カンヌ・カメラドール『WAR PONY』が受賞、特別賞に早川千絵監督『PLAN 75』

カメラドール受賞

WAR PONY

監督:ライリー・キーオ

パインリッジ居留地で育った2人のラコタ族の少年の物語を描いた「WAR PONY」。23歳のビルは、ただ自分の力で何かを成し遂げたいと考えている。ガソリンスタンドや配達、プードルの飼育など、「アメリカンドリーム」を目指して奮闘する。一方、12歳のマトは、早く一人前の男になりたいと願っている。父に認められたい一心で、衝動的な決断をしたマトの人生は、大人の世界の厳しい現実に対応することができないまま終わってしまう。自分の居場所を求めるという共通点を持つ少年たちは、アイデンティティ、家族、喪失感といった問題に取り組みながら、一人前の男への道を歩んでいく。

スペシャルメンション(特別賞)

PLAN 75

監督:早川千絵

夫と死別してひとりで慎ましく暮らす、角谷ミチ(倍賞千恵子)は78歳。ある日、高齢を理由にホテルの客室清掃の仕事を突然解雇される。住む場所をも失いそうになった彼女は<プラン75>の申請を検討し始める。一方、市役所の<プラン75>の申請窓口で働くヒロム、死を選んだお年寄りに“その日”が来る直前までサポートするコールセンタースタッフの瑶子(河合優実)は、このシステムの存在に強い疑問を抱いていく。また、フィリピンから単身来日した介護職のマリア(ステファニー・アリアン)は幼い娘の手術費用を稼ぐため、より高給の<プラン75>関連施設に転職。利用者の遺品処理など、複雑な思いを抱えて作業に勤しむ日々を送る。
果たして、<プラン75>に翻弄される人々が最後に見出した答えとは―――。

6月17日より公開