『ロイヤルホテル』ワーキング・ホリデーに来た女性2人に襲い掛かるハラスメントの嵐

『ロイヤルホテル』ワーキング・ホリデーに来た女性2人に襲い掛かるハラスメントの嵐

2024-07-30 18:00:00

 

ロイヤルホテル』ワーホリで訪れたオーストラリアのパブでは、地元の男性客たちのハラスメントが当たり前のように襲ってくる。
アメリカのレビューサイトでは、決定的な事件が起きないことにフラストレーションを抱く観客のレビューが多いのを読んでキティ・グリーン監督は「彼らがレイプや暴力シーンを望んでいるのはわかっています。でも私は、議論してほしいのです。この映画では、マイクロアグレッション(小さな攻撃)を描きたかったのです。早い段階でNOと伝えていれば、やがて起こってしまう性的な暴力は生まれなかったかもしれないというようなことを指摘したかったのです」と答える。

最終的にNOと答えたラストシーンをスクリーンで目撃して欲しい。

 

 

イントロダクション

オーストラリアの荒野にたたずむ「ロイヤルホテル」という名のさびれたパブを舞台に、ワーキング・ホリデーに来た女性2人に襲い掛かる身の毛もよだつ悪夢を描いた新感覚のフェミニスト・スリラー。
2016年に『Hotel Coolgardie(原題)』としてドキュメンタリー映画化された、オーストラリアに実在するパブがモデルとなっている。このドキュメンタリーは、ノルウェーの女性バックパッカー2人が住み込みで働く中でハラスメントを受ける様子を詳細に記録。

本作を手掛けた監督のキティ・グリーンは審査員を務めたある映画祭でこのドキュメンタリー映画を目にし、そこからインスピレーションを受け『アシスタント』(19)の主演ジュリア・ガーナーやスタッフを再集結して作り上げた。2023年9月に第50回テルライド映画祭、続く第48回トロント国際映画祭でも上映され好評を博し、『燃ゆる女の肖像』、『パラサイト 半地下の家族』などのヒットが続く新進気鋭の映画スタジオNEON配給により2023年10月に全米公開。限定公開ながらもクリーンヒットとなり、最後のラストシーンを巡っては物議を醸した話題作。

ストーリー

ハンナ(ジュリア・ガーナー)とリブ(ジェシカ・ヘンウィック)の親友2人。
旅行で訪れたオーストラリアでお金に困り、荒れ果てた田舎にある古いパブ「ロイヤルホテル」に滞在し、バーテンダーとしてワーキング・ホリデーをすることに。

単なる接客バイトかと思いきや、彼女たちを待ち受けていたのは、飲んだくれの店長(ヒューゴ・ウィーヴィング)や荒々しい客たちが起こすパワハラやセクハラ、女性差別の連続だった。
楽観的なリブは次第に店に溶け込んでいくが、真面目なハンナは孤立し精神的に追い込まれ、2人の友情は徐々に崩壊していく・・・・・・。

 

キティ・グリーン監督

キティ・グリーン
Kitty Green

監督・脚本

1984年、オーストラリア・メルボルン出身の映画監督、脚本家。
メルボルンのビクトリア芸術大学で映画制作を学び、卒業後はABCで編集者兼プロデューサーとして働く。2013年、ウクライナのフェミニズム抗議団体「FEMEN」に焦点を当てたドキュメンタリー『Ukraine Is Not a Brothel(原題)』でデビュー。第70回ヴェネチア国際映画祭のほか、世界50以上の映画祭で上映された。第5回オーストラリア映画テレビ芸術アカデミー(AACTA)賞にて最優秀長編ドキュメンタリー賞を受賞。2015年、短編ドキュメンタリー『The Face of Ukraine: Casting Oksana Baiul(原題)』では、第31回サンダンス映画祭で短編映画審査賞を受賞。2017年、Netflixオリジナルのドキュメンタリー作品『ジョンベネ殺害事件の謎』を手掛け、第33回サンダンス映画祭、第67回ベルリン国際映画祭でプレミア上映された後、第7回AACTA賞にて最優秀長編ドキュメンタリー賞を受賞した。
2017年に巻き起こった#Me Too運動に自身初の劇映画の題材を見出し、職場におけるハラスメント問題を題材にした『アシスタント』(19)で初の劇映画作品を作り上げた。そして、『ロイヤルホテル』では第71回サン・セバスティアン国際映画祭で最優秀作品賞にノミネートされ、RTVE-Otra Mirada賞を受賞。2018年、サンダンス・インスティテュートのノンフィクション芸術部門のフェローシップに選ばれている。

 

アップリンク吉祥寺アップリンク京都他全国で公開中

公式サイト

 

監督・脚本:キティ・グリーン『アシスタント』 出演:ジュリア・ガーナー『アシスタント』、ジェシカ・ヘンウィック『マトリックス レザレクションズ』、ヒューゴ・ウィーヴィング『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ、トビー・ウォレス『ベイビーティース』、ハーバート・ノードラム『わたしは最悪。』

2023年/オーストラリア/91分/2.39:1/英語/原題:The Royal Hotel/カラー/5.1ch/字幕:田沼令子/配給・宣伝:アンプラグド

© 2022 Hanna and Liv Holdings Pty. Ltd., Screen Australia, and Create NSW