動画配信サービスが主役に 急成長するベトナムの視聴市場

ベトナムの映像・エンターテインメント市場で、動画配信(VOD)を中心としたストリーミングサービスの利用が急速に広がっている。Variety が報じた業界セッションでは、2025年前半のストリーミング契約者数が前年から33%増加し、7,000万に到達したと紹介された。一方、有料テレビの契約数は2,200万から1,650万に減少したことが示され、視聴行動の変化が明確になっている。SNSは主要な情報源として影響力を強め、芸能ニュースが若年層のあいだで大量の反応を生むなど、視聴者行動の中心的役割を担っている。

番組フォーマット市場では、ノンフィクションの輸入の85%がアジア発で、内訳は韓国35%、中国30%、日本15%、タイ10%と報告された。中国発フォーマットの増加が目立ち、ベトナムでは「Sisters Who Make Waves」や「Call Me by Fire」などがローカライズされている。ドラマフォーマットでは韓国が55%と最大で、中国と台湾が各18%を占める。台湾ドラマは長編作品を中心に一定の視聴者層を持つ一方、「劇場版 時をかける愛」など一部の作品は若年層の支持を得て、Netflix ベトナムの上位に入る例も出ている。

ベトナムは東南アジアでも有数の成長市場とされ、McKinsey によると2025年第一四半期の経済成長率は地域で最も高い水準だったとされる。人口規模と経済成長を背景に、映像コンテンツの需要は今後さらに拡大すると見られている。

参照:Variety