『クリエイション・ストーリーズ』世界で最も成功したインディ・レーベル「クリエイション・レコーズ」創設者アラン・マッギーの人生を映画化

『クリエイション・ストーリーズ』世界で最も成功したインディ・レーベル「クリエイション・レコーズ」創設者アラン・マッギーの人生を映画化

2022-10-13 10:24:00

90年代ロック・シーンを席巻した「ブリット・ポップ」の中でも、オアシス、プライマル・スクリーム、ティーンエイジ・ファンクラブ、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインなど人気バンドを次々と世に送り出したクリエイション・レコーズ。

本作は、この「世界で最も成功したインディ・レーベル」と言われるクリエイション・レコーズを創設したアラン・マッギーの、ユニークなキャラクターと破天荒な生涯を描いた躍動感あふれる物語だ。アランの人生の成功と破滅の冒険譚であると同時に、ブリット・ポップの歴史を紐解く旅でもある。

90年代ブリット・ポップ・ブームを象徴し、エポックメイキングな映画として話題を呼んだ『トレインスポッティング』(96)で監督を務めたイギリス映画界の鬼才ダニー・ボイルが製作総指揮を務める。監督は『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』のニック・モラン。脚本は『トレインスポッティング』の原作/脚本のアーヴィン・ウェルシュ。主演のアラン役に『トレインスポッティング』のスパッドこと、ユエン・ブレムナー。

こうして『トレインスポッティング』の制作メンバーが再び結集して作り上げた本作。すばやくリズミカルな展開、断片的なスケッチでストーリーを綴る印象的なスタイルはそのままに、センセーショナルな音楽シーン、ファッション、カルチャーといった90年代の時代のエートスがまるごと再現されている。ブリット・ポップ独特のグルーブ感に乗せて、当時の若者たちには、カオスの蠱惑的な味わいとともに懐かしさを、一方現代の若者たちには、クセのある(クセになる)スパイスのような刺激的な驚きの味わいを、届けてくれるに違いない。

 

ストーリー

スコットランドで生まれ育った青年、アランはロックスターになることを夢見ていたが、保守的な父親とぶつかってばかり。

地元の友人とロンドンに飛び出たアランは仲間とクリエイション・レコーズを設立する。出たとこまかせのレーベル運営はトラブル続きだったが、アランは宣伝の才能を発揮。次々と人気バンドを送り出して、クリエイションはイギリスを代表するレーベルに成長する。

しかし、レーベル運営のプレッシャーや家庭問題から次第にアランは精神的に追い詰められていく。

成功と破滅の先に、音楽業界の革命児が見たものとは?

 

 

ニック・モラン監督 インタビュー



−−この企画のどこに惹かれましたか?

頼まれたのです!しかし決してそんな単純な話ではありませんでした。ディーンとアーヴィン(共同脚本家)は私のデビュー作『Telstar』の大ファンで、同作と明らかに類似性があります。私はプロデューサーのシェリー・ハモンドと会い、二人で大まかにキャスティングや予算の話をし、それでおしまいだと思っていました。現実になるまで様子を見ようと思っていたら、そのまま決まったのです。

ただ、アランが承諾しなければなりませんでしたので、私はアランに会いに行きました。彼が殆ど喋っていました……。でも幸いなことに、私は彼の心を掴む事が出来ました。ちょっとマニアックなインディ系の音楽に関する会話は、引けを取らなかったと思います。あの日から、我々はお互いへの信頼を築き、良好な関係となりました。

−−以前からアランをご存知でしたか?

パーティで2度ほど、私が若手の役者として活動していた頃にちょっと会った事がありました。彼はいつも静かで、礼儀正しかったです。私はノエル・ギャラガーやクリエイション・レコーズ周辺の人達数名と仲良くしていました。アランは間違いなく、自ら話すというよりも人々に語られるような存在でした。

−−アーヴィンとディーンとの仕事はいかがでしたか?

素晴らしかったし、とてもシンプルでした。彼らは『Telstar』のファンで、ディーンは舞台を、アーヴィンは映画を観ていました。勿論私は、彼らの作品を読んだり観たりして……だからお互いに大いに敬意を持ちながら、共同作業に取り掛かりました。脚本はしっかりしていて、少しだけ補強した方がいいなという所はあったものの、非常に巧みな構成だったので言うまでもなく監督にとって夢のような話でした。

彼らはすぐに、我々に対しちょっと陽気な感じで心を開いてくれました。当時ディーンはリーズに、アーヴィンはマイアミにいたので、メールや電話でやり取りしました。脚本はどんどん良くなりました。私は主に、追加のナレーションや性格特性、最近アランと出かけて得たちょっとした貴重な情報の提供に貢献しました。

−−ダニー・ボイルはどれくらいアドバイスをくれたのでしょう?

