イタリア・ウディネで開催されるウディネ・ファー・イースト映画祭(FEFF)の2026年ラインナップが発表された。シンガポールやベトナム作品の台頭とともに、アジア映画の地域的広がりが改めて示されている。
第28回となるFEFFでは、12カ国から76作品(コンペティション52作品、非コンペ24作品)が上映される。オープニングはアンソニー・チェン監督『We Are All Strangers』、クロージングはファン・ザー・ニャット・リン監督『Blood Moon Rite 8』が務める。後者は日本映画『カメラを止めるな!』のベトナム版リメイクであり、地域間のリメイク動向も浮き彫りとなっている。
今回の特徴として、シンガポールとベトナムの存在感の高まりが挙げられる。ゲック・プリシラ・アン監督『Ah Girl』やマイケル・カム監督『The Old Man and his Car』、さらにレオン・レ監督『Ky Nam Inn』など複数作品が並び、近年の東南アジア映画の制作活性化を反映している。加えて韓国作品では『The Seoul Guardians』が同映画祭で初めてコンペ入りするドキュメンタリーとなり、ジャンルの拡張も進んでいる。
日本からは李相日監督『国宝』が上映されるほか、MEGUMI主演『FUJIKO』がワールドプレミアを迎える。また、功労賞「ゴールデン・マルベリー賞」はファン・ビンビンと役所広司に授与される。国際映画祭における顕彰と新作紹介が並行する構成からは、アジア映画の現在と蓄積を同時に提示する同映画祭の位置づけが示されている。