米司法省反トラスト局は、パラマウントによるワーナー・ブラザース・ディスカバリー買収について、競争を阻害する可能性は低いとして異議申し立てを行わない方針を示した。ハリウッド再編をめぐる最大の規制審査の一つが通過したことで、取引成立に向けた動きが前進した。米司法省反トラスト局は、約8カ月に及ぶ調査の結果、パラマウントによるワーナー・ブラザース・ディスカバリー買収が独占状態を生み出さないと結論付けた。声明では、この取引は「メディア・エンターテインメント業界全体の競争を促進し、米国の消費者と労働者に利益をもたらす」と説明している。4月にはパラマウント株主も買収計画を承認しており、規制審査は取引成立に向けた重要な関門とみなされていた。
司法省は、ストリーミング、リニアテレビ、劇場映画の3分野を対象に競争への影響を検証した。ストリーミング分野では、Paramount+とHBO Maxの統合により、Netflixなど大手配信サービスに対抗できる競争力のある選択肢が生まれると評価した。また映画分野についても、司法省は『Backrooms』『オブセッション 災愛』『プロジェクト・ヘイル・メアリー』などを例に挙げ、大手スタジオ以外にも成功の機会が広がっていると指摘した。
近年のハリウッドでは、配信市場の拡大と映画館ビジネスの変化を背景に、大規模な統合や再編が相次いでいる。一方で、本件については映画館団体やクリエイター団体などから市場集中への懸念も示されており、カリフォルニア州やニューヨーク州では提訴準備が進められていると報じられている。英国や欧州連合(EU)でも審査が続いており、世界的なメディア再編の行方を占う事例として注目されている。
参照:IndieWire