十分にくれました。監督を務めるのに必要な量のアドバイスをくれました。ダニーは、バイクのスタビライザーを外した上で、何故倒れたかを説明し、次にどうすればよいかをアドバイスするようなタイプです。彼は撮影現場に顔を出したし、『イエスタデイ』の取材中も我々の作品を好意的に語り、それがこちらの製作現場をまとめるのに実に役に立ち、士気を大いに高めました。

でも彼は、決して押しつけがましくはなかったです。彼に繋いだだけのラッシュを送ると、彼から励ましのメッセージと共に素晴らしいテキストメッセージが来ました。それを受けて作業した映像素材を彼にやっと見せたら、それに対しとても気の利いた提案を幾つかくれました。簡潔だけど見識深いコメントで、いつも最後に「貴方の映画だから、貴方のカットで。以上が私の提案だ」と書かれていました。

でも諺にある通り、賢い人たちに囲まれたら彼らの言葉に耳を貸さないのは愚かでしょう。私はあらゆるアドバイスをメモし、それを伝え、映画に命を吹き込みました。無理やりカットさせられたと思った事は一度もありません。奇妙な話ですが、そうやって画をカットする事で、より幸せな気持ちになるのです。

−−これは貴方が作りたいと思っていた映画ですか?

それを遥かに超えたものとなりました。各々の要素を足し合わせた以上に大きくなり、ダニーには言いましたが「身に余るほど良い作品」となりました。それが監督の仕事というものです。私にも映画に絡めたいテーマが幾つかありました。しかし役者の演技がとても重層的で、作品は非常に洗練されたものとなった為、最初に決めていたテーマが引きずられる形で他のテーマも色々と描かれました。

確かにこれはロックンロールを描いた伝記ものです。90年代から届いたポストカードであり、歴史上最高に素敵なイギリスの1ページを思い出させてくれます。しかし、成功したいという意志とそれに伴うダメージや、音楽の周りにある魔法やミステリー、「狂人が成功するのかそれとも成功が人を狂わせるのか」という鶏か卵かという難問をも描いています。同時に、物語が進むにつれ、成長し成熟していく映画でもあります。映画の最初は素朴な喜び、フラストレーション、興奮を描く事から始まり、最後は権力や堕落、運命を狂わす魔法といった、成功がその一因となりうる不本意な部分を描きます。


ニック・モラン
監督
1969年12月23日生まれ、ロンドン出身。監督だけでなく、俳優としても活躍する。『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(98)では主演のトランプ詐欺師エディ役を演じ、俳優として名を馳せた。主な出演作として、『ヤング・ブラッド』(01)、『ハリー・ポッターと死の秘宝』(10、11)、『アニー・インザ・ターミナル』(18)など。監督作としては、イギリス初期のインディペンデント系レコードプロデューサーのジョー・ミークの人生をドラマ化した『Telstar: The Joe Meek Story』(08)、ケヴィン・ルイスによる同名タイトルの書籍を映画化した『The Kid』(10)(シエナ映画祭作品賞受賞)などがある。

 

◆ オアシス
Oasis - Wonderwall

 

◆ プライマル・スクリーム
Primal Scream - Rocks

 

◆ ティーンエイジ・ファンクラブ
Teenage Fanclub - What You Do To Me

 

◆ マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン
My Bloody Valentine - Only Shallow

 

『Creation Stories』予告編

 

公式サイト

 

2022年10月21日(金) 新宿 シネマカリテ、アップリンク京都、ほか全国ロードショー

 

製作総指揮:ダニー・ボイル
監督:ニック・モラン
脚本:アーヴィン・ウェルシュ&ディーン・キャヴァナー
出演:ユエン・ブレムナー、スーキー・ウォーターハウス、ジェイソン・フレミング、トーマス・ターグーズ、マイケル・ソーチャ、メル・レイド、レオ・フラナガン、ジェイソン・アイザックス

2021年/イギリス/英語/110分/原題:Creation Stories

配給:ポニーキャニオン
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