欧州で、アニメーション制作に特化した環境認証制度「ANiMPACT」の試験運用が始まった。実写作品では普及している環境認証をアニメーションにも導入し、持続可能な制作に対する助成制度との連携や、持続可能な制作の促進につながる制度として期待されている。
ANiMPACTは、欧州の地域映画基金ネットワークCineRegio、フランスの非営利団体Ecoprod、実写作品向け環境認証制度Green Filmが共同で立ち上げた新たな認証制度である。6月25日にアヌシー国際アニメーション映画祭でパイロット版が始動し、スタジオや作品ごとの環境負荷を評価・認証する仕組みの検証が進められている。アニメーション業界ではこれまで環境認証制度が存在せず、持続可能な制作に対する助成制度の対象になりにくいという課題があった。
認証では、企業運営やエネルギー使用、デジタルワークフロー、移動、データ保存など7つの分野を評価対象とする。アニメーション制作ではレンダリングなどに使用するコンピューターの電力消費が環境負荷の大きな割合を占めることから、AIの利用についても基本的な倫理・環境ガイドラインを設け、今後の普及に応じて基準を更新していく方針である。また、認証は第三者機関による審査を経て付与される。
近年は欧州の地域・国家・EUレベルの映画基金で、環境認証を取得した作品への助成が進むほか、一部では認証取得を要件とする動きも始まっている。ANiMPACTは、実写作品で国ごとに異なる認証制度が並立している状況を改善する仕組みとして位置付けられており、欧州共通の基準となることが期待されている。パイロット運用は2027年5月まで実施される予定で、正式運用開始後はアニメーション作品全般が認証を申請できるようになる見込みである。