『ありきたりな言葉じゃなくて』テレビ朝日映像『映画プロジェクト』から誕生した、初の長編オリジナル映画!
本作は、テレビ朝日のグループ会社として65年もの歴史をもち、ドキュメントや報道情報番組を数多く手がける制作プロダクション、テレビ朝日映像が、2021年に始めた『映画プロジェクト』から誕生した初の長編オリジナル映画だ。
『映画プロジェクト』の発足について、テレビ朝日映像の代表取締役社長でありエグゼクティブプロデューサーの若林邦彦氏はこう語る。
”3年前の4月の終わり、私は日比谷の映画館で『ノマドランド』を見ていました。数日前にアカデミー賞作品賞、監督賞、主演女優賞をとった映画でした。いい映画でした。
そしてその時私は同時に「そうか、私たちも映画を作ろう」と思いつきました。
『ノマドランド』のように、半ドキュメンタリー的なタッチはテレビ朝日映像のディレクターたちが最も得意とするところだと思ったからです。だとするならテレビ朝日映像の社員がオスカーをもらったっていいじゃないか、と妄想しました。”
主人公の男女はすれ違い、「想像力」についての議論も真っ向からぶつかり合う。なのになぜか、この二人はほんとうは同じ人で、ひとりの人が自問自答しているように見えた。おそらく脚本を書くことへの二人の思いが、そうさせたのだろう。
”「テレビ朝日映像社員からオスカー監督を!」それが私たちの合言葉でした。”
「青春から遠くもなく近くもない場所にいる男女の葛藤とあがきを、優しい視点で描き出す本作」
リリースのこの一文、「葛藤とあがき」の箇所を、偶然「あとがき」と空目して、実話に基づいているというこの脚本、この映画は、青春へのあとがきなのではないか、という思いがふと頭によぎった(MO)
イントロダクション
偶然の出会いがもたらした、予期せぬ人生の“つまずき”
夢の手前でもがく青年が、向き合うものとは―
夢を掴んだ矢先、偶然に出会った“彼女”に翻弄され、奈落の底に突き落とされる主人公を演じるのは前原滉。『沈黙の艦隊』(23)や『笑いのカイブツ』(24)、NHK連続テレビ小説「らんまん」(23)など話題作への出演が続く注目の個性派が、他人の傷みに鈍感な男の失敗と成長を、自然体の演技で表現。
また物語の鍵を握る“彼女”を『初恋』(20)や『佐々木、イン、マイマイン』(20)の小西桜子が繊細に好演するほか、内田慈、奥野瑛太、酒向芳、山下容莉枝ら実力派俳優が結集した。
ストーリー
32歳の藤田拓也(前原滉)は中華料理店を営む両親と暮らしながら、テレビの構成作家として働いている。念願のドラマ脚本家への道を探るなか、売れっ子脚本家・伊東京子(内田慈)の後押しを受け、ついにデビューが決定する。
夢を掴み、浮かれた気持ちでキャバクラを訪れた拓也は、そこで出会った“りえ”(小西桜子)と意気投合。ある晩、りえと遊んで泥酔した拓也が、翌朝目を覚ますと、そこはホテルのベッドの上。記憶がない拓也は、りえの姿が見当たらないことに焦って何度も連絡を取ろうとするが、なぜか繋がらない。
数日後、ようやくりえからメッセージが届き、待ち合わせ場所へと向かう。するとそこには、りえの”彼氏”だという男・猪山衛(奥野瑛太)が待っていた。強引にりえを襲ったという疑いをかけられ、高額の示談金を要求された拓也は困惑するが、脚本家デビューを控えてスキャンダルを恐れるあまり、要求を受け入れてしまう。
やがて、事態はテレビ局にも発覚し、拓也は脚本の担当から外されてしまう。京子や家族からの信頼も失い、絶望する拓也の前に、りえが再び姿を現す。
果たして、あの夜の真相は?そして、りえが心に隠し持っていた本当の気持ちとは……?
渡邉崇監督コメント
高校生のころ、映画監督になりたいという夢を持ち、それから27年も経って、やっとオリジナルの映画を監督する機会が巡ってきた。まさか、自社出資によるプロジェクトで夢が叶うとは...!
手探り状態からスタートした映画作り。「ないものねだり」ではなく、「あるもの探し」をテーマに、チームで脚本に取り組みました。演出部も新人だらけ...。でも、出演者のみなさんにも助けられて、この映画は完成を迎えました。
何度か、脳みそねじ切れるんじゃないかというぐらい、考えて悩んだこともありました。でもそういう状態が好きです。きっと主人公の拓也も。
人の気持ちを捉えて、ありきたりじゃない言葉で表現しようともがく拓也とりえ。2人の姿から、他人を分かろうとするのを諦めない気持ちを、観客のみなさんに受け取ってほしいです。
渡邉崇監督プロフィール
1979年、宮城県仙台市生まれ。早稲田大学在学中に監督した自主映画が東京学生映画祭でグランプリを受賞。2003年にテレビ朝日映像に入社。ワイドショーのディレクターを皮切りにドキュメンタリー番組の演出を手掛ける。2019年にドキュメンタリー映画『ル・ショコラ・ドゥ・アッシュ』で劇場デビュー。世界を舞台に活躍するショコラティエ、 辻口博啓の素材探しの旅から新作完成までに密着した今作は、サン・セバスティアン国際映画祭やシアトル国際映画祭など、これまでに世界5カ国、10の映画祭で正式上映される。
アップリンク吉祥寺 ほか全国劇場にて公開
出演:前原滉
小西桜子 内田慈 奥野瑛太 那須佐代子 小川菜摘 山下容莉枝 酒向芳
池田良 八木光太郎 沖田裕樹 敦 士 鈴政ゲン 加藤菜津 佐々木史帆 高木ひとみ◯ 谷山知宏 今泉マヤ 根岸拓哉
チャンス大城 土屋佑壱 浅野雅博 外波山文明 玉袋筋太郎
脚本・監督:渡邉崇
原案・脚本:栗田智也
製作・エグゼクティブプロデューサー:若林邦彦 企画:陣代適 統括プロデューサー:阪本明 粟井誠司 安田真一郎
プロデューサー:丸山佳夫 キャスティングプロデューサー:山口良子 脚本協力:三宅隆太
音楽:小川明夏 加藤久貴 撮影:長﨑太資 照明:後閑健太 録音:山口満大 助監督:吉田至次 畑山友幸
スタイリスト:網野正和 ヘアメイク:渡辺真由美 制作担当:岩下英雅 編集:鷹野朋子 カラリスト:長谷川将広
音響効果:佐藤祥子 配給統括:増田英明 宣伝プロデューサー:橋本宏美 スチール:柴崎まどか
制作プロダクション:テレビ朝日映像 配給:ラビットハウス 宣伝:ブラウニー
2024年/日本/カラー/アメリカンビスタ/DCP/5.1ch/105分/G
©2024テレビ朝日映像