香港を拠点とする『演劇実験室アリス』による『夢の戯曲』の公演をDICE+で配信開始

香港を拠点とする『演劇実験室アリス』による『夢の戯曲』の公演をDICE+で配信開始

2022-11-18 18:00:00

香港を拠点とし、前衛劇の代表的な劇団として、長時間ポストモダン演劇理論の探求及び舞台での具体化に携わってきた演劇実験室アリス。演劇教育のパイオニアであり、教育における演劇と科目としての演劇を振興し、2002以来地方教育制度に適した演劇教育プログラムを制作してきた。2016年の香港芸術発展賞で非学校部門の芸術教育賞を受賞している。

今回、表現主義をテーマに『夢の戯曲』を上演する。『夢の戯曲』は、スウェーデン生まれのアウグスト・ストリンドベリ劇作家による、表現主義の古典的作品である。物語よりも登場人物の動機や感情を解き放つ表現主義の真髄を描き出すため、アンドリュー・チャン・ハンファイは、登場人物の隠された欲望や愛憎といった感情を表すことに重点を置く。

『夢の戯曲』は、ヒンドゥー教における神々の帝王となるインドラの娘の話を描く。インドラは、生命の真髄を探り、この世を訪ね、人生の苦痛と悲惨さを体験する。人は生き延びるため、互いを傷つけ合う。禅の強い意味合いが込められている『夢の戯曲』は、仏陀による人への慈悲を表す。ストリンドベリの演出作品では、インドラの地上生活は夢の列として描写されている。

本作は、演劇評論家に「禅の劇」とされ、インドラが何度も悲惨さを経験した結果、人が神の同情に値するという結末になる。夢の交錯、哲学に満ちた台詞、幻想的なシーンにより、登場人物の心情は最大限に引き出される。

演劇実験室アリス

慈善団体として登録され、香港を拠点とする劇団。香港芸術発展評議会から3年間の助成金を受け、実験演劇に専念している。近年、『カフカの七つの箱』(香港、上海、北京、澳門、台北;ポーランド及び日本で上映)、『第三帝国の恐怖と貧困』(香港、北京)、『ベケット・オン・ステージ2:回想と痕跡』、『女中たち』、『アラビアンナイト』、『百年の孤独』(香港、北京)、『勝負の終わり』(香港、上海)、『十方一念』(香港、上海、台北、北京)、『ハムレットマシーン』(香港、烏鎮)、『香港三人姉妹』(香港、エディンバラ、台北)、『テンペスト』(香港;ポーランド及び日本で上映)、更に『夢の戯曲』(香港;ポーランドでオンライン上映)は、海外からの評価も高く、香港舞台劇賞や香港小劇場賞などでも数々のノミネート歴、受賞歴がある。演劇実験室アリスは、CNNGoによって香港で最も注目を集める劇団5つのうちの1つとして選抜され好評を博している。

陳恆輝 Andrew Chan Hang-faiアンドリュー・チャン・ハンファイ監督

演劇実験室アリス芸術総監督。香港舞台芸術アカデミー(HKAPA)で演劇学科演出専攻学士号を獲得し、『ウォイツエック』と題した卒業公演で校内優秀演出賞を受賞。陳恆輝による『カフカの七つの箱』、『第三帝国の恐怖と貧困』、『勝負の終わり』、『ハムレットマシーン』、『香港三人姉妹』、『テンペスト』、『夢の戯曲』といった演出作品は、中国内海、台湾、ヨーロッパでしばしば演出されている。『カフカの七つの箱』で2009年の第18回香港舞台劇賞の最優秀演出賞(悲劇・シビア劇)を、第1回香港小劇場賞の最優秀演出賞を受賞。『アラビアンナイト』でも、第3回香港小劇場賞の最優秀演出賞にノミネート。『勝負の終わり』で2013年の第5回香港小劇場賞の最優秀演出賞を再び受賞。『香港三人姉妹』で第27回香港舞台劇賞の最優秀演出賞(悲劇・シビア劇)を、台北フリンジフェスティバルの優秀作品賞を受賞した。又、エディンブラ・フェスティバル・フリンジ、台北共同フェスティバル、烏鎮演劇祭などに参加し、地域のアーティストと提携している。近年、陳恆輝はグダニスクシェイクスピア劇場オンラインプロジェクト、InlanDimensions国際芸術祭、東京crossing舞台芸術祭といった国際交流プロジェクトに関わる。2020年・2021年、日本演出者協会に国際演劇交流セミナー(香港特集)というオンラインワークショップに招かれホストを務め、日本の監督、劇作家、俳優へ自分のデバイジングシアターという演出法を紹介した。