地域連帯と創作の多様性 フランスで存在感を増すバルト三国映画

フランスにおいて、エストニア、ラトビア、リトアニアから成るバルト三国の映画への関心が着実に高まっている。

2026年2月6日~8日までパリで開催されたバルト映画祭「CinéBaltique(シネバルティック)」や、ポンピドゥー・センターでの約3ヶ月にわたるドキュメンタリー特集上映を通じ、これまで国際的に紹介される機会の少なかった作品がフランスの観客に紹介されている。

こうした動きの背景について、エストニア映画基金(EFI)のCEOであるエディト・セップは、「時代は変わり、業界も変わり、ヨーロッパのニーズも変化している」と指摘する。かつて小規模、あるいは周縁的と見なされてきた地域の映画が注目される理由について、観客が「異質で未知、まったく新しい表現」を求めている点を挙げ、バルト三国がそれぞれ異なる映画言語を持つことが強みになっていると語る。また、欧州の地政学的変化を踏まえ、「民主主義が圧力を受ける時代において、規模の大小は問題ではない。生き延びるためには結束が必要だ」と述べ、地域連携の重要性に言及した。

加えて着目すべきは、2月5日、6日にパリで開催された初のフランス=バルト映画ミーティングだ。これは、フランス国立映画センター(CNC)主催による国際共同製作ワークショップで、ラトビアの大ヒット作『Flow』を起点に、プロデューサーのマティス・カジャとロン・ディアンスが、アカデミー賞受賞アニメーションの経験を振り返ったほか、複数の長編企画が紹介され、共同製作の可能性が模索された。

地域としての連帯と創作の多様性が、バルト映画を新たな注目領域として押し上げている。 

参照:Variety