『ブルックリンでオペラを』グレタ・ガーウィックと大親友のレベッカ・ミラー監督作品

『ブルックリンでオペラを』グレタ・ガーウィックと大親友のレベッカ・ミラー監督作品

2024-04-01 23:50:00

『ブルックリンでオペラを』は小説家のアーサー・ミラーを父に持つレベッカ・ミラーの監督作品。
彼女が最初に書き上げた脚本の最初の20ページを夫(ダニエル・デイ・ルイス)に見せた際、「ああ、神様、幸運を祈ります。言ったいどうやってこの脚本を着地させるんだい」と言われたという。

映画は、ブルックリンの精神科医パトリシア(アン・ハサウィ)、その現代オペラの作曲家の夫スティーブン(ピーター・ディンクレイジ)そしてハドソン川に停留するタグボードの女船長カトリーナ(マリサ・トメイ)の三角関係と思わせる展開で始まり、中盤から、ポーランドからきた移民のメイド、保守的な考えの夫、その夫婦の娘、そして精神科医の息子とメイドの娘がニューヨークの法律では不純異性交遊により訴えられそうになり、未成年でも結婚できる州に逃走.......という、確かに一体どこに着地するのかという展開。

ミラー監督は、グレタ・ガーウィックと大親友だ。2015年に『マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ』を監督するのをガーウィックが見ていて、「私も映画を作ってみよう」と思い『レディ・バード』(2017)を作ったという。ミラー監督とガーウィックの共通点は、「ユーモラスな世界の見方。私たちにそれぞれ2人の息子と義理の息子がいること」だという。

LAタイムスのレビューでは「スクリューボールコメディと実存的なドラマを大胆に組み合わせた作品」と評されている。
ジェントリフィケーションされた今時のブルックリンを舞台に、マリサ・トメイ演じるタグボートの女船長が物語の大きな鍵を握る映画をぜひお楽しみください。

レベッカ・ミラー 監督インタビュー



ーー本作のメッセージはなんですか?

一言にはまとめられませんが、端的に言うと、誰の人生でも運命は思いのままに変えられる、というのがこの映画の核心にある考えです。

ーー俳優兼プロデューサーとしてのアン・ハサウェイとのお仕事はどうでしたか? 本作を作るうえで、どんな話をしましたか?

アンは、この映画に1番最初に参加してくれた人です。彼女は、私たちがキャストと資金を集めるまで、辛抱強く待ってくれました。またアンと私は彼女が演じる役について1年間話し合うなかで、たくさんの意見を出してくれました。彼女はパトリシアというキャラクターの“仕事"に関して多くの楽しいアイデアを持っていて、それがパトリシアのユニークな特徴を引き立て、大いに役立ちました。

役者としてのアンは、細部に気を配り、徹底的に作品と向き合い、情熱を注ぎ込みます。さらに、身体を使って素晴らしい存在感を発揮します。全身全霊で演じるのです。ある祈りのシーンの撮影時、私は彼女に、演技ではなく本当に祈るように頼みました。結果、それは彼女の心に深く刻まれた素晴らしい体験となりました。

ーー音楽を手掛けたブライス・デスナーとはどんな話をしましたか? オリジナルの現代オペラはどのように生まれたのですか?

ブライスと話し合いを重ね、最初のオペラはより難解で複雑な楽曲で、2番目のオペラはより歌曲のような楽曲になっています。最初のオペラは、スティーブンの恐れや不安を表現した曲、2番目のオペラは恋する男が 書いた曲、という意図でした。劇中歌については、ピアノを多用したいと私とブライスは考えていました。ブラ イスは、水面に反射する太陽の光のような音楽を作ろうとしており、それは見事に成功したと思います。

ーーどのような経緯でブルース・スプリングスティーンに主題歌を書き下ろしてもらうことになったのですか?

彼に映画を観見てもらったら、とても気に入ってくれました。彼にオリジナル曲を書いてもらうことが私の夢だ、と伝えると、彼は何か曲が思い浮かぶか様子を見てみると言ったのです。そして3日間で彼は"Addicted to Romance"を作り上げたのです。もはや奇跡としか言いようがありません。

レベッカ・ミラー
監督・脚本・プロデューサー
1962年9月15日、米コネチカット州ロックスベリー生まれ。アメリカを代表する劇作家アーサー・ミラーを父に持ち、夫は元俳優のダニエル・デイ=ルイス。イェール大学で絵画と文学を専攻。ドイツで数年を過ごした後、1987年にニューヨークのニュースクール大学で映画を専攻。卒業後は女優として舞台や映画で活躍していたが、1995年に監督デビューした『アンジェラ』で、サンダンス映画祭においてフィルムメーカーズ・トロフィーと撮影賞、ゴッサム賞でオープンパーム賞を受賞。その後『Personal Velocity:Three Portraits』(02・原題)でサンダンス映画祭審査委員大賞、撮影賞と、インディペンデント・スピリット賞のジョン・カサヴェテス賞に輝いた。その他の監督作には『50歳の恋愛白書』(10)、『マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ』(15)、ドキュメンタリー映画『Arthur Miller: Writer』(17・原題)など。小説家としても活躍しており、本作の原案となった短編小説「She Came to Me」が収録されている「Total」を含む5冊の本を執筆している。

ストーリー

ニューヨーク、ブルックリンに暮らす夫婦、パトリシアとスティーブン。人気精神科医の妻パトリシアは掃除が大好きな潔癖症。一方、人気の現代オペラ作曲家の夫スティーブンは人生最大のスランプに陥っていた。ある日、愛犬と行く当てのない散歩に送り出されたスティーブンは、とあるバーでユニークな船長のカトリーナと出会う。彼女に誘われて船に乗り込んでみると、予想だにしない出来事に襲われ!?その想定外の出会いが、やがて夫婦の人生を劇的に変えてゆく──!

 

『ブルックリンでオペラを』予告編


公式サイト

 

2024年4月5日(金) 新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋、アップリンク吉祥寺、ほか全国順次ロードショー

 

監督・脚本:レベッカ・ミラー
音楽:ブライス・デスナー(「カモンカモン」「レヴェナント: 蘇えりし者」)
撮影:サム・レヴィ(「レディ・バード」「フランシス・ハ」)
出演:アン・ハサウェイ(「プラダを着た悪魔」「レ・ミゼラブル」)、ピーター・ディンクレイジ(「シラノ」「ゲーム・オブ・スローンズ」シリーズ)、マリサ・トメイ(「いとこのビニー」「スパイダーマン」シリーズ)
2023年/アメリカ/英語/102分/ビスタ/カラー/5.1ch/原題:She Came To Me/日本語字幕:高内朝子/G  
提供:松竹、楽天 配給:松竹
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