ゴールデングローブ賞を主催する団体が、AI利用作品および非英語作品に関する新たな選考規定を発表した。生成AIの普及と国際映画市場の拡大を背景に、映画賞の審査基準が大きく変化しつつある。
第84回ゴールデングローブ賞では、非英語作品やインディペンデント映画に出演した俳優について、作品賞部門にエントリーされていなくても、その他の応募資格を満たしていれば、個人演技賞部門に応募が可能となった。対象となるインディペンデント映画は、独立系プロデューサーや小規模制作会社などによる製作費1000万ドル未満の作品と定義されている。
配信プラットフォームの拡大により、英語圏以外の作品や小規模映画の国際的評価が高まる中での制度変更となる。
AI利用に関しては、生成AIを使用した作品であっても、人間による創造的判断や演出が制作全体を主導している場合は応募資格を維持できると定められた。応募作品は「創造的演出、芸術的意思決定、制作工程がどの程度クレジットされた人物に由来しているか」に基づいて審査される。
一方で、AIによって大部分が生成されたパフォーマンスは演技賞の対象外と明記されたが、「演技が本質的に人間主導であり、クレジットされた俳優の創造的管理下にあり、かつ俳優本人の許可を得ている場合に限り、AIを補助・強化目的で使用しても自動的に失格にはならない」としている。また応募時には、俳優の容姿や声を含め、制作過程で使用された生成AIについて開示する義務が課される。
映画業界では近年、AI技術の急速な導入に対し、俳優や脚本家の権利保護を求める議論が続いている。
今回の変更は、映画芸術科学アカデミー(AMPAS)が先日発表したAIおよび非英語作品に関するアカデミー賞規定変更に続く動きとなる。映画賞におけるAI利用と国際作品の位置づけをめぐり、主要賞レース全体で基準の再編が進んでいる。
参照:Screen Daily