『春の香り』どんな命も自分1人のものではありません。命とは、必ず誰かと共にあるものだと思います
『春の香り』は、自身の娘が白血病にかかり、骨髄移植で命が助かった経験を持つ、堀ともこプロでユーサーによる白血病の少女を描いた『いちばん逢いたいひと』に続く2作目の制作作品。
実際に病気で娘を亡くした坂野夫妻が記した書籍『春の香り』が原作となっている。
堀プロデューサーは、この映画を作るきっかけをこう語る。
「隣の無菌室には、同じ病気で骨髄ドナーを待っている少女がいました。私の娘は入院して数ヶ月後にドナーが見つかりましたが、結局その少女にはドナーが見つかることはありませんでした。しかし、その少女の母親は、私たち親子のことをずっと応援し続けてくれました。私は、自分の娘が生き残ったことにずっと申し訳ない気持ちでいっぱいでした。そして、あの時の母親の姿を『春の香り』著者の坂野さんに重ねずにはいられませんでした。坂野春香さんの”綺麗ごとではない生き様”を世の中に発信し、命をまっとうした先に何があるのかを、皆さまと共に見届けたいという強い想いに駆り立てられ、この映画の製作を決意いたしました。どんな命も自分1人のものではありません。命とは、必ず誰かと共にあるものだと思います」
映画を観た人はそれぞれの経験、立場で誰に感情するかが違ってくるだろう。
先日、アップリンク吉祥寺で行われた倉田真由美さんは、夫の叶井俊太郎さんをすい臓がんでが昨年亡くなった時のことを語り、もし、夫を亡くしていなかったら、漫画家になりたかった春香さんの気持ちに寄り添えるかもしれなかったけど、完全に残された側の視点でずっと観ていましたと語った。
「自分を精神的にタフだと思っていたけど、彼にああいうことをしてあげればと悔いばかり残っていますし、涙もろくなりました」と堀さんとのトークを行ってくださった。
東京は、板橋のイオンシネマとアップリンク吉祥寺の2スクリーンでの公開がスタート。アップリンクでは、1日2回上映だが、公開からの3日間は連続満席で、キャストのファンの方に加え、「どんな命も自分一人のものではない」と堀さんのメッセージが観た人に伝わり客足を伸ばしている。
堀プロデュサーは、映画業界での仕事は前作を制作するまでは全くの素人、映画を3本作ったらプロデュース業を辞めると言っており、すでに3本目の企画は進んでいるという。
春香さんの名前通り、春の香りが感じられるまでロングランがヒットが期待できる作品ですので、ぜひ映画のメッセージを受け取ってください。
アップリンク吉祥寺・コンセ前衣装展示コーナー
イントロダクション
脳腫瘍と闘いながらマンガ家を目指した18歳のハルカ。
最後まで希望を捨てずに懸命に生きた彼女の姿と、彼女を支えた家族の愛情がしなやかな感動を呼び起こす、実話を基にフィクションで描く青春ストーリー。
主人公・ハルカ役には約1000人のオーディションを勝ち抜いた新人俳優の美咲姫(みさき)。ハルカに淡い想いを抱くクラスメイト・タクミ役は、7人組男性グループIMP.の佐藤新。ハルカの母親役は、その安定した演技に定評がある櫻井淳子。姉・ユウカ役は元AKB48の篠崎彩奈。父親役には、物語の舞台となった江南市出身の松田一輝。ほか、東海地方ベースで活躍するBOYS AND MENの平松賢人や、特別出演としてフリーアナウンサー・笠井信輔が印象的に登場し、物語に彩りを添えている。
ストーリー
ある日、漫画家志望の女子校生ハルカは、転入先の高校で自身が執筆中の恋愛漫画の主人公―タクミと同名のイケメン男子生徒・巧(タクミ)と運命的な出会いをする。
互いの夢を語り合う内、やがて恋に落ちる二人。甘い初恋に胸を躍らせるハルカ。
そんな矢先、重病が再発してしまう。病名は悪性脳腫瘍。手術により麻痺の残ってしまった右手。
失意の中、ハルカは本当の理由を告げる事も出来ず、タクミに別れを告げ、そして大好きだった漫画を描く事も辞めてしまう。
絶望の淵、懸命にリハビリを続けるハルカは、「何が何でも生きたい」と願い、父・孝之、母・美佐子、二つ上の姉・ユウカの三人の家族の愛に支えられ、やがてタクミへの想いを胸に、描きかけの漫画を描き始めるのだった・・・・
丹野 雅仁監督メッセージ
僕らの「映画を作る仕事」は、あまり生死に関係ない。だから最初は、春香さんの「命」を映画にするのが恐かった。
しかし、彼女が願ったであろう「フツーの18歳の女の子の経験」を彼女に贈れるのがフィクションの力であり、さらにそのフィクションが、「自分の存在を残したい」という彼女の思いを世に届ける手段となり得るなら、と思い挑戦した。
「命」を扱うからには、それなりの覚悟を持って臨んだつもりだ。
丹野 雅仁監督プロフィール
1987年単身渡豪。放浪生活の末、オーストラリア映画『RESISTANCE』(1990等にスタッフ兼キャストとして参加。1992年帰国。2002年『殺し屋1』(2001、監督:三池崇史)の続編にあたる『1-イチ-』にて監督デビュー。
美咲姫
篠崎彩奈 松田一輝 平松賢人(BOYS AND MEN) 笠井信輔(特別出演)
佐藤新(IMP.) 櫻井淳子
監督:丹野雅仁
プロデューサー:堀ともこ
主題歌「ハルカ」山本雅也(テイチクエンタテインメント)
原案『春の香り』坂野貴宏/坂野和歌子著(文芸社刊)
脚本:カマチ キャスティング:宇佐美博 撮影:砂川達則 照明/特機:鳥越博文 録音:寒川聖美 美術/装飾/小道具:秋山航太 関口三千代 ヘアメイク:のもとしげよ。 スタイリスト:宮崎辰二劇中マンガ作画:吉岡優樹 スチール:池田岳史 助監督:宮本忠栄 音楽:寺田テツオ 北村友佳 編集:藤田真一 音響効果:丹愛 撮影助手:友利尚太郎 照明/特機助手:大城幹 ドローン撮影:下京慶子 制作主任:鬼頭宏彰 制作進行:水野翔斗 NANA 松本真輝 ラインプロデューサー:ぬくいえり
企画・製作:TTGlobal 製作協力:ノブレス/ブルーヒーラーズ 協賛:ニッショー
配給・宣伝:ポルトレ SNSプロモーション:メディアサポートコンセーギ
後援:愛知県 名古屋市 江南市/愛知県教育委員会 名古屋市教育委員会 江南市教育委員会/一般社団法人愛知県ハンドボール協会 推薦:厚生労働省
2024年|日本|カラー|16:9|5.1ch|日本語|102分|DCP|© TTGlobal