『人質 韓国トップスター誘拐事件』ファン・ジョンミンが本人役で凶悪犯の人質となるリアル・サスペンス・アクション

『人質 韓国トップスター誘拐事件』ファン・ジョンミンが本人役で凶悪犯の人質となるリアル・サスペンス・アクション

2022-09-07 11:12:00

『哭声/コクソン』、『ただ悪より救いたまえ』など出演作ごとに全く違う顔を見せ、必ずと言っていいほど強烈なインパクトを残してきた俳優ファン・ジョンミン。韓国では『ベイビー・ブローカー』のソン・ガンホなどと並ぶトップスターである彼が、なんと自ら“ファン・ジョンミン”を演じ、誘拐事件の人質となる。2021年の公開時には韓国中で話題騒然となった本作『人質 韓国トップスター誘拐事件』が、ついに日本に上陸する。

「人質 韓国トップスター誘拐事件」。タイトルからもお分かりの通り直球ストレートのクライム・ムービーなわけであるが、一つ大きな仕掛けがある。それは、ファン・ジョンミン自身がファン・ジョンミンを演じているということ。これによって作品タイトルが観客にとってよりリアルな響きとなり、「実際に起きたらどうなるのか」を自然と想像してしまうようなつくりとなっている。

ファン・ジョンミンのスター性を際立たせるために、主要キャストには若手の注目株や無名の俳優が選ばれているとのことだが、何ら心配することはない。ジョンミンに「映画を観終わると観客は驚くほかないだろう。こんなに演技のうまい素晴らしい俳優がいたのかとね」と語らせるほど、全員が個性溢れる迫真の演技をみせている。トップスターと若手俳優による見事なアンサンブルが、作品の完成度を高めているのだ。

約90分間の中で怒涛の展開をみせる本作。心地良いほどのテンポの良さと終わることのない緊迫感。犯人が特定されてからがやっと物語の始まりである。ジョンミンのファンにとっては、過去作のセリフや役名が引用されているのもお楽しみポイントだろう。彼がいかにして絶体絶命の危機に立ち向かうのか、そしてどんな結末を迎えるのか。お近くの劇場でこの重大ニュースの目撃者となってみてはいかがだろうか。

 

ストーリー

記者会見からの帰宅途中、ファン・ジョンミンが突然拉致された。パイプ椅子に縛りつけられた状態で意識を取り戻したジョンミンは、自分が大金目当で誘拐されたことを知る。しかもゲームを楽しむように彼を誘拐した若者たちは、ソウルを震撼させている猟奇殺人事件を起こした凶悪集団だった。

 

ピル・カムソン監督インタビュー

――どのような経緯で本作の監督をすることになったんでしょうか?

何年か前に、偶然テレビでやっていたドキュメンタリー番組で見たのです。有名な俳優が金目当ての何者かに誘拐され、24時間ぶりに救出されたという内容でした。生死のかかった一日という時間と、閉ざされた空間の中で誘拐された俳優の感情はどうだったのか、誘拐犯は俳優の金をむしり取る目的でどんなことをしたのかなど気になりました。また、私がもしも俳優だったら演技を利用して脱出を図るのでは?という想像が私を刺激し、シナリオを書いてみようと思いました。極限の状況に追い込まれた人間の選択に対する好奇心と想像がこの作品を演出するきっかけとなりました。

――本作の中で、ファン・ジョンミンさんのこれまでの作品のセリフや引用などファンにはたまらないシーンが多々ありましたが、脚本を書く上でこだわった点は?

私がシナリオを書いた時、机の上に置いたキーワードがありました。“迫力、スピード、予測不能、リアルなエネルギー”。映画のはじめのほうにファン・ジョンミンさんが誘拐された直後、リュ・ギョンスさんが劇中でファン・ジョンミンさんに向かって“これはリアルだぞ”というセリフがあります。私は、観客をまるで本物のような極端なスリリングの中に一気に引き込みたかったし、常に、次の状況を予測できないように作りたかったです。しかし、あまり強く追い詰めると観客たちが過度の圧迫感に疲れてしまうと思ったのです。それで、ファン・ジョンミンといえば…と思いつく名セリフとユーモラスな状況を要所要所に配置して緩急の調整をしようと思いました。

――監督のお気に入りのシーン、もしくは注目して欲しいシーンはありますか?

崖下に墜落するファン・ジョンミンさんが正気を取り戻すシーンです。本来はあのシーンのストーリーボードにはカットがすごく多かったんです。最初のテイクのワイドショットをリハーサルのように試しに一度撮ってみたのですが、ファン・ジョンミンさんの演技がすごく躍動感があってよかったので、途中でテイクをとめることができませんでした。私がカットをかけないので、ファン・ジョンミンさんもずっと演技をして、撮影監督もまるで最初から約束していたかのように全ての過程を逃さずにカメラにおさめてくれました。結局、私がカットを叫ぶまで1分以上ものロングテイクとなったのですが、そのシーンがたとえ他のシーンとテンポが違っても、うまくはまったと思いました。

――これから見る日本の観客へのメッセージをお願いします。

日本でこの映画が公開することが本当に嬉しく、光栄です!幼い頃から日本語で書かれた自分の映画のポスターを持つことが夢だったので、今回その願いが叶ってすごく嬉しいです。自分だけの方法で危機を脱する俳優ファン・ジョンミンの素晴らしい演技に注目していただき、それに反する新人俳優たちの堂々とした覇気を見ていただけたらと思います。次の作品でもまた日本の観客の皆さんにお目にかかれたらと思っています。ありがとうございます!

 

 

ピル・カムソン監督

これまで短編映画を撮ってきたが、本作で初めて長編映画の監督を務めた。シナリオ段階からファン・ジョンミンのキャスティングを考えていたピル監督。俳優ファン・ジョンミンが人質に取られたという前代未聞の設定を一本の映画として作り上げるまで、監督は絶えず創造し続け、この大胆な発想に肉付けをして本作を完成させた。監督は“最初から最後まで息つく暇がない、緊張感ある映画”と語り、自信を表している。

 

予告編

 

公式サイト

9⽉9⽇(金) シネマート新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開

監督:ピル・カムソン
出演:ファン・ジョンミン(『ただ悪より救いたまえ』)、イ・ユミ(『イカゲーム』)、リュ・ギョンス(『梨泰院クラス』)

2021年/韓国/韓国語/94分/シネスコ/5.1ch/原題:인질

字幕翻訳:根本理恵
提供:ツイン、Hulu 配給:ツイン

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