『リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』正真正銘の「ロック・ミュージックを聴く全ての人は必見の映画、この映画を観ずしてロックを語るなかれ」

『リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』正真正銘の「ロック・ミュージックを聴く全ての人は必見の映画、この映画を観ずしてロックを語るなかれ」

2024-02-26 16:57:00

『リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』よく全ての音楽ファン必見の映画などという謳い文句があるが、本作は、正真正銘の「ロック・ミュージックを聴く全ての人は必見の映画、この映画を観ずしてロックを語るなかれ」といえる映画だ。

リトル・リチャード、日本には心に残るメロディアスなヒット曲がないせいか、本作は知らないことの連続だ。

ゲイでクリスチャンで、人生の後年は神を信じるが故、自分のアイデンティティーに悩む。R&Bがアンダーグラウンドと言われていた時代に、それを演奏し、エルヴィス・プレスリーよりも早くロックを生み出し、イギリスの公演では、ビートルズやローリング・ストーンズが前座的に出演しており、彼らが、リトル・リチャードから圧倒的に影響を受けていたこと。1955年、デビュー・シングル「トゥッティ・フルッティ」は、アナルセックスを歌った曲だということも。本当にさまざまな意味で嘘偽りなく「全ての音楽ファン必見」の映画なのだ!

邦楽ロックのルーツは洋楽のロックにあり、そのロックやR&Bのルーツはリトル・リチャードにあるということを知った上で、今の音楽を楽しむことをお勧めします。

 

リサ・コルテス 監督コメント


彼そのものを現代に再構築すること

音楽業界をよく知る監督はまず、「リトル・リチャードがいなかったら、エルヴィスは存在していたでしょうか? ビートルズは? ローリング・ストーンズはどうでしょうか? ロックンロールはアメリカの代名詞であり、私たちの最も永続的な輸出品であり、音楽の生命線ですが、一方で、私たちにとっての文化的激戦区でもあります」とロックンロールの歴史においてリトル・リチャードがもたらした計り知れない影響に言及する。

そして、ひとりの黒人アーティストが歩んだ決して平坦じゃない道のりについて、「現在、リトル・リチャードの闘いの物語はこれまで以上に重要性を増してきています」と熱く語る。その理由として「人種やLGBTQ+に基づいた本が続々と出版され、政治家が同性婚などの問題に対し公然と疑問を呈すこの時代に、1930年代のジョージア州メイコンに遡り、リチャード・ウェイン・ペニマンの人生の軌跡をたどることには大きな意義があります。黒人アーティストとして成功し、国際的な名声を得た後も、リチャードは革命家として人種や音楽、そしてジェンダーの壁を声高らかに壊し続けました。現代のアーティストたちは彼のおかげで今日、人種やセクシュアリティの問題を乗り越えることができています」と、今なお現代社会が抱える大きな問題に、今よりも人種差別が激しかった時代に戦い続け変革をもたらしたリトル・リチャードの功績を称賛する。

「ミック・ジャガーが映画の中で述べているように、最初にそれをやったのはリトル・リチャードでした。 まずマスカラを塗り、次にシャツを脱いで、エネルギッシュに駆け回ること。 ジェンダーの規範を打ち破ること」と続け、そんな革新的アーティストの知られざる史実と素顔を詰め込んだ本作について「まさにリトル・リチャード自身のように刺激的で、示唆に富んだ作品です。それは彼そのものを現代に再構築することなのです」と語っている。

リサ・コルテス
監督
イェール大学卒業後、音楽業界に進み、デフ・ジャムの創設者であるラッセル・シモンズやリック・ルービンと一緒に働き、その後マーキュリー・レコードのスタッフとなる。ヴァネッサ・ウィリアムズやブライアン・マックナイトなどスターの仕事を手がける。音楽業界を去ったのち映画に興味を持ち、ニューヨーク映画アカデミーに入学。プロデューサーで親友のリー・ダニエルズと『ウッズマン』(04)『シャドウボクサー』(05)『テネシー』(08)『プレシャス』(09)などの映画を共同製作する。中でも『プレシャス』はアカデミー賞®6部門にノミネートされ、助演女優賞と脚色賞の2部門を受賞し、全世界で80もの国際的な賞とノミネートを獲得した。

 

イントロダクション

ディランもビートルズもストーンズも!ボウイもフレディもプリンスも!
JBもジミヘンも!そしてプレスリーまでもが彼に憧れ、敬愛し、真似た‼

リトル・リチャード。1950年代半ばに彗星のごとく音楽シーンに現れ、後進のロック・ミュージシャンに多大な影響を与えたレジェンド級黒人アーティスト。ミック・ジャガーは「ロックンロールはリトル・リチャードが始めた」と語り、エルヴィス・プレスリーは「彼こそロックンロールの真のキングだ」と称賛。ビートルズのデビュー前から親交があったジョン・レノンは「初めて会ったとき、畏敬のあまり、硬直してしまった」と言い、ポール・マッカートニーは「歌で叫ぶのはリチャードの影響さ」と語る。彼はいったいどのような生い立ちを経て、その名を世界に刻んでいったのか?豊富なアーカイヴ映像、本人およびその親族や関係者、識者に加え、ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、ポール・マッカートニー、デイヴィッド・ボウイら著名ミュージシャンによる証言映像とともに明らかにする感動ヒューマンドキュメンタリー!

 


サー・レイディ・ジャヴァ


ジョン・ウォーターズ


トム・ジョーンズ


ナイル・ロジャーズ


ノーナ・ヘンドリックス


ビリー・ポーター


ミック・ジャガー

 

『リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』予告編


公式サイト

 

2024年3月1日(金) シネマート新宿、アップリンク京都、ほか全国順次ロードショー

 

製作・監督:リサ・コルテス(『プレシャス』製作総指揮)
出演:リトル・リチャード、ミック・ジャガー、トム・ジョーンズ、ナイル・ロジャーズ、ノーナ・ヘンドリックス、ビリー・ポーター、ジョン・ウォーターズほか

2023年/アメリカ/101分/カラー/ビスタ/5.1ch/DCP

原題:LITTLE RICHARD:I AM EVERYTHING
字幕:堀上香/字幕監修:ピーター・バラカン
提供・配給:キングレコード/宣伝:ポイント・セット

© 2023 Cable News Network, Inc. A Warner Bros. Discovery Company All Rights Reserved