『忘れない、パレスチナの子どもたちを』日本の観客の皆さんへ、監督からのメッセージが到着!

『忘れない、パレスチナの子どもたちを』日本の観客の皆さんへ、監督からのメッセージが到着!

2024-10-01 08:00:00

 

『忘れない、パレスチナの子どもたちを』は2021年の5月の11日間のイスラエルにより攻撃されたガザで亡くなった子どもたちとその残された家族の想いを綴った作品です。

日本公開にあたり、ロンドンのマイクル・ウィンターボトム監督と、ガザのムハンマド。サウワーフ監督からメッセージが届いたのでお届けします。

マイケル・ウィンターボトム監督

2021年5月、ガザでは11日間の爆撃で60人以上の子供たちが亡くなりました。

衝撃的な数字です。6月に私たちはムハンマド・サウワーフに連絡を取り、一緒に映画を作ろうと合意しました。亡くなった子供たち一人ひとりを思い出す機会です。

私たちの映画では、母親や父親、兄弟姉妹が愛した子供について語ります。

彼らの希望や夢、野望について。家族が私たちの映画に参加したのは、自分の子供が記憶に残ることを望んだからです。

それ以来、もちろん、ガザではさらに多くの子供たちが亡くなりました。1万人以上の子供たちです。これほど多くの子供たちを相手にしていると、一人一人の子供を想像し、子供の名前を知り、彼らの希望や夢を聞くのは大変です。いつかガザの映画製作者たちがそのような記念碑を作ることができるかもしれません。

しかし今は、この映画を通して、3年前に殺された子どもたちと、彼らの悲しみと愛とともに残された家族について、少しでも知っていただければと思います。そして、ガザには今、このような家族が何千何万といることを忘れないでください。

 

ムハンマド・サウワーフ監督

マイケル・ウィンターボトムと私は、映画『Eleven Days in May』を世に送り出しました。

この映画は、2021年5月のガザでの11日間にわたるイスラエルの攻撃により命を奪われた64人のパレスチナの子どもたちを記録したものです。

私たちは、子どもたちの死をニュースの数値や統計にすぎないものとして終わらせたくはありませんでした。

私たちの目的は、彼らの夢、思い出、そして彼らが思い描いた未来を記録することでした。

私たちは長時間カメラの後ろで、家族や友人が語る亡くなった家族の思い出を聞き続け、レンズを通して彼らの夢を形にしようとしました。

今私はガザにいます。ガザは、再び激しい攻撃に見舞われており、すでに一年間続くこの残酷な戦争下にさらされています。

街の半数以上の家屋、商店、博物館、礼拝所が瓦礫と化しました。
何千年も前から存在していた最古の礼拝所も、この戦争で破壊されました。
今のガザには、安全な場所はもうありません。

止むことのない戦争の中、逃げ場もありません。
ここに住む人々は、世界が掲げる人権宣言や、民間人に対する破壊的な爆弾の使用を禁止する条約に裏切られたと感じています。

その一方で、彼らに爆弾を供給し、ガザで子どもたちを殺し、生活を破壊しているのはまさにその世界です。これまでに5万人以上のパレスチナ人がガザで殺され、その中には1万7千人の子どもたちが含まれています。さらに10万人が負傷し、その多くが手足を失い、1万人は行方不明です。

私たちは、2021年5月に命を奪われた64人の子どもたちを記録しましたが、1万7千人の子どもたちの人生と思い出を誰が記録するのでしょうか?
今もなお、イスラエルの爆弾が避難先の人々を追い続け、多くの子どもたちが命を失い続けています。

パレスチナの人々は、日本と共通の経験を持っています。
彼らは不正と殺戮に直面し、その結果から今もなお苦しんでいます。
彼らは、灰の中から立ち上がり、世界の模範となった日本を手本にしたいと考えています。
パレスチナの人々は、自分たちの遺産とアイデンティティを守り、攻撃され続けるにもかかわらず、自分たちの土地が根こそぎにされないよう、必死に抵抗しています。

この映画が、私たち一人ひとりに小さくとも何かをする力を与え、議論を呼び起こし、意識を高め、人類の連帯を呼びかけるきっかけになることを願っています。

子どもたちが苦しんでいる間に、私たちが沈黙することは許されません。
私たちは、植民地主義や戦争の利益追求に燃料を供給してはなりません。

さらに、この映画に登場する多くの人々が、2021年5月に殺された愛する人々について語っていることを強く訴えたいと思います。彼らも、この戦争で命を落としました。

アラー・アブ・ハタブの物語を知ることができます。彼は2021年5月に4人の子どもを失いました。
彼は再婚し、唯一生き残った娘ディマに妹ができました。
今回の攻撃で、アラーは妹と共に殺され、ディマも命を失いました。
そして彼の妻も殺され、その家族は記録から消え去りました。

