グアダラハラ映画祭(FICG)、クィア部門「プレミオ・マゲイ」15周年

メキシコのグアダラハラ国際映画祭(FICG)におけるLGBTQ+部門「プレミオ・マゲイ」が創設15周年を迎えた。性的多様性をめぐる状況が変化する中でも、その社会的役割は依然として重要と位置づけられている。
2012年に創設されたプレミオ・マゲイは、メキシコおよびラテンアメリカで初のクィア映画賞として始まり、現在では同映画祭を代表する部門の一つに成長した。

15周年は「クィア」と15歳の通過儀礼「キンセアニェーラ」を組み合わせた「ケルシアニェーラ」と名付けられ、文化的な意味合いも強調されている。創設当初はタブー視されていたテーマが、映画を通じて可視化されてきた経緯がある。
ディレクターのパベル・コルテスは、この重要な節目について次のように語る。「プレミオ・マゲイがグアダラハラや国内に与えた影響について語ることは、やや大げさに聞こえるかもしれません。しかし、性的多様性とクィア文化の正当性を地域的にも国家的にも確立するうえでの社会的貢献は否定できません」
一方で、メキシコでは依然としてヘイトクライムやトランスフェミサイドが問題となっており、受容が限定的である現実も指摘した。 

第15回のラインナップには、シャロン・クラインバーグ監督『I Am Mario』やダニエル・リベイロ監督『I Will Miss You』などが含まれ、トランスマスキュリンの親性を扱う作品も取り上げられている。さらに短編『Alex』ではノンバイナリーの妊娠と中絶が描かれ、テーマの拡張が進む。特別上映としてはアレハンドロ・アメナーバル監督『海を飛ぶ夢』なども予定されており、表現の幅と歴史性の両面から同部門の意義が示されている。

参照:Variety