『エディントンへようこそ』選挙カーシーンが呼び起こす『ゆきゆきて、神軍』

アップリンク吉祥寺ほかにて大好評上映中のアリ・アスター監督最新作『エディントンへようこそ』では、作中に登場するパトカーをカスタムした過激な選挙カーのシーンが、原一男監督によるドキュメンタリー映画『ゆきゆきて、神軍』へのオマージュであることが明らかになり、話題を呼んでいる。

1987年に公開された『ゆきゆきて、神軍』は、元日本兵・奥崎謙三という一人の人物に密着し、戦争責任の追及を名目に街宣や直接行動を繰り返す姿を通して、「正義」がいかに暴力へと転化していくのか、そしてそれを前にした社会の沈黙や困惑を鋭く映し出した、原一男監督の代表作である。

『エディントンへようこそ』における選挙カーの描写は、作中で奥崎が乗る街宣車のイメージを現代社会の分断や対立の構図の中に引き継ぎ、アップデートするものとして受け止められている。

なお、12月19日(金)からは、原一男監督が出演する『星と月は天の穴』(監督:荒井晴彦)が、アップリンク吉祥寺・アップリンク京都にて公開される。
さらに公開2週目となる12月26日(金)には、アップリンク吉祥寺にて 原一男監督、荒井晴彦監督、井上淳一監督、原一男監督による鼎談イベントの開催も予定されている。

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