『渇きと偽り』オーストラリア発の至高のクライムサスペンスが“オール・オーストラリア”で満を持して映画化

『渇きと偽り』オーストラリア発の至高のクライムサスペンスが“オール・オーストラリア”で満を持して映画化

2022-09-22 19:41:00

世界的ベストセラーとなったジェイン・ハーパーのデビュー作『渇きと偽り』(ハヤカワ文庫刊)。オーストラリア発の至高のクライムサスペンスが、世界的なオーストラリア人俳優と現地のスタッフによって、“オール・オーストラリア”で満を持して映画化される。

舞台は架空の町キエワラ。一年近く雨が降っておらず、乾き切った大地がどこまでも広がっている。主人公である連邦警察官のフォークは、旧友のルークが妻子を殺した後で自ら命を絶ったという知らせを受け、20年ぶりに故郷へと帰ってくる。ところが、赤ん坊だけが残されているなど不可解な点が多く、住民も何かを隠している様子であった。

さらに、フォークは自らが町を去るキッカケとなった事件にも苦しめられる。フォークは、当時17歳だったエリーが亡くなった事件に密接に関わっているとして住人から疑いの目を向けられていたのだ。過去と現在の2つの事件の真相を追い求めるフォークは、物語の最後に衝撃の事実を突きつけられることとなる。

過去と現在が交差するように展開されていく本作。物語が緻密に構成され、一本ずつ絡まった糸が解けていくような感覚は、原作のある映画ならではの醍醐味と言えるだろう。結末は最後まで観客に分からないように作りつつ、最終的には全ての謎が解き明かされる。本編を最後まで観ることで、タイトルがなぜ「乾き」ではなく「渇き」なのかも見えてくるように思われる。また、”乾いている”からこそ成り立つクライマックスも大きな見どころであろう。

2022年5月には同チームが再結集し、早くも続編『Force of Nature』(原作『潤みと翳り』ハヤカワ文庫刊)の撮影が開始された。本作『渇きと偽り』をチェックすれば、続編に向けてワクワクするような時間が訪れるに違いない。

 

 

ストーリー

メルボルンの連邦警察官アーロン・フォークは旧友であるルークの葬儀に参列するため、20年ぶりに故郷に帰ってきた。自ら命を絶つ前に自身の妻と子供を殺したとされるルークは、10年以上も干ばつが続き、狂気に襲われたこの土地の犠牲者だと思われていた。気が進まないながらも、町にとどまって捜査を行うことにしたフォークは、自身の古傷となっている、当時17歳のエリー・ディーコンの死に向き合うことになる。フォークは数十年も離れて起こった2つの犯罪はつながっているのではないかと疑う。ルークの無実だけでなく、自身の無罪を証明すべく奔走するフォークは、彼に向けられた偏見や、怯えた住人たちが抱える鬱屈とした怒りと戦うことになる。果たしてルークは本当に家族を殺したのか―。そして過去の未解決事件の犠牲者、エリーの死の真相とは――? 

 

ロバート・コノリー監督

1967年生まれ。オーストラリア・シドニー出身。オーストラリアを代表する映画監督の一人。監督作にオスカー・アイザック、アンソニー・ラパリア出演の政治スリラー『Balibo』、ジュリアン・デニソン、サム・ワーシントン出演の大ヒット作『Paper Planes』など。オーストラリアを拠点に、制作会社・アリーナメディアを経営し、現在では人気俳優の仲間入りをしているミア・ワシコウスカ、クレア・マッカーシー、ジャスティン・カーゼルらを、新人時代から起用し、映画業界における地位を確立してきた。社会問題・政治問題への変化を訴えること、映画業界に強い影響をもたらすことを目指している。TV番組では、国際エミー賞ノミネート『The Slap』や『Barracuda』、ジュリアン・アサンジの自伝ドラマ『Underground』(NBCユニバーサル)、マーク・ストロング主演『ディープ・ステート』(FOXネットワークス・グループ)などを監督した。次回作は、ティム・ウィントン作『ブルーバック』の実写化である。原作は海にまつわる環境寓話で、あらゆる世代が楽しめる作品である。本作では、脚本も担当し、登場人物や物語、世界設定について深く理解し、小説への強いリスペクトを抱いており、原作ファンが望んでいたものを作り出した。一方、オーストラリアの大地や、国そのものに対しても敬意を払っている。

 

予告編

 

公式サイト

9⽉23⽇(金・祝) 新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開

監督:ロバート・コノリー
原作:『渇きと偽り』(ジェイン・ハーパー/青木創 訳)ハヤカワ文庫刊
出演:エリック・バナ(『ミュンヘン』『NY 心霊捜査官』)、ジュネヴィーヴ・オーライリー、キーア・オドネル、ジョン・ポルソン

2020年/オーストラリア/英語/117分/カラー/シネマスコープ/5.1ch/原題:The Dry

字幕:風間綾平
配給:イオンエンターテイメント 後援:オーストラリア大使館

©2020 The Dry Film Holdings Pty Ltd and Screen Australia