『I LIKE MOVIES』映画オタクのローレンス、12月29日舞台挨拶決定!
ファッション・カルチャー誌『POPEYE』の12月号、映画特集のカバーに見覚えのある人は多いのではないだろうか。ピザを食べながら口も目も半開き、POPEYEらしいシティーボーイ感が、あるとはお世辞にも言い難い男の子・・・。彼が、本作『I LIKE MOVIES』の主人公ローレンスだ。
舞台は2003年のカナダの片田舎。映画なしには生きていけないほど映画オタクの17歳、ローレンスの青春ムービーだ。
本作を作り上げたチャンドラー・レバック監督は31歳。カナダで生まれ育ちトロント大学で映画を学んでいた自身を重ねるには、主人公のローレンスは性別も年齢もかけ離れている気がする。そのことについてレバック監督は、「ローレンスは、私自身の10代の姿を反映している部分もありますが、批評家や映画監督の経験を通して出会った、映画やポップカルチャーを盾に女性を人間として見ない人々に対する私の理解を深めるためのアバターとしても機能しました。彼らを理解し、癒やす道を模索したいと思いました。」と話している。
なるほどローレンスの映画愛とともに、友人、母、アルバイト先の先輩や店主などローレンスの周りにいる人々との交流から、映画という産業、文化のもつ暗部が、いろんなバランスで描き出されている。そしてその上でもなお、映画へのとどまらない思いがローレンスを、あるいはレバック監督自身を支えている...。
ちなみに、ローレンスを演じたアイザイア・レティネンはラッパーとしても活躍中。そしてなんと彼の来日が決定!アップリンク吉祥寺で12月29日(日)13:10の回の上映後、舞台挨拶に来てくれます。アップリンク京都でも同時間に、リモートで舞台挨拶の様子が中継されます。
レバック監督が「クリエイティブなソウルメイトに出会えたような気がしました」と語る彼に、ぜひ会いに来てほしい(MO)
イントロダクション
「カナダ映画の未来」と期待を寄せられる本作がついに日本上陸!
《トラブルメーカーな高校生》の映画愛の行方は―。
レンタルDVDが全盛だった2003年のカナダを舞台に、人とうまくやれず行く先々でトラブルを起こす映画好きな高校生を描いた青春コメディ『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』。本作は新星チャンドラー・レヴァックによる長編デビュー作で、自伝的要素を含んだ痛烈な脚本が、トロント国際映画祭を皮切りに熱狂的な評判を呼び、バンクーバー映画批評家協会賞で最優秀カナダ映画賞など4部門を受賞した。
主人公ローレンスを演じるのは、若手俳優でラッパーとしても活動するアイザイア・レティネン。
『ゴーストワールド』(01)や『レディ・バード』(17)とも比較される本作は、どうしようもなくエキセントリックで切なく不器用な高校時代を描いた青春映画であるとともに、理想と現実の狭間でもがき苦しむ若者の普遍的な成長物語でもある。
ストーリー
カナダの田舎町で暮らすローレンスは映画が生きがいの高校生。
社交性がなく周囲の人々とうまく付き合えない彼の願いは、ニューヨーク大学でトッド・ソロンズから映画を学ぶこと。唯一の友達マットと毎日つるみながらも、大学で生活を一新することを夢見ている。
ローレンスは高額な学費を貯めるため、地元のビデオ店「Sequels」でアルバイトを始め、そこで、かつて女優を目指していた店長アラナなどさまざまな人と出会い、不思議な友情を育む。
しかし、ローレンスは自分の将来に対する不安から、大事な人を決定的に傷つけてしまい……。
チャンドラー・レヴァック監督インタビュー
――初の長編作品となる本作のキャスティングはどのようなものだったのでしょうか?また主役はどのように見つけたのですか?
トロント在住の優秀なキャスティング・ディレクターであるジェシー・グリフィスと仕事をしました。キャスティングは2020年の秋に始まりましたが、ちょうどパンデミックの真っ最中だったので、オーディションとコールバックはすべてZoomで行われました。ローレンスを見つけるために、ジェシーはカナダ全土で300本以上のセルフテープを調べ、約100人の候補者に絞り込みました。
主役のアイザイア・レティネンは、私が脚本を書いているときに頭の中で想像していたローレンスの姿や声とはまったく違っていて、もっと具体的で面白く、クールでスマートで複雑でした。最初のコールバックで、彼の演技のヒーローはフィリップ・シーモア・ホフマンとダニー・デヴィートだと言ったとき、私は彼にとても衝撃を受けました。
彼はすでに映画や音楽、大衆文化に深く取り憑かれ、本作のキャラクターと強い感情的な関係を持っていたのです。ウェス・アンダーソンが『天才マックスの世界』でジェイソン・シュワルツマンを、グレタ・ガーウィグが『レディ・バード』でシアーシャ・ローナンを抜擢したように、映画の真の作者になれる俳優と仕事をしたいといつも思っていました。アイザイアとは、クリエイティブなソウルメイトに出会えたような気がしました。
チャンドラー・レヴァック監督プロフィール
オンタリオ州バーリントンで育ち、トロント在住。トロント大学で映画を、カナディアン・フィルム・センターで脚本を学ぶ。数々のミュージックビデオを監督し、JUNOに2度ノミネートされたほか、グローブ・アンド・メール紙、ヴィレッジ・ヴォイス紙、メゾヌーブ紙などでナショナル・マガジン・アワードを受賞したベテラン・ジャーナリスト、批評家でもある。短編映画『We Forgot to Break Up』(2017)はTIFFとSXSWでプレミア上映された。本作『I Like Movies』で長編デビューを果たした。
監督・脚本:チャンドラー・レヴァック
撮影:リコ・モラン
美術:クラウディア・ダロルソ
編集:シモーン・スミス
音楽:マレー・ライトバーン
出演:アイザイア・レティネン、ロミーナ・ドゥーゴ、クリスタ・ブリッジス、パーシー・ハインズ・ホワイト
2022年 / カナダ / 英語 / 99分 / 1.33 : 1 / カラー 配給:イーニッド・フィルム
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