カンヌ最高賞にクリスティアン・ムンジウ監督作『Fjord』 岡本多緒が女優賞受賞

第79回カンヌ国際映画祭で、クリスティアン・ムンジウ監督の『Fjord』がパルム・ドールを受賞した。俳優賞では日本の岡本多緒が女優賞を受賞し、日本勢の活躍が注目を集めた。
ルーマニアの監督ムンジウによる英語長編デビュー作『Fjord』が、カンヌ国際映画祭の最高賞パルム・ドールに選ばれた。主演はレナーテ・レインスヴェとセバスチャン・スタンで、ノルウェーに移住したルーマニア人家庭が児童虐待の疑いをかけられる物語である。ムンジウは『4ヶ月、3週と2日』に続く2度目の受賞となった。
なお、本作の受賞により、インディペンデント配給会社Neonは7年連続でパルム・ドール受賞作を獲得したことになった。同社は今年の映画祭に先立ち、『Fjord』の北米配給権を取得していた。

主要演技賞では、濱口竜介監督作『急に具合が悪くなる』に出演した日本の岡本多緒とフランスのヴィルジニー・エフィラが女優賞を共同受賞した。日本人としてカンヌ史上初となる女優賞の快挙に、岡本は「まるで夢さえも超えています。本当にありがとうございます。私の期待をはるかに超えるものでした。心から感謝します」と述べた。

また、アンドレイ・ズビャギンツェフ監督の『Minotaur』がグランプリを受賞し、ロシア社会と戦争を背景にした物語が注目を集めた。ズビャギンツェフの受賞スピーチではプーチン大統領と戦争への批判も展開された。カンヌは近年、社会的・政治的テーマを扱う作品の評価が続いており、映画表現と現実社会の関係が改めて問われている。

参照:The Hollywood Reporter