ガザの医療現場を記録したドキュメンタリー『Life Support』、英・アイルランド配給決定

ガザ地区の封鎖下における医療現場を記録したドキュメンタリー『Life Support』が、イギリスおよびアイルランドでの配給を獲得した。報道が制限される中で撮影された映像は、紛争と情報統制の問題を可視化するものとして注目される。イタリア出身でイギリスを拠点とするダニエル・ルーゴ監督による本作は、過去2年間にわたりガザで活動した国際的な医師たちの証言を中心に構成されている。爆撃を受けた病院や物資不足、飢餓状態、そして女性や子どもを中心とした多数の負傷者に直面する医療従事者の実態が記録されている。国際メディアの取材が制限される状況下での一次的記録として位置づけられる。

本作は6月開催のシェフィールド国際ドキュメンタリー映画祭でワールドプレミアを迎え、ティム・ヘザリントン賞の候補にも選出されている。製作にはCocoon Films、Metafora、Pressure Cooker Artsが参加し、スーザン・サランドンやアシフ・カパディアらがエグゼクティブプロデューサーとして名を連ねる。

ルーゴ監督は「医師たちが目撃し、記録してきたことは極めて重要である。彼らが語る物語と映像は、現実を映し出す鏡だ。証言することによる道徳的損傷――その代償は、私たち全員が共有すべきものである。ガザにおける彼らの存在は、世界の沈黙に疑問を投げかける急進的な連帯の行為だ」と述べている。一方で、プロデューサーのウィリアム・パリーは、本作をイスラエルによる戦争犯罪を記録することを目的とした作品であると説明している。紛争下の映像記録とその解釈をめぐる状況の中で、本作は映画が果たしうる証言と記録の役割を問い直すものとなっている。

参照:Screen Daily