『夜を越える旅』SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2021で観客賞・優秀作品賞をW受賞した「予測不能のロードムービー」
世界中の映像作家が集うSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2021において、観客賞と優秀作品賞をW受賞。更には、東京国際映画祭、プチョン国際ファンタスティック映画祭で公式上映されるなど、映画ファンの間で注目されている『夜を越える旅』。監督を務めたのは、九州を中心に映像制作を行ってきた俊英・萱野孝幸。佐賀県を舞台とした「予測不能のロードムービー」が観客を魅了し、翻弄する。
主人公は、漫画家志望で大学卒業後もバイトをしながら漫画を描く春利。同棲中の恋人からは日常的にお金も借りており、関係も良好とは言えない。彼の人生は足踏み状態、言わば“時が止まっている”状態なのだ。うまくいかない現実から逃れるように、春利は学生時代の友人たちとの旅行に出かける。和やかでゆったりとした時間の流れを楽しむ一行であったが、そんなひと時も春利がかつて思いを寄せていた小夜(さや)の登場を境に一変し、予想だにしない地獄の展開へと転がっていく。
恐らく、この地獄の原因は彼の中で止まっていた”小夜にまつわるもう一つの時間”のせいだろう。春利と小夜の間には何があったのか。小夜の名前の中に「夜」という言葉が入っているのも、本作のタイトルと関係があるだろう。果たして、春利の中の“時間”は動き出すのか。恐ろしくも美しく、切ない物語の全貌が、スクリーンで明らかにされる。
ストーリー
漫画家志望の春利は、大学を卒業しても夢を諦めきれず、同棲中の恋人の半ばヒモ状態。そんな後ろめたさから逃げ出すように、学生時代の友人たちと1泊2日の旅行に出かけるのだが、その最中、応募していた漫画賞の結果が落選だったことを知り自暴自棄になってしまう。そこへ、かつて思いを寄せていた小夜が遅れて合流してくるのだが、春利の微かな高揚感と淡い下心とは裏腹に、事態は思いも寄らない阿鼻叫喚の地獄へと転がり始めてゆく……。
萱野孝幸監督
1990年9月19日生まれ。九州大学芸術工学部卒業。福岡を拠点に映像制作を行う。2018年に初の長編映画『カランデイバ』を発表。2019年『電気海月のインシデント』公開。2020年のアジアフォーカス・福岡映画祭では短編作品を特集した「萱野孝幸コレクション」が上映される。堤幸彦監督、本広克行監督、佐藤祐市監督を中心とした映像製作プロジェクト『SUPER SAPIENSS』にて脚本を担当。2023年には、泉谷しげるを主役の一人に迎えた群像劇コメディ『断捨離パラダイス』が公開予定。
予告編
公式サイト
10⽉21⽇(金) 新宿武蔵野館、アップリンク京都ほか全国順次公開
監督・脚本・編集:萱野孝幸
撮影監督:宗大介 音響監督:地福聖二
照明/B カメラ:和田直也 美術:稲口マンゾ
漫画作画:SHiNPEi a.k.a. Peco
音楽:松下雅史 助監督:長谷川テツ
制作:夏目 プロデューサー:相川満寿美
出演:髙橋佳成、中村祐美子、青山貴史、AYAKA、桜木洋平、井崎藍子、荒木民雄
2021年/日本/81 分
配給:アルファープロデュース、クロックワークス
©αPRODUCEJAPAN / KAYANO FILM