パラマウントとワーナーの統合にドキュメンタリー界が懸念、報道映像アーカイブへの影響を警戒

パラマウント・スカイダンスによるワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)の買収をめぐり、ドキュメンタリー映画関係者から報道映像アーカイブへのアクセスに影響が及ぶことを懸念する声が上がっている。CBS NewsとCNNという米国の主要ニュースネットワークのアーカイブが一つの企業傘下に入ることで、利用条件や料金、編集上の自由に影響する可能性が指摘されている。
パラマウント・スカイダンスのデビッド・エリソンCEOによる1110億ドル規模の買収が成立すれば、パラマウントは85年分に及ぶCBS Newsの映像に加え、約400万件の映像資料を保有するCNNのアーカイブも取得することになる。CNNのアーカイブには、世界各地のニュースや戦争、選挙、主要な政治的出来事を45年以上にわたって記録した映像が含まれている。ドキュメンタリー関係者は、こうした資料へのアクセスが制限されたり、ライセンス料が引き上げられたりする可能性を懸念している。

アーカイブ・プロデューサーズ・アライアンス(APA)のステファニー・ジェンキンス共同創設者は、統合によって歴史的資料の利用が制限される可能性があると指摘し、サム・ポラード監督も『MLK/FBI』などでアーカイブ映像を活用してきた立場から懸念を示している。特に、ドナルド・トランプ大統領や政権を批判的に扱う作品について、映像の利用可否や編集上の判断に影響が及ぶことを警戒する声もある。背景には、過去のメディア企業の統合によってアーカイブ映像へのアクセスが制限された事例もある。

米国では、パラマウントが取引の完了を2027年6月1日まで延期することに同意しており、12州の司法長官が起こした訴訟を受け、連邦反トラスト裁判が2027年3月2日に始まる予定となっている。今回の統合をめぐっては、映画やテレビ業界の競争だけでなく、歴史的な報道映像を誰が、どのような条件で利用できるのかという問題も浮上している。ドキュメンタリー関係者は、アーカイブへのアクセスが狭まれば、過去の出来事を記録し伝える作品の可能性そのものが損なわれると懸念している。

参照:Indie Wire