『RED SHOES/レッド・シューズ』キャストは全員ダンサー！喪失から立ち直るバレエダンサーを描くオーストラリア発ヒューマンドラマ

2024-03-13 11:08:00

本作はバレエというモチーフを通して、大切な人を突然失う喪失の挫折から立ち直る再生の時と、憧れの存在を超え、自分の物語を紡ぎ出す自立の時、この人生における大事な２つの「時」を描いたオーストラリア発のヒューマンドラマだ。

監督を務めるのは、本作の共同監督を務めるジョアンヌ・サミュエルを母に、撮影監督として活躍するニック・エイハーンを父に持つ、ジェシー・エイハーン。音楽大学院を卒業後、プロデューサーや短編の監督などを手掛けてきた彼の長編初監督作品となる。主演には、世界有数のバレエコンクールで金賞の受賞歴を持つジュリエット・ドハーティ。キャストにも全員、実績のあるダンサーたちを起用し、バレエシーンはすべてキャスト自身が演じている。振付を手掛けるのはオーストラリア・バレエ・カンパニーのプリンシパルだったダニエル・ガウディエッロ。

魂の輝きが体から迸り出るようなバレエの動きはやはり本物。「外を見るものは夢を見て、内を見る者は目覚めるのだ」というユングの言葉や、「黄金の痛みがあなたの物語を紡ぐ」という歌の歌詞が、クラシックを超越したバレエの振付の斬新さと共に印象に残る。ここから一歩歩み出すために、背中を押してくれる一作。

ジェシー・エイハーン監督

ジェシー・エイハーン
Jesse A’hern
監督
母は本作の共同監督を務めたジョアンヌ・サミュエル、父は撮影監督として活躍しているニック・エイハーンという映画一家に生まれる。音楽大学院を卒業後、プロデューサー、監督、ポストプロダクション監修として活躍。映画作品に加え、メル・ギブソンなどのオーストラリア映画界で著名な映画人らのインタビューを特集したドキュメンタリー「Wake In Film」への取り組みでも知られている。本作が長編初監督作品となる。

ジョアンヌ・サミュエル監督

ジョアンヌ・サミュエル
Joanne Samuel
監督
ハニーブルック・スタジオでバレエ、タップ、コンテンポラリーダンスを学び、ノースシドニーのインディペンデント・シアターで演劇を学んだ。『The Legend of the Five』（20/未）で監督デビュー。子供の芸術教育を長年にわたって提唱しており、2004年にスリー・シスターズ・ユース・スタジオを設立し、青少年向けに演劇を上演している。『マッドマックス』（79）のメル・ギブソンの妻役で知られている。

プロダクションノート

物語のテーマは、悲しみ、喪失や罪悪感に伴う感情に対し自分の身をさらす強さ、そして周囲の人々の助けを借りてその痛みを美しいものに変える力です。これらは、世界中のあらゆる年齢や背景の人々に本質的に理解されているテーマや経験でもあります。

物語の重要な側面は、この映画にサムとイヴというティーンエイジャーの友情のリアルな描写を持ち込んだことであり、困難な時期に周りに助けてくれる人々がいることがいかに貴重であるかを示すと同時に、時に他人の生活の中で何が起こっているかに対する認識の欠如がどのように悲しみや痛みを引き起こすかを示しています。彼女たちの関係は、親友同士でも困難を経験することはあるが、各々の問題点を理解し、最終的には優しさと理解をもって対立関係の解決にあたることが最も重要であると示します。これにより、友情は最初よりもさらに強くなり、互いをありのままに受け入れ、その違いを祝福できるようになります。

音楽もこの映画の重要な側面の一つです。音楽はダンスの核であり魂であるという信念のもと、この映画全体を通してそれを明確に示したいと思いました。バレエの豊かな歴史を浮き彫りにする力強いクラシック作品と、本作の現代的な側面を強調するためにクラシック作品をより現代的なアプローチへと織り交ぜていくミックスが完成しました。

