『クリーチャー・デザイナーズ』ハリウッド特殊効果の魔術師たちによるインタビューで綴られたモンスター誕生秘話ドキュメンタリー

『クリーチャー・デザイナーズ』ハリウッド特殊効果の魔術師たちによるインタビューで綴られたモンスター誕生秘話ドキュメンタリー

2022-05-19 10:00:00

『グレムリン』、『ターミネーター2』、『ジュラシック・パーク』、『スパイダーマン2』。特撮映画に全く関心のない人でも、このタイトルのほとんどを耳にしたことがあるだろう。

『クリーチャー・デザイナーズ ハリウッド特殊効果の魔術師たち』は、こうしたジャンルの映画に登場するクリーチャー(怪獣、ロボット、モンスターなど創られたもの)に焦点を当てたドキュメンタリー。フランスの映画批評家かつ歴史家であり、SFの分野で影響力のあるジル・ペンソ、そしてフランスの出版社Mad Moviesの映画批評家、プロデューサーで作曲も手がけるアレクサンドル・ポンセが、共同で本作の監督を務める。

イマジネーションを駆使して、怪物を生み出し、生命の息吹を吹き込む。さらには、怪物=創造物が一人歩きする様を見守る。まさに生みの親たちが我が子の成長を見守るごとく、ひいては人間を見守る神の視座に立つごとくーー。

そう、まさしくスクリーンの中の命の創造。それは非常にエキサイティングなプロセスであり、まるで自分が神になったような気分だという。怪物の創造主の瞳の奥の煌めきから伝わってくるのは、ただただそんな好奇心と高揚感である。

クリーチャーの登場する映画、日本ではちょうど『シン・ウルトラマン』が現在公開中だ。『シン・ウルトラマン』を観る時、私たちはみな、明らかに着ぐるみの怪獣の中には人が入っているとわかって観ている。古い時代の再現に価値を見出すからか、「着ぐるみ」への純粋なオマージュからか、いずれにしてもそれがリアルであるかどうかはほとんど問われていない。

一方、この映画に登場する欧米の製作者らはみな、いかにリアルな生物を創造するか、に命をかけている。そしてあたかも生きているかのようなクリーチャーを通して、人の心を動かそうとする。欧米のキリスト教国で「創造主になる」とは、命を生み出すこと=神のような全能感を味わうことであり、それがどれほど魅力的であるかを伝えようとしているようだ。日本人との感性の違いが、またとても興味深い。

 

 

ストーリー


「今日ほど映画のモンスターたちが熱狂的に支持されていることはなかった!」

映画という文化と足をそろえて進化してきた特撮技術は、巨大なスクリーンに突如現れる想像上のモンスターたちに驚異的な変化をもたらしてきた。

アニマトロニクスの時代からデジタルの時代へと突入した今、『クリーチャー・デザイナーズ ハリウッド特殊効果の魔術師たち』はその魅力と背景を紐解き、人類の想像を超えた、まさに映画的なスリルと興奮をお届けする。

『グレムリン』、『アビス』、『ターミネーター2』、『ジェラシックパーク』、『スターシップ・トゥルーパーズ』、『スパイダーマン2』などそのジャンルで活躍してきた数々の有名なアーティストたちのインタビューを基に、クリーチャーと製作者の間の魅力的な関係性に迫るドキュメンタリー。

「現代のフランケンシュタイン(=怪物の創造主)」と呼ばれるあらゆるスペシャリストたちが一から生命を作り出す瞬間に迫る。

 

 

主な出演者

ギレルモ・デル・トロ、ジョー・ダンテ、ジョン・ランディス、ケビン・スミス、 フィル・ティペット、デニス・ミューレン、リック・ベイカー、グレッグ・ニコテロ、クリス・ワラス、スティーヴ・ジョンソン、ジョン・ローゼングラント、リチャード・タイラー、アレック・ギリス&トム・ウッドラフJr、マイク・エリザルデ、 マット・ウィンストン、ジョーレッテリ、ジョン・ホウ、キオド兄弟、スティーブ”スパヅ”ウィリアムス、ハル・ヒッケル、デイブ・クレイトン、 ミック・ギャリス、クリストフ・ガンズ、ジョルヅシェル

 

 

制作者

ジル・ペンソ
Gilles PENSO

共同監督、編集

映画の批評家且つ歴史家として、ファンタジー、SF分野で影響を及ぼしてきたGilles Penso。以前はSonoVision、L'Ecran fantastiqueやthe French SFXなど数々の出版社で働いた実績を持ち、2003年にはストップモーションを題材にした本を出版。2002年から頗る有名なフランスのコメディアンを描いたドキュメンタリー作品を製作し始め、2012年には、世界中から喝采を浴びた『Ray Harryhausen Special Effects Titan』の監督を務める。今回の『Creatures Designers: The Frankenstein Complex』は彼にとって5つ目のドキュメンタリー映画となる。

 

アレクサンドル・ポンセ
Alexandre PONCET

共同監督、プロデューサー、作曲

フランスの出版社 Mad Movies で映画批評家として働く彼は、制作会社Frenetic Artsを設立。またウェブサイトFreneticarts.com.を立ち上げた。彼はテレビ番組の『The Incredible Horror Show』、ウェブ番組シリーズの『Le Cinéma vu par Dédo』の制作、 監督を務め、2012年には、 Gilles Penso監督の『Ray Harryhausen Special Effects Titan 』の制作にも加わった。
『Creature Designers: The Frankenstein Complex 』は彼にとって初のドキュメンタリー監督作品となる。映画だけでなく、Sacha Feiner監督の『A Better World 』や『Last Door South』などのショートムービーや少数のドキュメンタリー作品も手がける。

 

 

『クリーチャー・デザイナーズ ハリウッド特殊効果の魔術師たち』予告編

 

公式サイト

 

5月20日 アップリンク吉祥寺、ほか全国ロードショー

5月27日 アップリンク京都

 

監督:アレクサンドル・ポンセ&ジル・ペンソ
   Alexandre Poncet and Gilles Penso
脚本:アレクサンドル・ポンセ&ジル・ペンソ
   Alexandre Poncet and Gilles Penso
美術監督: Laurent Brett/編集:Gilles Penso/音響:Lionel Guenoun/作曲: Alexandre Poncet/制作: Frenetic Arts/共同制作者: Alexandre Poncet/プロデューサー:Nathanael Bouton-Drouard, Johann Garcia, Gilles Penso, Tala Selhami

2015年/ フランス/ 英語・フランス語/ 日本語字幕/ カラー/ 104分/ ビスタサイズ/ 原題:Le Complexe de Frankenstein

配給:イオンエンターテイメント
©️FRENETICARTS 2015