『Backrooms』のヒットが示すZ世代観客の変化 YouTube出身監督が映画界に新たな潮流

20歳の監督ケイン・パーソンズによるホラー映画『Backrooms』が記録的な興行成績を収めた。YouTube出身クリエイターによる成功は、若年層の映画消費の変化とハリウッドの製作体制に新たな問いを投げかけている。A24配給の『Backrooms』は北米興行収入8140万ドル、世界興行収入1億1800万ドルを記録し、公開直後から社会現象を巻き起こした。同作は同年齢の監督による作品として史上最高のオープニング記録を樹立したほか、オリジナルホラー映画としても歴代最高のオープニング興収を達成した。さらにA24史上最大のヒットスタートとなり、従来の記録だった『シビル・ウォー アメリカ最後の日』の2550万ドルを大きく上回った。

観客の86%以上が35歳未満で、そのうち約3分の2が25歳未満だった。こうした数字は、近年ハリウッドが重視してきた大型フランチャイズ作品とは異なる層を劇場へ呼び戻していることを示している。『Backrooms』や同じくYouTube出身のカリー・バーカー監督作『オブセッション 災愛』の成功は、SNSや動画プラットフォームを基盤とする新たな観客コミュニティの存在を浮き彫りにした。

近年の映画業界では続編や既存IPへの依存が強まる一方、若年層の映画館離れが課題とされてきた。スタジオ各社はTikTokやYouTubeなどを通じて若年層へ直接アプローチする戦略を強化しており、パーソンズやバーカーらの台頭はその流れと重なっている。今回の成功は、インターネット発のクリエイターが映画産業の担い手となりうることを示す事例として、今後のハリウッドの製作戦略にも影響を与える可能性がある。

参照:IndieWire