー。その続編である『28 週後 ...』(07/ ファン・カルロス・フレスナディージョ監督)では製作総指揮も務めた。2015 年、監督デビュー作『エクス・マキナ』(15)で、アカデミー賞 ® オリジナル脚本賞のほか、英国アカデミー賞優秀英国映画賞、および優秀英国新人賞にノミネートされた。脚本・監督作品に『アナイアレイション ‒全滅領域‒』(18)、オリジナルテレビシリーズ「DEVS /デヴス」(20)、『MEN 同じ顔の男たち』(22)、米国2週連続興行収入1位の快挙となった『シビル・ウォー アメリカ最後の日』(24)がある。その他、脚本を執筆した作品には、『サンシャイン 2057』(07/ ダニー・ボイル監督)、『わたしを離さないで』(10/ マーク・ロマネク監督)、『ジャッジ・ドレッド』(12/ ピート・トラヴィス監督)、ビデオゲーム「ディーエムシー デビル メイ クライ」(13)などがある。『28年後 ...』(25/ ダニー・ボイル監督)では脚本・製作を担当、『ウォーフェア 戦地最前線』(25)では、監督・脚本を務める。

 

レイ・メンドーサ監督プロフィール

1997 年海軍に入隊、16 年以上にわたりシールズ・チーム5のメンバーとして、また陸戦訓練特殊部隊及び基礎水中爆破訓練の教官として勤務した。その後、『ネイビーシールズ』(12)に出演、『ローン・サバイバー』(13/ ピーター・バーグ監督)では軍事アドバイザーを務めた。また、ヒストリー・チャンネルで、ドキュメンタリー・シリーズ「The Warfighters」(16)と「The Selection」(16)を製作。2024 年には、『シビル・ウォー アメリカ最後の日』(24)に軍事アドバイザーとして参加。同作をきっかけに、メンドーサ自身を含む海軍シールズ部隊員たちの記憶をもとにした『ウォーフェア 戦地最前線』(25)を製作することになり、アレックス・ガーランドと共に監督・脚本を務める。

 

アップリンク吉祥寺ほか全国劇場にて1月16日(金)公開

公式サイト

邦題:『ウォーフェア 戦地最前線』
原題:『WARFARE』 製作:A24 北米公開:2025 年4月11日

監督・脚本:アレックス・ガーランド(『シビル・ウォー アメリカ最後の日』)
レイ・メンドーサ(『シビル・ウォー アメリカ最後の日』『ローン・サバイバー』軍事アドバイザー)
出演:ディファラオ・ウン = ア = タイ、ウィル・ポールター、コズモ・ジャーヴィス、ジョセフ・クイン、
チャールズ・メルトン

上映時間:95 分 映倫区分:PG12
配給:ハピネットファントム・スタジオ

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