ストーリーコンセプトの開発は2020年1月に始まり、作家のザカリー・ライナーが最初の草稿を作成しました。その後受賞歴のある作家ジョン・バナスやピーター・マクロードが加わりました。

2020年3月、プロデューサーはオーストラリア・バレエ団の元トップ、ダニエル・ガウディエッロを振付師として迎え入れ、彼は映画の美しいダンスシークエンスの振付に加えて、プロデューサーが望んでいた技術的な信憑性を提供しました。同時に、作曲家たちとガウディエッロの結びつきを繋げることも重要でした。

新型コロナウイルスが世界を襲ったため、チームはZoomでの議論を通じて脚本を完成させ、振付や音楽作品を検討し始めました。世界が最初のロックダウンから抜け出し始めたときに私たちは撮影を開始する機会を得ました。

主要な撮影は2021年6月にシドニーで開始され、７週間の撮影が行われました。撮影開始から3週間がたったころに、オーストラリアは初めての本格的な新型コロナウイルス感染症の流行に見舞われ、すべてがロックダウンされました。企画を凍結するか、それとも続けるかの瀬戸際でしたが、ニューサウスウェールズ州保健省および州警察と緊密に連携し、オーストラリア国立演劇学院などの主要な場所と協力して撮影を終えることが出来ました。

＊オーストラリア国立演劇学院(NIDA)
本作のハーロウ・アカデミー・国際バレエ学校のロケ地となったオーストラリア国立演劇学院（NIDA）は、シドニーに拠点を置くオーストラリアの舞台芸術教育機関。1958年に設立され、ケイト・ブランシェット、メル・ギブソン、ジュディ・デイヴィス、バズ・ラーマンなど、オーストラリアを代表する俳優や監督の多くがNIDAで学んだ。

ストーリー

バレエの有名校に通う才能豊かな若きバレエダンサー、サムは自身がプリマの演目「赤い靴」の公演間際に、常に憧れの存在であった同じくバレエダンサーの姉の訃報を耳にし、ショックのあまり踊れなくなってしまう。精神的に大きな傷を負ったサムは学校を辞め、自堕落な暮らしをしていた。万引きをして200時間の社会奉仕活動を課されたサムは、母親に半ばだまされる形でかつて通っていたバレエ学校で清掃員として奉仕活動をすることになる。はじめは身近にバレエの存在があることにうんざりしていたサムだったが、当時のライバル、密かに恋心を抱いていたダンスパートナー、そして今も変わらず少年少女を厳しく鍛え上げている師との再会を通じて、その胸の奥に再びバレエへの深い情熱が湧き上がってくる。だが、またステージに立つには過去のトラウマが大きな壁となっていた。そんな時、今年も「赤い靴」の公演が決まり、サムの心は激しく揺れ動く。

『RED SHOES/レッド・シューズ』予告編

公式サイト

2024年3月15日（金）　TOHOシネマズ日比谷、アップリンク吉祥寺、ほか全国順次ロードショー

出演：ジュリエット・ドハーティ、ローレン・エスポジート、ジョエル・バーク、キャロリン・ボック、プリムローズ・カーン、ニコラス・アンドリアナコス、ミエッタ・ホワイト、アシュリー・ロス
監督：ジェシー・エイハーン、ジョアンヌ・サミュエル
プロデューサー：ターニャ・エスポジート、ジェシー・エイハーン
脚本：ザカリー・レイナー、ジョン・バナス、ピーター・マクロード　撮影監督：ケント・マルクス　音楽：ドミニク・カブーシ、ブロンテ・マリー・オニール　振付：ダニエル・ガウディエッロ

2023／オーストラリア／英語／シネマスコープ／5.1ch／111分／原題：The Red Shoes: Next Step／字幕翻訳：大西公子／後援：オーストラリア大使館／配給：彩プロ　映倫G