シリア出身のダハム・アラサード監督によるドキュメンタリー『Ashes』が、3月5日から15日まで開催されるテッサロニキ国際ドキュメンタリー映画祭のピッチングフォーラムで紹介される予定だ。
本作は、シリア内戦を背景に、戦争犯罪の責任追及をめぐる取り組みを記録するドキュメンタリー。アラサードはシリア蜂起の初期、故郷パルミラでツアーガイドとして働いていた際、シリアの強権指導者バッシャール・アル=アサド政権に対する抗議デモの様子を偶然撮影した。その映像が拡散したことで、彼は国外への逃亡を余儀なくされる。やがて10年以上にわたる内戦に突入することになるシリアを離れヨーロッパへと渡った彼は、安全な地からシリアの戦争犯罪者を法の裁きにかけようとする取り組みを記録するようになった。
制作の出発点には、「欠如を記録する必要性」があったとアラサードは語る。亡命生活の中で家やアイデンティティを失う経験を経た彼は、正義の追求を探ると同時に、自身を含む多くのシリア人の個人的な歴史に根ざした物語として『Ashes』を構想したという。
『Ashes』は、アカデミー賞受賞作『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』を手がけたノルウェーの製作会社アンティポード・フィルムズのボード・キョーゲ・ロニングとファビアン・グリーンバーグがプロデューサーを務め、フランスのザディグ・プロダクションズのセリーヌ・ヌッセ、そして新設されたシリアの制作会社ベル・スタジオのアルフマム・アラサードが共同製作として参加している。現在は制作初期段階にあり、アラサード監督は今年後半までに主要撮影を終えることを目指している。
参照:Variety