映画を通してガザの住民の声を聞いてみよう 『ガザの美容室』10月23日12:00より2週間限定で無料公開(11月6日12:00まで)

映画を通してガザの住民の声を聞いてみよう 『ガザの美容室』10月23日12:00より2週間限定で無料公開(11月6日12:00まで)

2023-10-23 12:00:00

報道だけで知ることのできないパレスチナ自治区ガザの住民たちの声を劇映画という形で伝える映画「ガザの美容室」。DICE+ではこの作品を2週間にわたり無料で公開する。

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『ガザの美容室』は、2015年の第68回カンヌ国際映画祭批評家週間で上映され、ガザで生まれ育った双子の監督タルザン&アラブ・ナサール監督作品。

映画の舞台は、パレスチナ自治区ガザの美容室。集まった女性それぞれが髪を整え、その順番を待合室で待つ中、通りの向こうではハマスとマフィアによる銃の発砲が起き、さらに空にはイスラエル軍のドローンが飛んでいる。美容室は戦火の中に取り残され、日常がいきなり戦場へと変わっていく。

極限状態の中、女性たちは平静を装うも、マニキュアを塗る手が震え、小さな美容室の中で諍いが始まる。すると1人の女性が「私たちが争ったら、外の男たちと同じじゃない」と言う。

いつも争いをするのは男ばかりだと思う女性たち。オシャレをする、メイクをする。たわいないおしゃべりを、たわいない毎日を送る。それこそが、彼女たちの抵抗なのだ。

 

タルザン&アラブ・ナサール監督プロフィール

「戦争中であっても、彼女たちは常に人生を選択している。僕たちは、“虐げられたパレスチナの女性”ではなく人々の暮らしを、死ではなくて人生を描かなきゃならないんだ」

1988年、ガザ生まれ。一卵性の双子が生まれたのはガザ地区にあった最後の映画館が閉館した1年後だった。アルアクサ大学で芸術の学士号(絵画専攻)を修めて卒業。その後、2人は映画製作を開始する。2013年の初監督短編『Condom Lead』はカンヌ国際映画祭の短編部門で上映、本作『ガザの美容室』は2015年のカンヌ国際映画祭批評家週間でワールドプレミア上映された。

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ストーリー

パレスチナ自治区、ガザ。クリスティンが経営する美容室は、女性客でにぎわっている。

店主のクリスティンは、ロシアからの移民。美容室のアシスタントのウィダトは、恋人で、マフィアの一員アハマドとの関係に悩んでいる。亭主の浮気が原因で離婚調停のエフィティカールは、弁護士との逢瀬に向けて支度中。戦争で負傷した兵士を夫に持つサフィアは、夫に処方された薬物を常用する中毒者だ。敬虔なムスリムであるゼイナブは、これまでに一度も髪を切ったことがなく、女だけの美容室の中でも決してヒジャブを取ることはない。結婚式を今夜に控えたサルマ、臨月の妊婦ファティマ、ひどい喘息を患っているワファ、離婚経験のあるソーサン…それぞれの事情をもつ、個性豊かな女性たち。

戦火の中で唯一の女だけの憩いの場で四方山話に興じていると、通りの向こうで銃声が響き、美容室は殺りくと破壊の炎の中に取り残された…。

監督・脚本:タルザン&アラブ・ナサール
出演:ヒアム・アッバス、マイサ・アブドゥ・エルハディ、マナル・アワド、ダイナ・シバー、ミルナ・サカラ、ヴィクトリア・バリツカ、他
(2015/パレスチナ、フランス、カタール/84分/アラビア語/1:2.35/5.1ch/DCP)