『紅い服の少女 第一章 神隠し/第二章 真実』実際に起きた怪奇事件を基にした注目の台湾ホラーが日本にやってくる

『紅い服の少女 第一章 神隠し/第二章 真実』実際に起きた怪奇事件を基にした注目の台湾ホラーが日本にやってくる

2022-09-28 13:07:00

2017年の台湾映画興行成績第一位を叩き出した注目のホラー映画が、ついに私たちの町にやってくる。

1998年に台湾で実際に起きた怪奇事件<紅い服の少女>。事の発端となったのは心霊番組に投稿された一本の動画。動画には、ある家族がハイキングを楽しむ様子が映されていたのだが、その背後に家族ではない紅い服を着た少女が映り込んでいた。その数日後に、なんと家族のひとりが謎の死を遂げてしまう。様々な憶測を呼び、社会現象にもなった怪奇事件を基にして作られたのが映画『紅い服の少女』なのだ。

序盤からホラー展開が惜しげもなく繰り広げられ、2作品通して気の休まる暇はない。じわじわと湿った恐怖が蓄積されていくようなアジアのホラー映画独特の空気感と“一瞬だけ見せる”演出、さらにCGを駆使したド派手な演出が相まって、緩急の絶妙なジェットコースターのような作品となっている。

しかし、これはただの怪奇事件の映画化ではない。本作において怪奇現象を引き起こしているとされている魔物、「魔神仔(モーシンナア)」。魔神仔は、“伐採された木々の数だけ人をさらって山に植える”存在であると説明され、作中でも違法伐採する男たちが魔神仔に襲われる描写がある。第一章の主人公イージュンと恋人のジーウェイは結婚のタイミングや子どもをつくることに関して意見が分かれている。また第二章の主人公リーは、娘の妊娠の事実を知り、彼女の意志を無視して中絶させようとする。登場人物たちの心の中には、それぞれ罪の意識や疚しさが紛れ込んでいて、その延長線上には現在にも通ずるような社会問題が見てとれる。

彼らが紅い服の少女の標的となったのはなぜなのか。そもそも紅い服の少女の正体とは何なのか。そして、紅い服の少女は何を求めていたのか。この2作品を観れば、その真実と対面することができるだろう。

※魔神仔(モーシンナア):台湾で古くから伝わる山の精怪。見た目は赤いサルのような姿をしており、台湾の原住民も目撃していたとされている。赤い服を着た子供にも見え、人をもてあそび、山や森で道を迷わせて帰れなくすると言い伝えられている。

 

チェン・ウェイハオ監督コメント

本作は〈紅い服の少女〉という台湾で20年以上も前から語り継がれ、台湾人なら誰もが知る都市伝説をモチーフにしたホラー映画です。物語中、登場人物たちがひとり、またひとりと失踪していくにつれ、私たち台湾人の心の奥深くに根差している〈紅い服の少女〉への恐怖―霊が身代わりとして生者を死に至らしめる怪異や、幻影をリアルと錯覚させられてしまう恐ろしい状態―を呼び覚まします。さらに三人の主人公のストーリーが進むにつれて浮き彫りになる、都市に生きる人々の執念を心の闇として〈紅い服の少女〉に具現化させることで、〈紅い服の少女〉は私たちの心の中にこそ存在しているのかもしれない、ということを表現しました。

 

ストーリー

【第一章 神隠し】

不動産屋で働くジーウェイとラジオDJのイージュンは交際5年目。ある日ジーウェイの祖母シューファンの友人リーさんが山でハイキング中失踪する。心配するシューファンだが、数日後突然街に帰ってきたリーさんと入れ違うように今度はシューファンが行方不明となる。心配するジーウェイの元に突然送られてきたカメラに映っていたのは、ハイキングを楽しむリーさん達についてくる紅い服を着た“少女”の姿だった。

ついにはジーウェイも失踪してしまい、今度はシューファンが戻ってくるが、「あの子の名前を呼んでしまった」と錯乱している。イージュンは山に人を誘い込むという魔物:魔神仔(モーシンナア)の存在を知り、魔神仔(モーシンナア)がいるとされる山にジーウェイを探しに行くが…。 

【第二章 真実】

社会局家庭内暴力センターのリーは、「最近子供の姿が見えない」と近所の人から通報があり、リンの家を訪れていた。リンは娘のヨンチンは留守だと話すが、隠し部屋にいるのが見つかる。リーが仕事で忙しくしている最中、自分の娘のヤーティンが妊娠していることが発覚する。リーはヤーティンの意志を無視して中絶させようとするがヤーティンは反発し、学校から帰宅せず姿を消す。学校の監視カメラの映像を見ると、そこに映っていたのは“紅い服の少女”に連れられて歩き去るヤーティンの姿だった。果たしてリーはヤーティンを無事救い出すことができるのかー。

 

チェン・ウェイハオ監督

2009年の短編第二作『狙擊手』で注目され、3作目の『保全員之死』は2015年の台北電影節と金馬奨の両方で短編映画賞を受賞。この若き才能に着目したプロデューサーに起用され、長編監督第一作目である『紅い服の少女 第一章 神隠し』と続編の『紅い服の少女 第二章 真実』を大ヒットさせた。その後監督・脚本を手掛けた『目撃者 闇の中の瞳』と『The Soul:繋がれる魂』も大ヒット。『The Soul:繋がれる魂』では主演のチャン・チェンに金馬奬主演男優賞をもたらした。2021年には台湾映画年間興行成績1位で歴代の台湾映画興行成績としても6位(2022年8月現在)を記録するほどのメガヒット作『君が最後の初恋』をプロデュースするなど、今や台湾映画界を牽引する次世代のヒットメーカーとなっている。

【第一章 神隠し】

【第二章 真実】

 

予告編

 

公式サイト

9⽉30⽇(金) シネマート新宿、シネマート心斎橋、アップリンク京都ほか第一章・第二章一挙公開

監督:チェン・ウェイハオ
脚本:ジェン・シーゲン
出演:アン・シュー、ホアン・ハー、レイニー・ヤンほか

【第一章】2015年/台湾/93分/カラー/シネスコ/5.1ch/原題:紅衣小女孩
【第二章】2017年/台湾/108分/カラー/シネスコ/5.1ch/原題:紅衣小女孩 2

字幕翻訳:夏國明
配給:OSOREZONE/台湾映画社 配給協力:シンカ

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