『みーんな、宇宙人。』ストレスフルな人生を送っている人に見ていただきたい"ゆるい”贈り物

『みーんな、宇宙人。』ストレスフルな人生を送っている人に見ていただきたい"ゆるい”贈り物

2024-06-03 12:00:00

現代の人間は忙しすぎる。常に、ストレスに晒され、豊かで平和に暮らしているはずなのに、それを実感できない。人生の潤いを感じていない人におすすめなのが、本作品「みーんな、宇宙人。」だ。この作品の魅力は“ゆるさ”にある。それは、チープだが、どこか懐かしい昭和の時代の香りがする、不思議な感覚に満ちている。

宇宙人のキャラクターMojaが最高だ。可愛いのか、不気味なのか、不細工なのかどう表現していいかわからないが、映画を見て10分もしないうちに、忘れられないキャラクターになっていて、もし、売っているなら買ってみたいと思わせる愛すべきキャラクターだ。実際、このMojaというキャラクターグッズを映画公開前から集めているコレクターもいるらしい。

ストーリーも人を食ったような、肩透かしをくらわされたような”ゆるい”内容だ。最初に登場するセイヤという人物は、オレオレ詐欺ならぬ『オレオレ、ありがとう』なることをやっている、これは、無作為に電話番号をおして、かかった人に「オレ、オレ、ありがとう」と言って電話を切るという行動で、悪戯でも遊びでもなく、本人はいたって真面目にやっている。ありがとうと言われれば、言われた人は、少しは幸せを感じてくれるのではないかと考えてやっているそうだ。

また、自信が持てずネガティブなショウとMojaのピーチの恋愛や、寂しがり屋の女の子レイと、その愛犬になってしまったオリーブのエピソードもほっこりさせてくれる。

いつもあるようでいて、いつの間にか忘れられていたそんな優しい感覚を、束の間でも思い出させてくれる映画作品だ。こんな映画をたまには見てもいい。見た人は、暑い夏に、一服の清涼飲料を飲んだような幸せを感じることができるだろう。

UPLINK京都では、本作品の舞台挨拶を6月9日10時30分上映の回に実施します。ぜひご覧ください。

 

宇賀那健一 監督コメント



NYLON JAPAN15 周年記念映画として『転がるビー玉』を監督させてもらってからもうすぐ 5 年。まさか20 周年記念映画まで監督させてもらえるなんて思っておらず、本当に嬉しく思っております。モジャと呼ばれる 6 体の愛すべきエイリアンたちが人類を滅亡させに地球にやって来る『みーんな、宇宙人。』には愛と混沌をこれでもかというくらいに詰め込みました。10 年後にはモジャランドが建設されるくらいに老若男女にこの作品が愛されますように!!

宇賀那健一
監督・脚本
1984 年生まれ、東京都出身。青山学院経営学部卒。ブレス・チャベス所属の映画監督/脚本家。 2024 年 2 月 23 日、長編映画『悪魔がはらわたでいけにえで私』が公開。

 

ストーリー

ある日、誰かの役に立とうとビルの屋上で「オレオレありがとう」を繰り返すセイヤ(兵頭功海)のもとに、突然何かが空から落ちてくる。セイヤが電話を切ると、エメラルドブルーの毛がモジャモジャの見たことのない生き物ーーミントがそこにいた。ミントと他愛もない会話をして仕事へと向かうセイヤだが、その後、体型にコンプレックスを抱くミサト(菊地姫奈)のもとにオレンジ、自分に自信が持てずネガティブなショウ(西垣匠)のもとにピーチ、寂しがり屋な女の子・レイ(三原羽衣)のもとにオリーブ、人間を強く信じるヒロト(草川拓弥)のもとにクロウ、これまでの人生に悔いがあるミステリアスな人物・リュウ(YU)のもとにグレープというミントの仲間たちが次々現れ、会話を通してお互いのことを少しづつ理解し始める……。


『みーんな、宇宙人。』予告編


公式サイト

 

2024年6月7日(金) ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサ、シネマート新宿、アップリンク京都、ほか全国順次ロードショー

 

監督・脚本:宇賀那健一
出演:兵頭功海、菊地姫奈、西垣匠、三原羽衣、草川拓弥、YU、麿赤兒
主題歌:「No Time To Lose」NIKO NIKO TAN TAN
配給:エクストリーム

2024年/日本/93分/G/5.1ch/16:9/カラー/DCP