Netflixがフランス最大の民間放送局TF1のコンテンツ提供を開始した。従来型放送局との初の提携となり、欧州において地上波放送とストリーミングサービスの統合が加速していることを象徴する動きとして注目されている。
Netflixは6月19日から、フランス国内の加入者向けにTF1グループのライブチャンネルおよび配信サービス「TF1+」のコンテンツ提供を開始した。対象にはドラマ、リアリティ番組、ニュース番組に加え、ラグビー・ネーションズ選手権やフランス代表サッカーの試合などのスポーツ中継も含まれる。Netflixはコンテンツを買い付けるのではなく、「TF1+」のサービス自体を自社プラットフォームに統合する形を採用している。
今回の提携は、Netflixにとって従来型放送局との初の本格的なパートナーシップとなる。利用者はNetflixの「視聴を続ける」や「マイリスト」などの機能を使いながらTF1の番組を視聴できる一方、広告はTF1側が提供し、配信権も引き続き同社が保有する。TF1グループのロドルフ・ベルメールCEOは、新たな視聴者層にリーチし、広告主にとっても新たな機会を創出できるとの期待を示した。
近年の欧州では、配信サービスの普及を受けて放送局とストリーミング事業者の提携が相次いでいる。フランスではPrime VideoとFrance Télévisions、英国ではDisney+とITVが同様の連携を進めている。このような提携は、数百万規模の加入者を持つストリーミングサービス上で露出を増やしたい放送局と、ローカルコンテンツやスポーツ中継を取り込み「ワンストップ型」のエンターテインメントサービスを目指す配信事業者の双方に利益をもたらす。今回のNetflixとTF1の提携は、放送と配信の境界がさらに薄れつつある欧州メディア業界の変化を示す事例といえる。
参照:Screen Daily