エリック・ロメール監督特集上映! 春・夏・秋・冬の4作品で贈る『エリック・ロメール 四季の物語』

エリック・ロメール監督特集上映! 春・夏・秋・冬の4作品で贈る『エリック・ロメール 四季の物語』

2022-06-10 12:00:00

生涯に渡って女性を描き続けたヌーヴェル・ヴァーグの巨匠エリック・ロメール。2020年で生誕100周年を迎え、今なお世代を超えて愛され続けるエリック・ロメールの世界が、デジタルリマスター版で蘇る。

1950年、ロメールは当時自身のシネクラブで創刊していた機関誌を廃刊し、ヌーヴェル・ヴァーグの精神的父と呼ばれたアンドレ・バザンと合流すると、映画批評誌『カイエ・デュ・シネマ』を創刊。40歳で夭逝したバザンの後、編集長を引き継ぎ、6年間務めた。ヌーヴェル・ヴァーグを代表する作家、ジャン=リュック・ゴダールやフランソワ・トリュフォーらよりも10歳ほど年上で、彼らから「親愛なるモモさん」「モモお兄さん」と呼ばれ、兄貴分として親しまれた一方で、名声を確立したのは最も遅く「ヌーヴェル・ヴァーグのトリ」とも言われている。

今回の特集では、〈六つの教訓話〉シリーズ、〈喜劇と格言劇〉シリーズに続く、〈四季の物語〉シリーズをご紹介。穏やかな別荘を舞台に女性たちの奇妙な諍いを描く『春のソナタ』、3人の女性の間で揺れ動く、シリーズで唯一男性が主人公の『夏物語』、40代女性の恋と友情をテーマにした『恋の秋』、運命に弄ばれながら愛を探す主人公を見つめた『冬物語』から構成される4作品のシリーズである。

円熟期を迎えていた70代のロメールが描く恋愛模様や心の機微、等身大の人々を自然なままに美しく捉えた映像。そしてそのなんともエアリーで繊細な、ハッと思わず息をのむほどピュアで瑞々しいタッチ。ロメールの映画は、四季の中でもとりわけ、春から初夏にかけての今の季節がとてもよく似合う。

 * ヌーヴェル・ヴァーグ:1950年代後半から1960年代半ばに制作された、ロケ撮影中心、同時録音、即興演出などの革新的な手法の共通性を持った一連の作品。狭義では、映画批評誌『カイエ・デュ・シネマ』に執筆していたフランスの若手作家が中心となって起こした、フランス映画の転換期(新しい波)。名前の由来は、フランスの週刊誌に掲載された「新しい波来る!」というキャッチコピーがそのまま定着したものだそう。

 

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『緑の光線』『冬物語』は私に大きな影響を与えました。
私にとって最も重要な監督、それがロメールなのです。

ミア・ハンセン=ラブ(映画監督)

同時代のフランスを捉えた最後の連作となった「四季の物語」において、
エリック・ロメールは老練というよりむしろ過激なまでの軽やかさで、
ささやかな陰謀と偶然が織りなすダンスを示す。
この世界と、生を愛する術を探す人は皆、
このシリーズの中にそれを見出すはずだ。全作傑作!

濱口竜介(映画監督)

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ストーリー

春のソナタ Conte de Printemps

<四季の物語>第1弾 / 1989年 / 107分 / カラー
出演:アンヌ・テセードル、ユーグ・ケステル、フロランス・ダレル
©1989 Les Films du Losange


哲学教師ジャンヌは、旅行中の恋人の家の汚さに耐えきれず自分のアパートへと逃げ帰るが、そこはいとこが占領中。居場所のないジャンヌは、パーティーで知り合った18歳のナターシャの家に泊まることに。そこにナターシャの父イゴールと若い恋人が加わり、パリの家とフォンテーヌブローの別荘で、女たちの奇妙な諍いが始まる。美しい春の庭で繰り広げられる三人の女と一人の男の恋愛ゲーム。


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夏物語 Conte d'été

<四季の物語>第3弾 / 1996年 / 114分 / カラー
出演;メルヴィル・プポー、アマンダ・ラングレ
©1996 Les Films du Losange


ヴァカンスを恋人のレナと過ごすため、リゾート地ディナールやへってきた大学生ガスパール。クレープ屋で働くマルゴと親しくなるが、パーティーで知り合ったソレーヌとも急接近。そんななか待ち望んだレナとも再会し…。四季シリーズで唯一男が主人公となった本作は、マルゴ役のアマンダ・ラングレの存在もあり『海辺のポーリーヌ』とのセットで語られることも多い。ロメール最後の夏休み映画。


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恋の秋 Conte d'automne

<四季の物語>第4弾 / 1997年 / 112分 / カラー
出演:マリー・リヴィエール、ベアトリス・ロマン
©1997 Les Films du Losange


親友同士のイザベルとマガリ。娘の結婚の準備をするイザベルは、夫の死後独身のままでいるマガリを心配するが、ワイン畑を営む彼女に焦る様子はない。一計を案じたイザベルはマガリのふりをして婚活を始めるが、事態はおかしな方向へ。40代女性の恋と友情を描いた作品だが、対照的なふたりの関係や、ペアの相手が微妙に入れ替わる様など、『友だちの恋人』との対応関係もおもしろい。


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冬物語 Conte d’hiver

<四季の物語>第2弾 / 1991年 / 114分 / カラー
出演:シャロルロット・ヴェリ、フレデリック・ヴァン・デン・ドリューシュ
©1991 Les Films du Losange


フェリシーは旅先で知り合ったシャルルと運命的な恋に落ちるが、旅から戻った後、彼に教えた自宅の住所の間違いに気づく。5年後、一人で娘を育てるフェリシーは、インテリのロイックと既婚者のマクサンスの間で揺れ動くが、心は今もシャルルのもとにある。運命に弄ばれながら本物の愛を探し求める女の信念と、やがて訪れる奇跡。タイトルはシェイクスピアの悲喜劇『冬物語』より採られた。

 

『エリック・ロメール四季の物語』予告編

 

公式サイト

 

5月13日(金)〜6月2日(木)  ヒューマントラストシネマ渋谷 にて開催

6月17日(金)〜 アップリンク京都 にて開催

 

配給:マーメイドフィルム/コピアポア・フィルム

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