『コンクリート・ユートピア』ソウルのとあるマンションを舞台に繰り広げられるパニックスリラー
『コンクリート・ユートピア』はソウルのマンションを舞台にしたパニックスリラー。
大災害により廃墟となったソウルで唯一残ったマンション、世界から孤立したマンションでは、時間が経つにつれ正常な人々の神経も蝕まれていく。
残されたマンションで、住民の代表となったイ・ビョンホンは自身の役をこう語っている。
「自分が演じるヨンタは、マンションの住民による投票で代表に選ばれるんです。あるマンションが大災害で唯一被害を免れます。彼は被災を免れた住居の住民代表として責務を果たそうと奮闘します。住民たちのために懸命になって力を尽くすんです。でも権力を手にすることで徐々に変わっていきます。置かれた環境によって変化していくという人間の一面を見せてくれるキャラクターです」。
地震大国の日本、能登震災が起きたばかりにエンタメとして見るには心の準備が必要だが、災害時、自分自身がとる行動のシミュレーションドラマとしての見方もあるのではないだろうか。
オム・テファ 監督
オム・テファ
監督
1981年生まれ。韓国映画アカデミー(KAFA)出身。2002年ドキュメンタリー「선희야, 노올자!」で共同監督を務める。短編「숲」(12)、オム・テグ主演の「イントゥギ」(13)で才能が注目され、カン・ドンウォン主演の「隠された時間」(16)で商業デビューを飾る。商業映画第2作目となる「コンクリート・ユートピア」が、第44回青龍映画賞で3冠、第49回大鐘賞では作品賞をはじめ、6冠に輝くなど、最も勢いのある新鋭監督。
ストーリー
世界各地で起こった地盤隆起による大災害で一瞬にして壊滅したソウル。
唯一崩落を逃れたファングンアパートには、居住者以外の生存者たちが押し寄せていた。救助隊が現れる気配は一向になく、街中であらゆる犯罪が横行し、マンション内でも不法侵入や殺傷、放火が起こりはじめる。危機感を抱いた住人たちは、生きるために主導者を決め、住人以外を遮断しマンション内を統制することに。臨時代表となったのは、902号室のヨンタク。職業不明で頼りなかったその男は、危険を顧みず放火された一室の消火にあたった姿勢を買われたのだった。
安全で平和な“ユートピア”になるにつれ、権勢を振るうヨンタクの狂気が浮かび上がる。そんなヨンタクに防衛隊長として指名されたのは、602号室のミンソン(パク・ソジュン)だ。妻のミョンファ(パク・ボヨン)はヨンタクに心服するミンソンに不安を覚え、閉鎖的で異様な環境に安堵しながら暮らす住民たちを傍目でみながら生活をしていた。
生存危機が続くなか、ヨンタクの支配力が強まったとき、予期せぬ争いが生じる。そこで目にしたのは、その男の本当の姿だった………。
『コンクリート・ユートピア』予告編
公式サイト
2024年1月5日(金) 新宿バルト9、アップリンク吉祥寺、ほか全国順次ロードショー
監督:オム・テファ
出演:イ・ビョンホン、パク・ソジュン、パク・ボヨン、キム・ソニョン、パク・ジフ、キム・ドユン
2023|韓国|130分|ビスタ|5.1ch|原題:콘크리트 유토피아|英題:Concrete Utopia
字幕翻訳:根本理恵|配給:クロックワークス|G
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