『九龍ジェネリックロマンス』原作漫画のアニメと実写、どの順で観るか!?

『九龍ジェネリックロマンス』原作漫画のアニメと実写、どの順で観るか!?

2025-09-01 18:30:00

原作漫画のアニメ化と実写化を同時に製作した映画『九龍ジェネリックロマンス』

三つの紹介文を掲載しますのでご自分に合った紹介をお読みください。

①原作漫画を読んでいる人 ②漫画未読の人 ③アニメ版を先に観てこれから実写版を観る人
 
①眉月じゅんの人気作『九龍ジェネリックロマンス』がついに実写映画化された。かつて香港に存在したあの濃密でノスタルジックな九龍の街並みを再現するため、雑多な裏路地や古い街並みを残す台湾ロケによるリアルな空気感で立ち上げた映像は、漫画の読者にとって驚くほど馴染み深いものでありながら、実写ならではの湿度や匂いまで感じさせる。令子と工藤の関係は、原作の長い時間軸をぎゅっと凝縮し、二人の選択にフォーカスを当てることで、より切実なラブストーリーとして浮かび上がる。
もちろん「もう一人の鯨井令子」やジェネリックテラの謎も描かれるが、映画はそれを過度に説明せず、むしろ余白を残すことで観る者に問いを投げかける。原作を知る人には「ここをこう描いたか」という発見があり、細部の違いを楽しめるはずだ。あの“終わらない夏”を、スクリーンで改めて体感してほしい。

②一度解体されたはずの九龍城砦が、なぜか蘇っている——。そんな架空の街「九龍」で暮らす令子と工藤、二人の出会いから物語は始まる。最初は職場の先輩後輩として過ごす彼らだが、令子が目にした一枚の写真が全てを揺るがす。そこに写っていたのは、自分と瓜二つの「もう一人の令子」だったのだ。謎と記憶に翻弄されながらも、互いに惹かれ合っていく二人。ノスタルジックな街並み、蒸し暑い空気感、そして鮮烈な映像美が、ただの恋愛映画ではなく“存在とは何か”を問う物語へと観客を引き込む。
主演の吉岡里帆と水上恒司が見せる繊細な感情表現は、観る者の胸に深い余韻を残す。原作を知らなくても、この映画は一本の完成されたラブストーリーとして心を揺さぶってくれるはずだ。

③TVアニメで『九龍ジェネリックロマンス』の世界に触れた人にとって、実写映画版はまさに異なる“次元”での再体験となるだろう。アニメが持っていた独特の色彩や空気感、そして群像劇的な広がりを経てから観る映画は、焦点の絞り方が鮮烈に感じられるはずだ。実写では令子と工藤の関係に物語が凝縮され、ノスタルジックな九龍の街並みは台湾ロケでリアルに再現したことによって五感に迫ってくる。アニメで描かれた「記憶」と「存在」の問いかけは、映画では俳優の体温とまなざしによってさらに切実なものとして胸に迫る。
二つのメディアは互いに補完しあい、世界観をより立体的に浮かび上がらせている。アニメで心を動かされた人ほど、この映画の“現実感”に打たれるだろう。九龍という街が観客にとってどんな場所になるのか、再び試されている。 (CI)

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イントロダクション

吉岡里帆 × 水上恒司 W主演!
魅惑的な街・九龍を舞台に過去と現在が交錯するミステリー・ラブロマンス

累計発行部数150万部超え、「恋は雨上がりのように」の眉月じゅん最新作にして人気漫画「九龍ジェネリックロマンス」(集英社 / ヤングジャンプ連載)がアニメ化に続き、待望の実写映画化!!

過去の記憶がない鯨井令子と誰にも明かせない過去をもつ工藤発の恋。2人の距離が近づくほど深まっていく謎。その真相にたどり着く時、二人は究極の選択を迫られる─。

本作の舞台となる、かつて香港に存在した美しくも妖しい街 "九龍城砦"。
その風景を再現するため、狭く雑多な路地裏の商店など、誰もがなぜか懐かしさを感じるような古い街並みを残す台湾にて真夏のロケを敢行。ノスタルジーに溢れる世界で、切ないミステリーと極上のラブロマンスが紡がれる。

