『ドーナツもり』ドーナツの穴から見える東京・神楽坂を舞台とした44分の物語 DICE+にてレンタル配信開始
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アップリンク吉祥寺にて上映が行われた定谷美海監督の『ドーナツもり』。
上映後の舞台挨拶や、東京・神楽坂に実際にある「ドーナツもり」のドーナツを劇場で販売した影響もあってか、上映日は連日多くの観客が劇場を訪れた。
そんな人々の心を掴んだ本作のDICE+でのレンタル配信が始まる。
吉祥寺までは行くことができなかった方、予告編を見て作品が気になった方へ。
ドーナツの穴から見える44分の物語を、覗いてみてはいかがだろうか。
定谷美海監督インタビュー
── 脚本づくりで心がけていたことは何ですか?
初めて書いた脚本だったので、随分と幼稚で荒削りだったと思います。計算できておらず、編集で切ったシーンも実はたくさんあります。この映画の設計図となれていたのかは正直わからないですが、それでもその片鱗に、登場人物たちが抱える悩み、喜び、企みなんかを入れるように心がけました。
文字だけで全員とゴールを共有するという難しさ、この初心を常に忘れたくないです。
── 主人公の公子に中澤さんを起用した理由を教えてください。
オファーした理由は中澤さんの声です。 『あのこは貴族』という映画を観たとき、彼女が出ているシーンはほんの僅かで台詞も少しでしたが、少し枯れた声とまるいおでこが忘れられずにいました。『オーシャンズ11』でいう、ジョージ・クルーニーやブラッド・ピットではなく、あの双子が気になって仕方ない、そんな感じでした。 公子という人物をキュート一色にしたくなかったので、声質は重要だと考えていました。
絵描きである公子。黒くて真っ直ぐな髪を赤毛のくるくるパーマに変えてもらいました。 他の役ができなくなるからと、長い期間髪型を変えてもらうことは難しいことなのに、二つ返事で、むしろ「いいねいいね!」とノってくれた中澤さん。 髪が変わり、本読みを進める中、あの街のどこかで公子が生きているような気がしました。
今思えば、彼女に初めて会った日から時間を重ねるごとに、彼女自体の人柄に公子を見た気がします。
── 演出はどんなところにこだわりましたか?
この映画は会話劇なので、2人で話しているシーンが多いんです。 全てのショットを決めて計画書を作って撮影に臨みました。会話から生まれる心情をどう切り取ればいいだろう?緊張感や、何かの予兆を演出するには…?狭い店、狭い道、狭い街、だからこそ生まれる人間関係そのものを見せるには、どう立つか?どう座るか?ドーナツの形を感じさせる構図は何か…?
撮影前、それらを悩み、構想し、話し合っていた時間が1番楽しかったです。
現場の雰囲気は緊張感よりも柔らかさを重要視していました。現場の空気は映ると思っていますし、この映画の優しいまあるいイメージを全員で共有したかったので。
監督プロフィール
1986年生まれ、石川県出身。CM業界で活動後、トロントへ渡航。2020年帰国後、脚本を学び、2021年、自身初の短編『それでも幸福でいなさい』を監督。SSFF、おおぶ映画祭にて上映。
ストーリー
東京・神楽坂にある、小さなドーナツ店、ドーナツもり。主人公の公子はイラストレーターの仕事の傍ら、ドーナツ屋でバイトをしている。 このお店に訪れるお客さんは風変わりな人たちばかり。好奇心旺盛な公子は、お客さんの人生にお節介にも介入していき、助けたり、気付かされたり…。そんな彼らとの交流を通して、公子は自分自身と向き合うようになる。
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予告編
2022年12月2日(金)~12月15日(木) アップリンク吉祥寺にてレイトショー公開
企画・脚本・監督:定谷美海
製作プロデューサー:臼井正明
協力プロデューサー:堀寛和
助監督:関口アナン
撮影:木津俊彦 照明:津覇実人
美術:吉田透 録音:柳田耕佑
スタイリスト:山根梨菜子 ヘアメイク:中原康博
音楽:若狭真司
2022年/日本/44分/16:9(4:3)/カラー/5.1ch
©映画『ドーナツもり』