『声/姿なき犯罪者』韓国No.1大ヒット、リアリティ溢れる振り込め詐欺集団を追うアンダーカバーもの
『声/姿なき犯罪者』は、コロナ禍中の韓国で上映されオープニング成績1位の大ヒット。日本と変わらず韓国でも振り込め詐欺が大きな問題となる中で、本作で振り込め詐欺集団の企画室総責任者を演じたキム・ムヨルは「本作は、振り込め詐欺へのワクチンのような映画だ」と言っている。
建設現場で働く元刑事ソジュン。演じるのは、藤原竜也・竹内涼真出演の『太陽は動かない』で、産業スパイ役を演じたピョン・ヨハン。ある日、建設現場で事故が起き、現場責任者のソジュンが責任を問われていると、妻の元に電話がかかってくる。さらに建設会社の社長も振り込め詐欺師の巧みな会話に騙され、詐欺の被害に遭ってしまう。大金を取り戻すためソジュンは振り込め詐欺組織への潜入を決意。元刑事の勘を働かせ、トップに辿り着き復讐を果たそうと計画する。
元刑事であり、韓国警察と連動した行動をとっているので、いわゆる ”アンダー・カバー” ものである。振り込め詐欺の本部は、中国本土のショッピングセンター廃墟にあることがわかる。
日本の振り込め詐欺は、息子の名を語り、親に心配させ振り込ませるというのは典型的だが、本作のような詐欺であれば、かなりの確率で被害に遭うことは想像できる。企画・製作のミン・ジンス代表は「実際に振り込め詐欺で使用されている事例と最近の手口を調査し、なるべく現実に起こっている犯罪事例を映画に描き入れようとした」と話す。
現実の振り込め詐欺事件を研究し、そこに想像力を働かせて作られた『声/姿なき犯罪者』は、リアリティに溢れ、アンダーカバーものとして見応えがあり、振り込め詐欺に対するワクチン映画だ。
ストーリー
釜山の建設現場で働く従業員たちにかかってきた電話-。振り込め詐欺によって娘の治療費からマンションの支払いまで、沢山の人々が大金を失った。現場の作業員として働くソジュン(ピョン・ヨハン)は、前職が刑事という異色の経歴を持つ。彼は愛する妻と同僚の30億ウォンを取り戻すため、振り込め詐欺犯を追跡しはじめる。犯人の手がかりを掴み、中国のある建物へ侵入するソジュンだったが、そこでは組織化された巨大な詐欺集団が総責任者クァク(キム・ムヨル)の指示で毎日多額の振り込め詐欺を行っていた!愕然とするソジュンだったが、300億ウォン規模の新たな詐欺計画を知り、元刑事の正義感に再び火がつき、ひとり巨悪に挑む!
キム・ソン & キム・ゴク監督
(画像左:キム・ソン監督 画像右:キム・ゴク監督)
複数の作品を共に演出してきた双子の兄弟キム・ソン、キム・ゴク監督が、韓国初の振り込め詐欺を映画化。キム・ゴク監督は、「犯罪、アクション、スリラーというジャンルの中で振り込め詐欺グループの実態を見せられる点に魅力を感じた」と、企画に参加したきっかけを明らかにした。
予告編
公式サイト
10⽉7⽇(金) 新宿武蔵野館、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
監督:キム・ソン&キム・ゴク
出演:ピョン・ヨハン、キム・ムヨル 、キム・ヒウォン 、パク・ミョンフン 、イ・ジュヨン
2021年/韓国/韓国語/109分/カラー/シネスコ/5.1ch/原題:보이스(ボイス)
提供:ツイン、Hulu 配給:ツイン
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