『スリープ』ここ10年で最もユニークかつ恐ろしい映画:ポン・ジュノ監督

『スリープ』ここ10年で最もユニークかつ恐ろしい映画:ポン・ジュノ監督

2024-06-19 14:50:00

『スリープ』の監督ユ・ジェソン監督は『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノの助監督を経て2023年カンヌ国際映画祭の批評家週間でデビューを果たす。

ポン・ジュノ監督から、「ここ10年で最もユニークかつ恐ろしい映画」という言葉をもらった本作はどのように生まれたのかをカンヌでのインタビューでユ・ジェソン監督は語っている。

「最初コメディ要素を入れた映画を作成するつもりでしたが、脚本を書いている間、いくつかの個人的な要素が加わりました。私は長年のガールフレンドと結婚する準備をしていました。そのことが、主人公を夫婦にし、彼らの関係を中心に物語を回すことに決めた理由です。私は本当にお互いを心から愛しあうカップルを見せたいと思いました。そして、映画として、二人の間に何か障害を設けて、それを克服していくという話を考えました」

 出産を控え、幸せな結婚生活を送る俳優ヒョンス(イ・ソンギュン)とスジン(チョン・ユミ)。ある夜、隣で眠る夫ヒョンスが突然起き上がり「誰か入ってきた」と呟いた。その呟きに呼応するように家を覆い尽くす不穏な気配…。

ユ・ジュンソ監督が考えた二人が克服する障害とは、ヒョンスの睡眠障害。西洋医学で治療できると思っていたが、スジンの母が勧めるお札が部屋中に張り巡らされるあたりで、韓国ホラーのテイストが加わり、医学ではとても治すことができないスピリッチュアルな領域へと物語は進んでいくのだった。

「平凡な日常の空間で予測不可能な物語が繰り広げられる、スマートな監督デビュー作。ぜひスクリーンで味わってほしい」とポン・ジュノが太鼓判を押す本作をスクリーンで確かめてはどうだろうか。

 

ユ・ジェソン 監督

ユ・ジェソン
脚本・監督
1989年10月25日生まれ。大学入学後、映画・創作に目覚めたユ・ジェソンは、兵役を終えてから本格的に映画製作に没頭していく。在学中に『シークレット・ミッション』(13)に助監督として参加。翌年に制作した短編映画『VIDEO MESSAGE(英題)』(14)は、第41回ソウル・インディペンデント映画祭と第20回インディフォーラム映画祭のコンペティション部門で上映された。大学卒業後、ポン・ジュノ監督がブラッド・ピットの映画製作会社プランBとタッグを組んで手がけた韓・米合作のNetflix映画『オクジャ/okja』(17)にも助監督として参加。『神と共に 第一章:罪と罰』(17)ではサウンド・コーディネーターも経験し、翌年にはイ・チャンドン監督『バーニング 劇場版』(18)で英語字幕の翻訳制作を務めた。同年に手掛けた短編映画『THE FAVOR(英題)』(18)は、第22回富川国際ファンタスティック映画祭でファンタスティック短編映画賞を獲得。名監督の元で培った多様なキャリアを活かして、満を持しての長編監督デビューとなった本作は、第76回カンヌ国際映画祭批評家週間での選出をはじめ、国内外での映画祭で称賛を集めており、今後の監督キャリアに注目が集まる新人監督とされている。

 

ストーリー

出産を控え、幸せな結婚生活を送るヒョンス(イ・ソンギュン)とスジン(チョン・ユミ)。ある夜、隣で眠る夫ヒョンスが突然起き上がり「誰か入ってきた」と呟いた。その呟きに呼応するように家を覆い尽くす不穏な気配…。翌朝、下の階に越してきた住人から「明け方の騒音が1週間も続いて、我慢できない」と相談をされるも全く身に覚えがなかった。少しの違和感を抱きながらも夜を迎えたその日から、眠りにつく度にヒョンスは人が変わってしまったかのように奇行を繰り返す。頬を掻きむしる。生魚を丸呑みする。窓から身を乗り出す。その異常行動は日を追う毎にエスカレートしていく。得体の知れない“それ”に恐怖を感じ、怯えながら夜を過ごす夫婦は睡眠クリニックの受診を決意するが、スジンは母から超自然的な力に頼るべきだと、巫女から手に入れた御札を渡される。果たして “それ”は医学で克服できるものなのか、それともー。


『スリープ』予告編


公式サイト

 

2024年6月28日(金) シネマート新宿、アップリンク京都、ほか全国順次ロードショー

 

脚本・監督:ユ・ジェソン
出演:チョン・ユミ、イ・ソンギュン

2023年|韓国|5.1ch|ビスタ|韓国語|94分|原題:잠|英題:SLEEP|字幕翻訳:石井絹香|配給:クロックワークス|G

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