鯨井令子役に映画『正体』(24)で第48回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞した吉岡里帆、工藤発役に『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら』(23)で第47回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞した水上恒司の配役でW主演を果たす。巨大製薬会社の社長・蛇沼みゆき役に竜星涼、喫茶店・金魚茶館の店員タオ・グエン役に栁俊太郎、靴屋の店主で令子の親友になる楊明役に乃木坂46の梅澤美波、九龍のあらゆる店でアルバイトをしている小黒役に花瀬琴音、蛇沼と行動を共にし、九龍の街を調べるユウロン役にフィガロ・ツェンら豪華俳優陣が集結。

謎に包まれた魅惑的な街・九龍を舞台に、過去と現在が交錯するミステリー・ラブロマンス。あなたは、終わらない夏へと、迷い込む─。

 

ストーリー

あなたに触れたい。この恋が、消えてしまっても。

懐かしさ溢れる九龍。この街の不動産屋で働く鯨井令子(吉岡里帆)は、先輩社員である工藤発(水上恒司)のガサツな性格にあきれながらも、九龍での生活を楽しんでいる。工藤が教えてくれる九龍の風景を通して、鯨井は工藤への恋心を募らせていた。工藤との距離は縮まらないが、九龍で靴屋を営む楊明(梅澤美波)、あらゆる店でバイトをしている小黑(花瀬琴音)という大切な友だちもでき、令子は好きな
ものが増えていく毎日に満足していた。

ある日、工藤に誘われた金魚茶館で、令子は店員のタオ・グエン(栁俊太郎)に工藤の恋人と間違われる。さらに工藤が持っていた 1 枚の写真に令子は衝撃を受ける。そこに写っていたのは工藤と幸せそうに並ぶ女性――自分と同じ姿形をした、工藤の婚約者 “鯨井令子”。記憶がないことに戶惑う令子だったが、楊明の提案でその女性を“鯨井 B”と呼ぶことにする。

蛇沼総合医療中心の院⻑も務める蛇沼みゆき(⻯星涼)は、九龍にオープンしたクリニックで出会った鯨井令子に大きな興味を持つ。一方、久しぶりに九龍を訪れたグエンは 3 年前に解体された九龍城砦が再現されていること、第二の自分が金魚茶館にいること、そして存在しないはずの鯨井令子の姿に驚く。グエンの報告を受けたみゆきは、ジェネリックテラ開発者のユウロン博士(フィガロ・ツェン)と共に、想定外のエネルギーを有する何者かの存在に目をつける。

徐々に工藤と距離を縮め、その想いを伝えることができた令子だったが、工藤は決して打ち明けることができない鯨井 B との“悲しい過去”を抱えていることに気がつく。終わらない夏、熱を帯びていく上空のジェネリックテラ。鯨井 B とは違う“絶対の自分”になると決意した令子。そんな令子と真正面から対峙する工藤。距離が近づくほどに謎が深まる九龍で、二人が選んだ結末とはーー

 

池田千尋監督 プロフィール

1980 年生まれ、静岡県出身。2008 年、映画『東南角部屋二階の女』で⻑編監督デビュー。「初恋、ざらり」(23)は第 50 回放送文化基金賞ドラマ部門で優秀賞を受賞。監督作に、映画『先輩と彼女』(15)、『東京の日』(15、兼脚本)、『スタートアップ・ガールズ』(19)、『記憶の技法』(20)、『君は放課後インソムニア』(23)など。「大豆田とわ子と三人の元夫」(21)、「40 までにしたい 10 のこと」(25)などのドラマ演出、映画『クリーピー 偽りの隣人』共同脚本など、TV 演出、脚本家としても活躍する。

 

アップリンク吉祥寺ほか全国劇場にて2025年8月29日(金)公開

公式サイト

[キャスト]
吉岡 里帆 水上 恒司
栁 俊太郎 梅澤 美波(乃木坂 46) 曾 少宗(フィガロ・ツェン) 花瀬 琴音
諏訪 太朗 三島 ゆたか サヘル・ローズ
関口 メンディー 山中 崇 嶋田 久作
⻯星 涼

[原作]眉月じゅん「九龍ジェネリックロマンス」(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
[監督]池田千尋 [脚本]和田清人 池田千尋 [音楽]小山絵里奈
[制作プロダクション] ROBOT [制作協力] さざなみ
[企画・配給] バンダイナムコフィルムワークス
2025 年/117 分

©眉月じゅん/集英社・映画「九龍ジェネリックロマンス」製作委員会