米Variety誌レビューより
Netflixがまず全世界で7月15日に劇場公開(アップリンク吉祥寺・京都)し、その後にストリーミングサービスで公開する2億ドルとも言われる超大作。
(『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の製作費は3億ドル以上と言われている)
『アベンジャーズ/エンドゲーム』のアンソニー&ジョー・ルッソ監督が、007シリーズ(昨年の『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』で、ダニエル・クレイグが少なくともエンドゲームに到達した)に対する回答として発表した作品だ。『グレイマン』は、ジェームズ・ボンドのように世界中を飛び回る巨大な作品であり、偶然とは思えないほど重なり合う部分もある。最も重要なのは、共演のクリス・エヴァンス(元キャプテン・アメリカ)が、ゴスリングが控えめであるのと同様に、派手で大げさな悪役を演じていることである。
ゴスリングは単にアクションスターになりたいのではなく、ハリウッド版のアラン・ドロンになりたいのだ。ハンサムなフランスの象徴であり、『太陽がいっぱい』では完璧な頬骨を持つ社会病質者を演じ、『サムライ』では感情を表に出さない殺し屋を演じた。ゴズリングは、前科者からCIAの殺し屋に転身したシックスを演じるのだが、あまりに仕事ができるため、逆にお荷物になってしまい、CIAの殺人リストのトップに立ってしまうのだ。
ゴズリング演じる名もなき主人公は、実験的なシエラプログラムの一環として、古参のドナルド・フィッツロイ(ビリー・ボブ・ソーントン)に刑務所からそのまま採用された。前科のある殺人犯を戦略的な暗殺者に仕立て上げ、諜報機関への義務的な奉仕と引き換えに「自由」を提供するのだ。無謀で破滅的なアイデアに聞こえるが、微妙な手がかりと、後にもっとあからさまなフラッシュバックによって、ゴズリング演じるシエラ・シックスが獄中に置かれることになった犯罪が、比較的道徳的なものであったことが明らかになる。
シックス(007と混同しないように)は良心のある殺人者であり、たとえ彼の殺しのほとんどが上からの命令であり、彼の側に真の判断が必要ないとしてもだ。一方、エヴァンス演じるロイド・ハンセンは、拷問を好む契約殺人者で、規則を破る機会があればいつでも喜んでやる。