ディマ・アスリヤの話も知ることができます。

彼女の若い従兄弟たちが彼女の思い出を語っています。

映画は、彼女の誕生日に彼女の父親が子どもたちにお菓子を配るシーンを記録しています。

そして彼女の物語に登場する多くの人々は、いま瓦礫の下に埋もれたままです。

ガザで多くの子どもたちが命を失い続けており、誰もそれを止めようとはしません。

 

イントロダクション

イギリス人監督のマイケル・ウィンターボトムとパレスチナ人監督のムハンマド・サウワーフが共同制作。

報道からはわからない、ガザの家族の物語があなたの心に語りかける――。

ストーリー

2021年5月の11日間で、少なくとも67人のガザの子供たちが亡くなりました。

マイケル・ウィンターボトムは、英国からの攻撃のニュースを見た後、これらの若い犠牲者を追悼する映画を作ろうと決意し、現地のパレスチナ人映画監督ムハンマド・サウワーフに協力を依頼。サウワーフは約100時間分の映像をウィンターボトムに送り、ウィンターボトムはロンドンの暗い編集室で俳優のケイト・ウィンスレットのナレーション(日本語版は坂本美雨)によるドキュメンタリーを完成させました。

音楽には『メッセージ』のマックス・リヒターを起用。リヒターによる音楽は、この映画の日記です。

当時のアーカイブと個人の証言を通じて、世界中の子供たちとほぼ同じ希望、夢、野心を持つ、男の子や女の子としてそれぞれの子供たちの物語をこの映画は語ります。

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アップリンクでは、『忘れない、パレスチナの子どもたちを』ご覧になった方の入場料から一人100円を寄付します。

寄付先:認定NPO法人 パレスチナ子どものキャンペーン
「200円」で「炊き出し1食分」相当となります。
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マイケル・ウィンターボトム監督プロフィール

1961年生まれ。イングランド・ブラックバーン出身の映画監督・脚本家。

これまでにカンヌ国際映画祭でパルムドールにノミネートされた映画を3本、ベルリン国際映画祭で金熊賞にノミネートされた映画を7本、ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞にノミネートされた映画を1本監督している。また、オックスフォード大学で映画とテレビのヒューマニタス客員教授を務めている。オックスフォード大学ベリオール・カレッジの名誉フェローであり、ブリストル大学の名誉文学博士でもある。

ムハンマド・サウワーフ監督プロフィール

ジャーナリスト、監督、脚本家、Alef Multimedia Company の創設者兼マネージャー。

過去 14 年間、映画制作とマルチメディアの分野で活動し、映画制作で数々の国際賞を受賞している。2014年、アルジャジーラ国際映画祭で長編ドキュメンタリー部門の金賞を映画「The storyteller」で受賞。短編部門の最優秀賞は、映画「I am not disability」でアリ・アルジャベル人権賞。2013 年、ラマラで映画「Doha's Story」で「Witness to Creativity Festival」の最優秀賞を受賞。2011年、ガザ自由フェスティバルで映画「Welcome to Gaza」の最優秀賞を受賞。

 

アップリンク吉祥寺 アップリンク京都 ほか全国劇場にて公開 

公式サイト

監督:ムハンマド・サウワーフ&マイケル・ウィンターボトム

ナレーション:ゾーイ・ウェイツ(英語版)、坂本美雨(日本語版)

音楽: マックス・リヒター

撮影監督:サラ・アルハウ 

編集: マイケル・ウィンターボトム&オットー・ヒルズ・フレッチャー

録音技師: メルワン・アル・サワ 

サウンドエディター、リレコーディングミキサー:ロバート・ファー

カメラオペレーター: ハソナ・アルジェルジャウ 

カメラアシスタント: ムハンマド・カデル 

録音技師: メルワン・アル・サワフ

プロデューサー: ベン・ピアース、ハシム・アルサラフ、ムハンマド・サウワーフ、マイケル・ウィンターボトム

エグゼクティブプロデューサー:メリッサ・パーメンター、脚本・演出:佐野伸寿

イギリス/2022年/英語・アラビア語/84分/DCP/カラー/原題:ELEVEN DAYS IN MAY/

日本語字幕翻訳:M.Nakamura/字幕監修:師岡カリーマ・エルサムニー/配給・宣伝:アップリンク

©Revolution Films 2022