オリヴァー・ラクセ監督の映画『Sirāt(原題)』が、第78回カンヌ国際映画祭で審査員賞を含む4冠を達成した。本作は第98回アカデミー賞国際長編映画賞において、スペイン代表として選出されている。
物語は、失踪した娘を探すため、父と息子がモロッコ南部の砂漠で行われるレイブパーティに参加するところから始まる。スペイン出身のラクセ監督は、詩的リアリズムとダンスミュージックを融合させ、観客に予測不能の展開と独自の映画的体験を提供する。制作には巨匠ペドロ・アルモドバルがプロデューサーとして名を連ね、国際的な注目を集めた。
本作のサウンドデザインも注目されている。スーパーバイジング・サウンド・エディター(音響監修)のライア・カサノバス、リレコーディング・ミキサー(最終音声ミックス担当)のヤスミナ・プラデラス、プロダクション・サウンド・ミキサー(現場録音担当)のアマンダ・ビリャビエハによる女性3人のチームが担当。特に砂漠でのレイヴシーンでは、古い手作りスピーカーの特性を活かして音楽を録音・再現し、Dolby Atmos向けにアンビソニック技術を用いた精密なミキシングで没入感を高めた。音響賞を含む5部門でアカデミー賞ショートリスト入りしていることも話題となった。
『Sirāt』は、カンヌ映画祭での高評価とアカデミー賞候補入りにより、国際的な注目を集める作品となっており、日本では東京国際映画祭で上映済み。配給はトランスフォーマーが担当しており、劇場公開が予定されている。
参照:IndieWire